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【5677268】共通テスト/センター試験から変わる8つのポイント

投稿者: 共通テスト   (ID:ej38ffBEhH.) 投稿日時:2019年 12月 20日 11:38

①英語:発音、アクセント問題などが消滅(確定)

現在のセンター試験では、発音やアクセント問題、語句の並び替えなどが大問1で出題されています。
これが共通テストではなくなることが確定しています。
なぜ確定しているか、と言えば共通テストで英語民間試験を導入することが予定されていたからです。
当初の予定では英語4技能(読む、聞く、話す、書く)のうち、「話す、書く」は民間試験で、「読む、聞く」は共通テスト、とすみ分けることが予定されていました。
それでセンター試験では大問1で出題されていた発音、アクセント問題は廃止することで作問が進んでいたのです。
ところが、英語民間試験の導入が延期に。と言って、作問作業は一年以上、かかるため、今さら後戻りはできません。




②英語:リスニングが100点と倍で1回読みが登場(確定)

現行のセンター試験はリスニングが50点の配点となっています。
これが共通テストでは100点と2倍になります。
さらに、センター試験のリスニングは問題文を2回読むようになっています。これが共通テストでは2回読みと1回読みの両方で構成されることが決定済みです。
配点が倍に増えて1回読みというハードルが上がることを考えると、これまで以上にリスニングの比重が高くなる、と言っていいでしょう。




③英語:設問が全て英語(確定)
設問がセンター試験だと日本語でしたが、共通テストでは英語になる見込みです。




④英語:単語量増加で難易度が上昇(ほぼ確定)
読解量・単語の量は共通テストだと大幅に増える見込みです。




⑤国語:書類など実用文からの出題(ほぼ確定)

共通テストのプレテストでは、2回とも実用文が出題されました。
1回目は高校の生徒会の部活動規約。これに生徒同士の会話文とアンケート結果など形式の違う資料がつきました。
2回目のプレテストでは著作権について書かれたポスター、著作権法の条文、さらに著作権についての論説文。
これまでのセンター試験とは大幅に異なる形式です。




⑥数学:数学の知識だけでは解けない(ほぼ確定)

共通テストのプレテストでは身近なテーマについて問題文を読ませたうえで数学の知識を必要とする設問が出題されました。これは共通テストでもほぼ同じと思われます。





⑦全科目:ゼロマークの登場(半々?)

現在のセンター試験は、選択肢が4~5程度あり、その中から1つを選ぶようになっています。つまり、正解が分からなければ、どれか1つを適当にマークすれば正解になる確率が四択なら25%と、それなりにありました。
共通テストのプレテストでは、「正しい選択肢をすべて選べ。正しいものがなければゼロをマークせよ」が登場しています。




⑧社会・理科ほか:教科内の複合分野の出題増加(半々?)

共通テストのプレテスト(2回目)では日本史で東北の地図、それも南北逆転した地図が出題されました。そこから、中央政府と蝦夷の関係性を読み取ることが求められたのです。
現代社会では学校新聞が出題され社会のあり方について考察する内容でした。
プレテスト(1回目)では日本史で世界史的な視点から考察する問題や、世界史では「金印」を題材として日本を含む東アジア世界を考察する問題が出題されました。
これらはいずれも、読解力を必要とするだけではありません。
共通テストの目玉としてかつて考えられていたのが、合教科型です。






以上、8項目がセンター試験から共通テストに衣替えするにあたって、変更になる見込みです。

まとめますと、読解力などを問うために、難易度は現行のセンター試験よりも上昇する可能性が高いです。

そうなると、共通テストは敬遠しようとか、私立大専願で、いや、いっそのこと、簡単そうな推薦・AO入試で、と考える受験生もいるでしょう。

が、私立大は入学定員の厳格化などの影響で難関大だけでなく中堅、中堅以下の大学もそれぞれ倍率が上昇しています。

特に東京都内の私大は大きな影響を受けています(このあたりは別記事で出す予定)。

それから、推薦・AO入試ですが、こちらも一般入試に比べて楽、というわけではありません。読解力重視の流れは推薦・AO入試でも変わりません。

2018年、甲南大学の推薦入試で私のコラム(2019年3月まで毎日新聞関西版での就活コラム連載)が使われました。

当初、私が知らなかったのは言うまでもありません。問題文の著作権者に大学が告知することはまずないので。

この推薦入試の問題を第一学習社という出版社が収録したいので許諾を、と連絡してきたのが2018年秋のことでした。

異論はないので承諾したところ、ゲラと収録の参考書(『小論文実力養成講座 ステップアップ小論文』第一学習社・編/2019年2月改訂7版)が送られてきたのです。

私のコラムは新聞コラムとしては分量がやや多く1800字程度あります。それだけでも読む高校生は面倒と思ったのですが、私の想定を甲南大学は上回っていました。私のコラムとは別に同じテーマのコラムをもう1本(ほぼ同分量)、読ませたうえで「これらを比較し、コミュニケーション能力について、自分の考えを六〇〇字程度で述べよ」。

他にも課題文とデータを両方読ませる複合型(同問題集では関東学院大学を収録)など、推薦入試・AO入試のザル状態を知る身からすれば、「え?こんなに難しいの?」という問題がズラリと並んでいました。

このことを高校講演で紹介したところ、多くの高校教員から、

「よくぞ話してくれた」

「今の保護者は推薦入試を甘く見すぎている。実際はどの大学でも難化しているのにそれを理解していない」

との意見が続出したのです。

このように共通テストを敬遠しても、共通テストの影響は推薦入試・AO入試ですでに出ているのです。

大学入試改革の方向性として、読解力や思考力の重視、「主体的・対話的で深い学び」(大学入試改革のお題目の一つ)を問うことには私も異論はありません。

が、そのためにはもっと慎重、かつ、丁寧な議論のもとに進められるべきでした。拙速を重ねて迷走した結果、受験をする高校生はいい迷惑です。せめて今後の収拾策は受験生を第一に考えていただきたいものです。

https://news.yahoo.co.jp/byline/ishiwatarireiji/20191217-00155332/

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  1. 【5694630】 投稿者: ?  (ID:VZnCcXqTZP6) 投稿日時:2020年 01月 08日 12:34

    これは今日現在最新版ですか?

  2. 【5695810】 投稿者: 息子ファイト!  (ID:NwlZAEQWJQ.) 投稿日時:2020年 01月 09日 13:04

    息子が高校生になり、情報収集など本人に任せていたので
    高校の保護者会で得る情報のみでかなり勉強不足でしたので
    とても助かりました。

    私は共通一次からセンターテストにちょうど変わった時代に受験生だったので
    今回の共通テスト試行調査の問題をみて、少し驚きました。
    総合力が求められますが形式はおもしろいなと感じました。

    *リスニングについて
    中2くらいから4技能を偏りなく強化しようと
    伝えてきましたが…
    高校生になってようやく意識し出したのか、取り組むようになりました。
    きびしい道のりとなりそうです。

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