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宝仙学園の宝仙祭の様子

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中学2年生から高校2年生まで50人の文化祭執行部で運営する学校法人宝仙学園 順天堂大学系属理数インター中学校・高等学校(以下、宝仙学園)の「宝仙祭」。今年のテーマは「化けろ」。文化祭という非日常の中で、普段とは違う自分に挑戦してほしい――そんな思いが込められています。宝仙祭執行部の3名と担当の青木先生に話をうかがうと、このテーマは来場者だけでなく、文化祭をつくる生徒たち自身にも重なって見えました。

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index

目次1

生徒が自走する「小さな会社」のような組織

目次2

3月から始動。理想を形にする文化祭準備

目次3

生徒それぞれの「らしさ」が宝仙祭をつくる

profile

青木優樹先生の写真

青木優樹先生(探究科・国語科教諭)

文化祭執行部担当2年目。今年は執行部全体を見守りながら、生徒の主体的な活動をサポートしている

N.A.さんの写真

N.A.さん(高校2年生/吹奏楽部)

文化祭執行部委員長。自分を変えたいという思いから、中学2年生から執行部に所属。これまでの経験を活かし、情報共有の仕組みづくりに注力。今年は全員が主体的に動ける執行部を目指している

R.Y.さんの写真

R.Y.さん(高校2年生/軽音部部長)

文化祭執行部自由企画課担当。軽音部の発表機会を増やしたいという思いから執行部へ。ラジオ企画やオーディション形式の企画など、学校全体を巻き込む文化祭づくりに挑戦している

T.Y.さんの写真

T.Y.さん(高校2年生/吹奏楽部部長・軽音部)

文化祭執行部ステージ課委員長。出演者と来場者の双方が安心して楽しめるよう、ステージ運営や導線づくりなど文化祭を裏側から支えている

宝仙祭と文化祭執行部

宝仙祭はどのような文化祭ですか。

青木先生のアイコン

青木先生

宝仙祭は、高校2年生が中心となって学校全体を動かす、非常に規模の大きなイベントです。学年・クラス単位の企画や部活動の発表などがあり、生徒たちがそれぞれの立場で文化祭づくりに関わります。
その中心となるのが、中学2年生から高校2年生まで50名で構成される文化祭執行部です。執行部はそれぞれが役割を持って動く「小さな会社」のような組織だと感じています。まずは与えられた役割を責任を持ってやることを学び、その次に改善を考える。そして最後は組織全体をまとめられるようになる。執行部を希望する生徒は、その成長を何年もかけて経験できるのが宝仙祭だと思います。

昨年の校門ゲートの写真

お客様をお出迎えするゲートは毎年生徒たちの力作です

文化祭テーマの横断幕

昨年の宝仙祭のテーマ

カラフルなパラソルが吊り下げされ、階段にもいろんな色が塗られています

カラフルなパラソルや階段の装飾で文化祭を彩ります

多彩な年間行事

今年の執行部には、どのような特徴がありますか。

青木先生のアイコン

青木先生

今年は委員長がとてもよく周りを見ています。スケジュールのリマインドや報告、記録の共有なども含めて、見通しを持って動いているのが印象的です。

先生方は、生徒主体の宝仙祭をどのように支えていますか。

青木先生のアイコン

青木先生

教員が前に出る場面はかなり少なくなっています。私たちがしているのは進捗確認や相談に乗ること、あとは会計くらいでしょうか。生徒主体の活動を尊重しながら、抜け漏れがないように確認する。その距離感を大切にしています。

N.A.さんは委員長として、今年一番力を入れていることは何ですか。

N.A.さんのアイコン

N.A.さん

今年は「仕組み」をつくることを意識しました。去年までは全体の動きが見えにくく、「今何をしたらいいのか分からない」と不安になる場面がありました。だから今年は、チャットやドキュメントを全員が見られるようにして、会議の記録も共有することを最初に約束しました。後輩も含めて、全員が情報を受け取り、動こうと思えば動ける状態にしたかったんです。執行部に入った後輩たちが不安を感じず、「入ってよかった」と思えるような組織にしたいという思いもありました。

3月から始動。理想を形にする文化祭準備

宝仙祭に向けた本格的な準備は、開催の半年前となる3月頃から動き出します。夏休みを越えて本番へ向かう長い道のりの中では、華やかな表舞台からは見えない地道な作業や調整が繰り返されています。

それぞれの課では、どのようなことに力を入れていますか。

R.Y.さんのアイコン

R.Y.さん

自由企画課では、去年からラジオ企画に取り組んでいます。今年は、宝仙祭の前から楽しんでもらえるオーディション形式の企画にも挑戦しています。文化祭当日だけではなく、その前から学校全体を巻き込み、楽しみにしてもらえる文化祭にしたいと思ったんです。
体育館で行う企画を自由に考えられるのが醍醐味ですが、自由だからこそ、その企画を最後まで実現する責任があります。面白いと思ったことを最後まで形にすることが、自分たちの役割だと思っています。

T.Y.さんのアイコン

T.Y.さん

ステージ課では、出演団体のタイムテーブルの作成や照明・音響、来場者の誘導、導線づくりなどを担当しています。当日が一番忙しい課で、文化祭当日は他の企画を見て回る時間もほとんどありません。でも、来場した方に「楽しかった」「安心して回れた」と感じてもらえたら、それが一番うれしいです。何事もなく終えられることが、僕たちにとっての成功だと思っています。

N.A.さんのアイコン

N.A.さん

私は執行部委員長とは別に、2つの課にも所属しています。リーダーを務める備品管理課では、クラスや部活動が使う学校の備品を管理したり、近隣の店舗に協力をお願いして段ボールを約1,500枚集めたり、必要なものが足りなくならないよう準備を整えています。目立つ仕事ではありませんし、大変なことも多いです。でも、みんなが安心して準備できる環境を整えることも、文化祭を支える大切な仕事だと思って取り組んでいます。

執行部委員会では学年問わず意見を出し合い、みんなでよりよい文化祭作りをしています

執行部委員会では学年問わず意見を出し合い、みんなでよりよい文化祭作りをしています

創立100周年記念事業

生徒それぞれの「らしさ」が宝仙祭をつくる

文化祭執行部での経験を通して、自分自身が変わったことはありますか。

N.A.さんのアイコン

N.A.さん

私は「自分を変えたい」と思って中学2年生で執行部に入りました。当時の私は計画性がなく、自分に自信もありませんでした。周りから信頼されるような人ではなかったと思います。
でも、たくさん失敗もして悩みながら経験を重ねる中で、自分一人が頑張るよりも、みんなが力を発揮できるように仕組みを整えたいと考えるようになりました。今は、みんなが主体になれる執行部でより良い文化祭をつくることが、自分の役割だと思っています。
今年の宝仙祭のテーマは「化けろ」ですが、執行部を続ける中で変わりたかった自分に少し近づけたように感じています。

R.Y.さんのアイコン

R.Y.さん

学級委員や軽音部の部長など、人をまとめる立場になることが増えました。企画することはもともと好きでしたが、文化祭でも自分が「面白い」と思うだけではなく、「どうしたらもっとみんなが参加したくなるのか」を考えるようになりました。一人では企画は実現できません。たくさんの人が協力してくれるから形になります。その面白さと、自由に動けるからこそ自分で担わなければならない責任の両方を感じています。残りの準備期間で、もっと多くの人が積極的に参加できる文化祭にしていきたいです。

T.Y.さんのアイコン

T.Y.さん

ステージに出演する側だけでなく運営する側も経験してきたことで、物事を見る視点が増えました。僕自身も吹奏楽部や軽音部で出演するので、「もっと思う形でやりたい」という出演者の気持ちはよく分かります。
でも、文化祭には小さな子どもから保護者の方まで、たくさんの方が来場します。だから、出演者も来場者も、みんなが安心して楽しめることを一番大切に考えて動いています。

ステージで吹奏楽部が演奏している様子

吹奏楽部の演奏は毎年人気企画です

男子生徒が一人ステージでギターを演奏している様子

軽音部のステージは盛り上がります

女子生徒数名が黒板アートをしている様子

クラス企画で黒板アートもおこないました

受験生・保護者の皆さんへ、宝仙祭の見どころや注目してほしい点を教えてください。

N.A.さんのアイコン

N.A.さん

クラス企画も執行部も、生徒一人ひとりが主体となって準備しています。だからこそ、学校全体で文化祭をつくっている一体感が生まれます。その雰囲気をぜひ感じていただきたいです。当日はどの企画も楽しんでもらえるよう、校内を巡るクロスワード企画も計画しています。ぜひ楽しみにいらしてください。

T.Y.さんのアイコン

T.Y.さん

まずは思い切り文化祭を楽しんでください。皆さんが「安心して楽しめた」「スムーズに回れた」と感じてもらえたら、それが僕たち執行部にとって一番うれしいことです。

R.Y.さんのアイコン

R.Y.さん

当日、先生が前に出る場面の少なさにも着目してもらえると、どれだけ生徒が主体となって考え、動いているのかが伝わりやすいかもしれません。企画を楽しみながら、そんな部分にも注目していただけたらうれしいです。

編集後記

編集後記

取材を終えて振り返ると、今年の宝仙祭テーマ「化けろ」で一番“化けて”いたのは執行部の生徒たちだったのかもしれません。みんなが主体になれる仕組みをつくる人。人を巻き込む企画を考える人。誰かが安心して楽しめる場を支える人。その“らしさ”が重なり、一つの文化祭ができあがっていく。宝仙学園が大切にする「生徒主体」の意味を、3人の姿から感じました。

宝仙祭執行部の生徒たちの写真 学校公式サイト