「高校生が遺伝子組み換え実験」と聞くとそんなことできるの? と驚くかもしれません。しかし大妻多摩中学高等学校(以下、大妻多摩)では高校2年生(生物専攻生徒)が、学校の理科実験室で行うのです。そのほかにも、理科(科学)の授業ではさまざまな実験を実施しています。同校が科学実験に力を入れる理由に迫ります。
大妻多摩が科学実験教育に力を入れる理由について、入試広報部長の田辺静香先生(担当教科:英語)にうかがいました。
実験に力を入れている理由について教えてください。
田辺先生
もともと理科や算数に興味がある、という生徒は多くはありません。そうした場合、教科書だけで教えるより、目の前で実験・実習をすると納得感が増し、より理解を深めることができます。さらに身の回りの現象を科学的に捉える視点が養われ、理科(科学)や数学への興味関心を引き出せると考えています。
理系における6年間の学習計画を教えて下さい。
田辺先生
6年間を3つのステップに分けています。第1ステップ(中学1年・2年)は楽しく、見て分かることを中心に、実験器具の使い方やカルメ焼き実験なども行います。第2ステップ(中学3年・高校1年)では、数学・理科(科学)や情報などの内容が、身近な社会に役立っている事例を学びます。
第3ステップとなる高校2年・3年ではさらに本格的な実験もされますね。
田辺先生
高校2年生で文系、理系と分け、理系は数学IIを高2の1学期に、数学全範囲を高3の1学期に終え、入試問題演習にも十分に時間を取りつつ、専門性の高い実験も多く行います。高校2年では希望者対象に、遺伝子組み換え実験といった大学レベルの実験も行います。 この実験をするためには教員に特別な資格が必要で、本校にはその資格を持つ理科教員がいます。
どこの学校でも出来る実験ではないので、他の大妻学院所属校3校から希望する生徒も交えて行います。また高校3年生になっても入試演習ばかり行うわけではなく、生物では豚の胎児の解剖、物理ではペットボトルロケットの解析、化学ですとナイロン合成の実験も行います。
理科室の設備についても教えてください。
田辺先生
本校には生物教室が2つ、化学教室が2つ、物理教室1つ、合計5つの理科室があります。 顕微鏡は4種類のものが1人1台ずつ使えるように十分な数があり、実験器具も1人1セット使える数を用意しています。
実験を通して生徒たちにはどのような成長が見られますか。
田辺先生
理科の教員たちは、生徒が「こういうことか!」と気づいた瞬間に見せる顔が印象的だとよく言っています。
また数々の実験をこなしていますので、学年が上がるにつれ、生徒が出すアイデアも豊富になっていくそうです。実験方法も生徒たちの自由にさせているので、十人十色さまざまなレポートが提出されるそうで、面白い結果を出してくる生徒もいます。実験が生徒たちの興味・関心を高める一助になっていると感じています。
実験を多く行うことで生徒に進路に影響は見られますか。
田辺先生
中学が設立されて30年になります。その間理系を選択する生徒は35%~40%ほどを維持していましたが、昨年は50%を超えました。本校では特に理系を推しているわけではないのですが、この6年間で理科や数学が好きになる生徒が多いのだと思います。
生徒の進路に変化はありますか。
田辺先生
元々医療系を志望する生徒が多く、薬学が一番人気はありますが、最近は看護系も増えました。本校の教育スローガンは「わたしの力を、未来のために」と社会で活躍・貢献できる女性の育成を目指しています。女子校の良いところはお互いに助け合う精神が身につくこと。手に職をつけ、キャリアを築く、そして社会にも貢献できるという点で医療系の進路を選ぶのでしょう。
高校2年生で理系に進んだ生徒は、大学の受験科目に合わせ、生物・物理のどちらかを選択履修します。(化学は全員履修)今回は生物選択の田中さんと野口さんにもインタビューしました。
田中蓮花さん
大妻多摩には、同じマンション内に住む1つ上の先輩が在学していたことや、塾からの勧めもあって受験。一番の決め手は建物が気に入ったからとのこと。生物は好きだが物理はちょっと苦手。
野口静月さん
塾の先生の勧めで大妻多摩を見学。図書室と自習室が気に入り、毎日でも通いたいと思ったことが志望の決め手になった。小学校の頃は実験や観察には興味がなかったそうだが今は楽しみに。
一番印象深かった実験を教えてください。
田中さん
高校1年で行ったテルミット反応は、火花がすごくてびっくりしましたが、興味深い実験でした。もう一つは炎色反応。これは危険なので先生の実演を見ていたのですが、本当にそうなるのか! と思い印象に残っています。
野口さん
中学3年生のときに、班に分かれて枝豆を育てる実験をしました。水だけで育てた枝豆と、肥料も入れた枝豆が班ごとに割り当てられ、どの班の枝豆が一番多く実がなるか観察します。私たちの班は水だけの枝豆を育てることになり、結果、あまり実がならなかったのですが、育てる過程も含めて楽しめました。
実験が多い授業についてどんな感想をお持ちですか。
田中さん
コロナ禍で実験ができなかったときや通常の授業でも、先生はいろんな実験器具を教室に持ち込み、実演してみせてくれました。オンライン授業で「音」に関する実験をする際は音源データを配布されたこともあります。さまざまな工夫で分かりやすく説明してくださり楽しいです。
野口さん
とにかく実験させたがります(笑)。でも実習すると器具の使い方も分かり、テストの問題演習でも「これはあのときに実験したものだ」と、記憶に残りやすいですし、しっかり身についていることを実感します。
実験を通して考え方や物の見方が変わったと実感することはありますか
田中さん
先生の説明をしっかり理解して聞かないと思うような反応が出ないことがあるので、一つひとつの手順を注意するようになりました。
野口さん
失敗してもそのまま続けなさい、とよく言われます。失敗から学べることもあるのだと思いました。
これから楽しみにしている実験は?
田中さん
8月末に行う遺伝子組み換え実験です。生物専攻の中でも抽選なので、すぐに応募しました。実験は2日がかりで、成功率はすごく低いとのこと。しかも2日目はずっと経過観察しないといけないしレポート提出もありますが、とても楽しみです。
野口さん
将来やりたいこととも直結しているので、私も同じく遺伝子組み換え実験が楽しみです。
将来の目標⁉ではお二人の将来についてもお聞かせいただけますか。
田中さん
私は小学生の頃インドで育ちました。そのときインドではデング熱が流行し大変な状況で、しかも特効薬がないそうです。そこで将来はデング熱の薬をつくる創薬の分野に進んで、インドからデング熱を無くしたいと考えています。
野口さん
どんな気候でも土地でも育つサツマイモを作りたいです。私は小さい頃からサツマイモが大好きなんです。準栄養食でもあるので、どんなところでも育つ品種ができれば、将来食糧危機を無くすことができるのではと考えています。
イベント情報一覧
入試説明会 2科・4科(6年生対象)
9月28日(土)14:00~15:00
4科[国算理社]の傾向、入試についてなど
14:00~授業・施設見学
第2回 学校説明会(全学年対象)
10月14日(月・祝) A 10:00~11:15/B 14:00~15:15
(教育理念、教育プログラムなど)
説明会終了後、施設見学
※A・Bは同じ内容
国際進学入試 説明会(6年生対象)
10月26日(土)14:00~15:00
(3科[国算英]の傾向、入試についてなど)
15:00~施設見学
適性型思考力入試 説明会(6年生対象)
10月26日(土)14:00~15:00
(読解表現・合科適性、入試についてなど)
15:00~施設見学
秋のオープンスクール(全学年対象)
11月2日(土)10:00~11:15
生徒と教員が語る説明会・講座体験(説明会と講座を並行して実施)
講座終了後、部活動・施設見学




