2012年 大学受験 入試傾向分析インタビュー 株式会社 成学社
ここ最近の関西地方の受験状況について、どんな変化がありますか？
元来、大阪府は他の地域と違い公立高校が強く、私立学校は進学実績に大きく水を明けられていました。ところが、近年、大阪府下や近県の私立学校の中に、大きく進学実績を伸ばす学校が現れ、公立優位の形が変化してきました。この状況が、大阪府知事に橋下さんがなってから、大きな変化がありました。公立高校の復権です。
学区の統合をはじめ、旧学区内トップ校を中心とした進学特色校が１０校選ばれ、それぞれに文理学科を新設するなど受験に強い公立高校が編成されました。
そのため、中学校受験の子供達も超難関校に落ちた場合、滑り止めの私立中学ではなく、公立中学に進み、高校から公立のトップ校に進もうとする傾向も現れています。
今後、公立高校の最上位校は、私立トップ校に対しても大学進学実績で優位に立つ状況になってきそうです。
教育環境の変化は、中学校受験にも影響は出ているのでしょうか？
前述のとおり、最上位に入れなかった子どもたちが公立中学へ進む傾向が増えました。
それにより準上位の私立中学校は、合格者を大幅に増やしたようです。
最難関の難易度は変わっていませんが、準難関中学校は、随分と易化したようです。
大学受験に関して、難化・易化の傾向はありますか？
関西では、関関同立という大学の呼称があります。この４校では、同志社がトップで、近年もあまり極端な易化傾向は見られませんが、立命館、関西学院、関西大学は学部増や定員増もあり、従来に比べ随分と合格しやすくなっているようです。
一方で、京大や阪大を筆頭とした国立大学の難易度は大きくは変わっていません。
これから受験を迎える保護者さまに対して、アドバイスがあればお教え下さい。
お父様、お母様には子どもの良い部分を「引き出すこと」に注力して欲しいです。
そのためには、親ばかであることが最重要。どんな子どもでも、必ず得意なことや好きなことがあるはずです。必ずしも勉強でなくても構いません。
子どもを本気で育むのは、ご両親しかいないのです。その為にも、時には厳しくすることも必要になるでしょう。極端な例かもしれませんが、「巨人の星」の星一徹は典型的な親ばかです。あそこまでいくと極端ですが、子どものために本気になっている好例ともいえますね。ぜひ、お子さんの良い部分を引き出してあげてください。
