関西地方受験分析インタビュー 研伸館
最近の関西地区の受験事情を教えてください。
関西地方では、私立高校の存在感や公立高校の合格実績などから、地域によって高校の選択、大学受験に対する考え方が違います。中でも兵庫県の阪神地域は公立高校入試の方式がまた変わる予定で、入試制度の変化が受験生の高校選択に大きな影響を与えることでしょう。大学受験においては、「関関同立」の入学難度が保護者の受験時代より入学しやすくなっています。
東京大学、京都大学についてはいかがでしょうか?
京大はiPS細胞などで医学科が高名になっていますが、受験生にとって理学部のブランドは以前より少し陰りがあるように感じます。京大全体を見ても、かつては東大に合格できる成績の生徒が京大のカラーを好み「東大より京大へ行く」者がいたのですが、最近では減ってきている印象です。
難関校の傾向はいかがでしょうか?
灘、東大寺学園、洛南、甲陽学院、神戸女学院などの生徒をたくさん見てきていますが、文系なら成績優秀な生徒ほど法学部志向が強いですね。理系では、医学部医学科志望がじわじわ増えており、特に女子を含め難関私立高校の成績優秀な生徒に医学科志向は強まっている傾向を感じます。また、女子は医学部保健学科や薬学部などへの実学志向が強まっています。
今後の大学入試に必要な力とは?
やはり、「自ら学び、選ぶ力」ではないでしょうか。灘などの超難関中学・高校の生徒は、家庭の文化的な高さを背景にし、学校では教科書を超える幅広く分厚い内容に接し、自分が目指す分野を考えるに良い材料を豊富にもつことになります。社会に出る時までをある程度見据え、学習に対する目的意識を明確にできることは理想的なことです。日本社会の今後の状況を考えると、これまで以上に自分の強みをもつことが求められます。大学の特色、カラーも調べた上で、自分を伸ばす志望校を選択し、そこの入試突破を目指して計画的に勉強を進めることです。