受験生の体調管理のポイント

2016年5月11日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール
2016/5/11号
受験生の体調管理のポイント
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】公明正大(こうめいせいだい)

「やっと東京五輪のエンブレムが決まったね」
「大切なイベントなんだから、初めから公明正大な選考を行ってほしかったなぁ」

公明正大とは、公平で正しいようす。『公明』も『正大』も、自分の損得を考えたり、こそこそしたりしないで、正しく堂々としている態度を意味します。

4月25日に、2020年東京五輪・パラリンピックの新しいエンブレムが決定しました。

エンブレムを巡っては、昨年7月にデザイナーの佐野研二郎氏が制作した作品が一度選ばれましたが、盗作疑惑が浮上。選考過程の閉鎖性も問題視され、白紙撤回された経緯があります。

新エンブレムは昨年11月にデザインを再公募し、1万4599作品の応募の中から予備審査で64作品、1月の本審査で4作品と次点の4作品と絞られていきました。選考の際、委員たちには、作者の氏名や年齢、性別など、評価に先入観を与える恐れのある要素は、すべて伏せられたといいます。

長い期間を経てようやく決まったエンブレムが、多くの人々に愛されるといいですね。

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中学受験に挑戦する上で、勉強はもちろん、体調管理もとても大切です。どんなに勉強を頑張っても、受験当日に体調を崩しては元も子もありません。

お子さまの健康面での変化をいちはやく察知するためにも、親御さんには常に目を配っていただきたいと思います。

バランスのとれた食事や運動不足の解消、風邪の予防など、気をつけたいポイントはたくさんありますが、中でも特に大切なのが『十分な睡眠時間の確保』です。

お子さまの睡眠時間は、何時間でしょうか?

宿題が終わらないからといって、睡眠時間を削ってまで宿題に取り組んだりしてはいませんか?
夜更かしをして勉強しても成績アップにはつながらないという研究データはたくさんあります。

睡眠時間は十分に確保してください。

最低8時間、できれば10時間は睡眠をとるのがおすすめですが、適切な睡眠時間は一人ひとり異なります。8時間で大丈夫な子もいれば、足りない子もいるので、昼間に眠くならないことを目安に、適切な睡眠時間を見つけてあげてください。

4年生のうちは必ず10時には寝られるようなスケジュールにして、5年生になったら10時半、6年生の追い込みの時期でも11時には寝られるようにしましょう。11時就寝、7時起床であれば8時間の睡眠は確保できます。

親御さんが夜遅くまで働いていらっしゃるご家庭もあると思いますが、その場合は親御さんの生活時間に関わらず、お子さまには早寝早起きの習慣がつくようにサポートしてあげてください。

睡眠時間を確保するためにも、優先順位を決めて効率よく勉強しましょう。以下の3点に気をつけて、勉強を進めてください。

・何から何まで暗記しようとしないこと(理解すべきことと覚えるべきことを分ける)
・苦手分野の類題を繰り返しやりすぎないこと(繰り返しの回数よりも、理解や納得を大切にすること)
・むやみに学習時間を増やさないこと(睡眠時間をけずらないように)

この3点は受験直前までの大切なポイントですので、心に留めておいていただきたいと思います。

また、『朝起きるのが苦手』というお子さまをお持ちの親御さん。人がパッと目覚めるのは、どんなときだと思いますか?

お父さまもお母さまも、旅行や友達に会うなど、楽しみなことが待っている日は目覚めがよいはずです。子どもも遠足の日などはパッと目覚められるもの。

毎日、遠足の時と同じような感覚でパッと目覚めるためには、寝る前の親御さんの声かけが大切です。寝る前に、その日1日の労いの言葉をかけてあげてください。

「今日は1日よく頑張ったね」「あなただったら、明日も頑張れそうね」といった声かけをすると、お子さまは『明日はもっと頑張ろう』と思いながら眠りにつくことができます。そうすると、起床時のリズムや心の状態が整い、朝から充実したようすが見られるようになると思います。

朝を前向きな気分で迎えられれば、いろいろな意欲が生まれます。ぜひ、寝る前にねぎらいの一声をかけて、よりよい1日を過ごせるようにしてあげてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【1~3年生】スケジュールを細かく決めすぎない

1~3年生の勉強時間は、国語と算数について1教科あたり『10分×学年数』を目安にしてください。

1年生なら10分×1で10分、2年生なら10分×2で20分といった具合です。教科書に沿った問題集を1冊買っておき、この時間内にそれで学習するように促すと、基礎学力が着実に身につきますよ。

毎日起床時間と就寝時間は守り、勉強に関しては時間の長さと大体の時間帯を決めておくだけで構いません。それ以外の時間の過ごし方は、お子さま自身が考えるよう、促してください。

規則正しく生活することは大切ですが、分刻みのようなスケジュールを決める必要はありません。予定をガチガチに組んでしまうと、少しでも予定通りに行かなかった場合に、頓挫しやすいからです。

【4年生】『聞く習慣』が身についていますか?

親御さんがお子さまの名前を呼んだとき、お子さまはすぐに反応し、話を聞く姿勢をとることができますか?これができるかどうかで、お子さまに『聞く習慣』がついているかどうかがわかります。

すぐに話を聞く体勢がとれなかったり、「今日の授業はどんな内容だった?」と聞いた際に、「わからない」と答えることが多い場合には、『聞く習慣』がついていないかもしれません。

「先生が話し始めたら、何か考えていたり、問題を解いている途中でも、先生の話に集中しようね」
「先生が『じゃあ、次の問題に行こう』と言ったら、それまで解いていた問題や考えていたことから切り替えて、先生の方を見るようにしようね」などと声かけをして、きちんと授業を聞けるように導いてあげてください。

親子の会話でも、お互いに声をかけられた時にはすぐに反応することを心がけておくと、それが『聞く習慣』の訓練につながりますよ。

【5年生】学校の情報を集め始めよう

そろそろ親御さんだけでなく、お子さま自身が志望校を意識してもいい時期です。

6年生になってから行動を起こすのでは、時間的にも気持ち的にも余裕が足りず、学校を絞り込むのは難しいです。5年生のうちに、いくつかの学校の見学やオープンキャンパス、体育祭・文化祭などに行っておきましょう。

学校のことを知るには、登校時間や下校時間に学校に行ってみるのもいい方法です。生徒の列に紛れ込んで歩き、どんな話をしているのかを聞いてみると、その学校のありのままの姿がわかります。

【6年生】学習することを3つに分類する

学習内容を『全部覚えよう』と思っていませんか? 6年生のこの時期は、塾によっては5年生のときと比べて約2倍の学習量です。

『全部覚えよう』とするとパンクしてしまうので、注意してください。

学習することを『覚えるべき事項』と『理解すべき事項』、『理解してから覚えるべき事項』の3つに分類する意識を持つように、お子さまに話してあげましょう。

効率的に学習を行えるように、お子さまを導いてあげてください。

【6年生難関】算数の解答用紙をチェックし、学習に活かす

志望校の算数の解答用紙を見てみましょう。志望校の解答用紙は、書店で購入できる過去問題集についています。

たとえば、解答用紙に途中式を書く欄があれば、その学校はちゃんと途中式を書かないと点数がもらえないことがわかります。

その場合は、普段から途中式を書く習慣が大切だと子ども自身が自覚して学習していく必要がある、ということになります。

入手したらお子さまに見せて、志望校の入試で求められるポイントを説明し、普段から意識して勉強するようにアドバイスしてあげてください。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

4歳違いの兄弟がふたりとも受験しました。兄は4年生から塾に通い、第1志望のK中学校に合格。弟はそんな兄の後を追うように「僕も受験したい」と言い出したため、同じく4年生から入塾しました。

弟の志望校は、楽しそうに学校生活の話をする兄の影響もあり、5年生になる頃には「僕もK中学に行きたい」と気持ちを固めていました。

でも、周囲から「第1志望校はやっぱりお兄ちゃんと同じ学校なの?」と頻繁に聞かれることが本人には大きなプレッシャーになってしまったようで、毎回のテストで一喜一憂。「これじゃK中学校に受からない!」と、泣くこともありました。

5年生のうちからここまでプレッシャーを感じていては受験本番までもたないと思い、「確かにK中学校は素敵な中学校だけど、ほかにもいい中学校はたくさんあるよ。K中学が第1志望でいいと思うけれど、ほかの学校も見てみない?」と、息子を別の学校見学に誘ってみることにしました。

それまではK中学校以外の学校見学に乗り気ではなかった息子でしたが、こっそり取り寄せておいた数校のパンフレットを見せながら誘うと、他校にも興味を示してくれました。

そして実際に学校見学をすることで、自分なりに行きたい学校を見つけ、「K中学校ではなく、A中学校を第1志望にしたい!」と、息子本人が決めました。その後は本人の努力もあってA中学に合格をいただき、今では楽しい学校生活を送っているようすです。

まじめな兄には厳格な校風のK中学校が、奔放な次男には自由な校風のA中学校があっていたのではないかなと思います。

志望校に関しては、悩んだり、親子で意見が食い違うこともあると思いますが、子どもの気持ちを否定せずに、上手に誘導することも必要ではないでしょうか。(セブン)


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