わが子に負の感情をぶつけないために

2016年9月14日発行のバックナンバーです。

エリート育成「中学受験」サポートメール 2016/9/14号
わが子に負の感情をぶつけないために
監修:西村則康(プロ家庭教師)
by inter-edu.com

【今週の必修語】悠々自適 (ゆうゆうじてき)

「久しぶりにおじいちゃんの家に行ってきたよ!」
「絵を描きながら悠々自適に暮らしているんでしょ? すてきだよね」

悠々自適とは、俗世間から離れて、自分の好きなように楽しみながら、静かに毎日を過ごすこと。『悠々』はゆったりとするようす、『自適』は好きなように楽しむことを意味します。

9月19日は敬老の日。

長い間社会のために尽くしてきた高齢者を敬い、長寿を祝う日です。母の日のような輸入された記念日と違い、日本以外の国にはありません。

長寿祝いといえば、60歳の還暦祝いが有名ですが、ほかにも節目のお祝いがあります。70歳の古希、77歳の喜寿、80歳の傘寿、88歳の米寿、90歳の卒寿、99歳の白寿、100歳の紀寿または百寿です。還暦では赤い頭巾やちゃんちゃんこを贈る風習がありますが、そのほかの長寿祝いでは特に決まった贈りものはありません。

敬老の日も決まった贈りものなどはありませんが、おじいさまやおばあさまと会って話したり、電話するなどをして、コミュニケーションをとる機会を作ってみてはいかがでしょうか。

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進学塾ではテストを受けると、点数や偏差値だけでなく、順位までもが明確になります。こういった環境に身を置くと、お子さまの中で過度の競争意識が生まれる可能性があるので、親御さんは注意深くようすを見守ってあげてください。

たしかに中学受験は自分との戦いだけでなく、ライバルとの競争でもあります。「もっと順位をあげたい」「A君に勝ちたい」といった気持ちが勉強へのモチベーションになることもあるでしょう。

しかし、『勝つこと・先んじること』にこだわりすぎると、『負けること・失敗すること』を恐れるようになり、チャレンジする力が育たなくなってしまいます。

大事なのは、自分のできる範囲で、可能な限りの努力を続けていくことです。

親御さんもお子さまの点数や偏差値、順位などが気になるかと思いますが、力が伸びる時期には個人差があるので、他のお子さまと比べてもあまり意味はありません。お子さまの競争心を煽りすぎないようにしてください。

お子さまが他者より秀でていると自分の手柄のように感じたり、逆に他者より劣っていると自分自身の恥だと感じてしまう、といった具合に、お子さまとご自身を一心同体に感じている親御さんも多くいます。

親御さんには、『子どもは自分とは違う一人の人間なのだ』『子どもは自分とは違う人生を生きていくんだ』ということを心に留めておいていただきたいと思います。

こういった意識を持つことができれば、お子さまとの関わり方も変わっていきます。

中学受験はお子さまだけでなく、親御さんにも負担がかかりますから、イライラしたり、落ち込んだりすることもあると思います。そんな時に気をつけていただきたいのが、ご自身の負の感情をお子さまにぶつけないことです。

大人同士の会話ではイライラすることがあっても、その怒りを直接伝えたりせず、オブラートに包んで話したり、気持ちを抑えてやり過ごすことがほとんどでしょう。しかし、相手がわが子になると、そうはいかないことが多いようです。

いらだちや怒りなどの負の感情をお子さまにぶつけ続けると、確実に親子関係が悪くなってしまいます。良かれと思って始めた中学受験によって親子関係を悪化させないために、ぐっと我慢をお願いします。

怒りやイライラを鎮めるには、以前も『エデュまが』でご紹介した『6秒ルール』が効果的です。これは、お子さまを叱りそうになった時に、一呼吸おいて6秒カウントする、というもの。

この間に、沸点に達していた感情が自然と落ちついていき、ただ叱るのではなく、『どのように話せば、わかってくれるかな』という気持ちに変化できることが多いです。

勉強に重きを置いた会話のやり取りをするのは、実は、ほんの数年間です。それ以降、もっと長い間、親子としての関係は続いていきます。

今だけにとらわれずに、長い目で見て、良い親子関係を作る意識を持っておいてください。
(塾ソムリエ&プロ家庭教師の西村則康)

学年別・今週のスポットアドバイス

【 1~3年生 】入塾テスト前にすべき対策

もうすぐ10月。入塾を検討している場合は、入塾テストに向けた準備を始めましょう。

3・4年生用の『自由自在』を、お母さまが計画を立てて、毎日ちょっとずつ解いていくのがおすすめです。

また、公文をやっているお子さまの中で、少し注意が必要な場合があります。とにかく速く解いて問題を片付けようとして、なぐり書きに近い答案になっている場合は注意が必要です。

こういうお子さまは文章題を解くときに、急ぐあまり、何を聞かれているのか理解せずに、問題を解き始めてしまうことが多いです。

お子さまがこのタイプだと気づいたら、「なんで問題文を読まないの!」と叱るのではなく、「文章題を音読してみよう」と促すのが効果的です。

【 4年生 】 暗記に頼っていないかチェック

夏期講習のテストの結果が出た頃だと思います。たとえ点数がよくなくても、「志望校を変えたほうがいいかも」などと今から悲観する必要はありません。

悪い点数をとってしまう原因の多くは、勉強量の不足ではなく、勉強のやり方の間違いです。夏休みは勉強量が増えるため、しっかりと理解するのではなく、「とりあえず覚えてしまえ」という学習になってしまうことが多いのです。

これだと4年生の間は成績を維持できる子もいますが、問題がグッと複雑になる5年生以降は成績が伸び悩みます。

お子さまの勉強法が正しいか、この時期にチェックをお願いします。お子さまが勉強しているときに、「なぜそうなったの?」「その式で何を求めたの?」といった質問をしてみてください。 そうすれば、考えながら勉強しているかどうかがわかります。

「もっとちゃんとやりなさい」「繰り返し解きなさい」といった言葉ばかりをかけていると、覚えることばかりに気持ちがいってしまうので、気をつけてください。

【 5年生 】難問を解くために必要な計算力を養う

以前の『エデュまが』でもお話ししましたが、学校に行く前の朝の30分間、計算と漢字を勉強する『朝30分学習』が定着しているか、今一度確認をお願いします。

この時期には計算練習、とくに、分数・小数の四則混合とその逆算を行いましょう。こういった計算が速く正確にできなければ、せっかく解き方がわかっていても正解にたどり着けない問題が、これから増えてくるからです。

時々ノートを見て、字が汚くなっていないか、途中式を書いているかなどのチェックもしてあげてください。

【 6年生 】苦手単元の克服は10月までに

「植物の単元、大丈夫かしら……」「また速さの問題を間違えている!」といったように、苦手な単元は非常に気になりますよね。

この時期、弱点克服に力を入れているお子さまも多いと思いますが、苦手な単元の強化は10月までに終え、11月からは得意な単元をも入れて、バランスよく伸ばす勉強をしましょう。

苦手な単元ばかり勉強していると気が滅入り、ネガティブになりがちですし、同じ100点を上げるために必要な努力は、苦手単元よりも得意単元の方がぐっと少ないのです。

得意な単元も勉強することで、「僕・私なら合格できる!」という自信を強めていきましょう。

【 6年生難関 】勉強量がますます膨大に……優先順位が重要

最上位クラスに所属するお子さまは、平常授業と土曜などのオプション授業、志望校別日曜特訓の3つの講座を受講していることが多いと思います。3つの講座の予習・復習・宿題をすべてこなしていくことができるのは、特別にスピードのあるほんの一部のお子さまだけです。

睡眠時間を削って、これらの勉強を全部こなそうとがんばってしまうと、ついに成績が下がってしまうことすらあります。優先順位を正しくつけ、無理のないスケジュールで勉強を進めてください。

最も優先すべきは、志望校別日曜特訓の復習です。2番目が平常授業の復習、3番目がほかの授業の復習といった順です。

これで成功! 先輩ママの声かけ実例

次女は、算数が苦手。

4年生から塾に通い始めて、ほかの科目はほぼ平均点を取れているのですが、算数だけが飛び抜けて悪いのです。塾のテスト結果は50点台がほとんどで本人も自覚しているため、あえて叱ることはしませんでした。

でも、5年生の終わりのテストで国語は90点、社会と理科は80点台。そして、やはり算数は50点……。どうしたらいいか、悩みました。

ですが、とりあえず、まずは褒めることに。「国語が90点なんて、すごいじゃない! 頑張ったね」。それから、おだやかに本題へ。

「理科は前回よりも上がったけれど、算数はちょっと残念だったね。あなたが頑張っているのはママも知っているから、もし次のテストでもう一問間違えて40点台になったら、ママはきっと悲しいと思うし、何よりあなたが一番ショックを受けると思う。次は一問多く丸をもらえるように、何がわからなかったのか、一緒に考えてみよう」と。

“あなたが頑張っていることをママは知っているよ”というスタンスで、一緒に復習を始めることにしました。

一緒に勉強しているときに、過去に娘が解けた例題から解かせて正解を導き、大きく丸つけをしながら勉強をしました。できない問題を重ねてしまうとやる気をなくしてしまうと思ったからです。

すると、次のテストでは53点に。

目標は40点台に下がらないことだっただけに、そのプラス3点の頑張りを私は心から喜びました。

「やったね! 頑張ったから3点上がったよ! すごいじゃない」。すると娘は、「うん! 今の2倍頑張ったら、次は6点上がるかな?」と、うれしそうに笑いました。

そして頑張り続け、6年生の後半には平均して70点をキープできるようになり、志望校に合格しました。

苦手な科目はあまり高い目標をかかげず、確実にクリアできる目標を設定して、それをクリアする成功体験をさせてあげることも、親の務めかなと思います。(クリスティーン)