中学受験で「文化祭」を100%活用するためのポイント
inter-edu’s eye
中学受験生のご家庭にとって、志望校選びの決め手の一つとなる「文化祭」。学校によって内容は異なり、力の入れどころを見てみると、学校教育の方向性が見えてきます。ところが、初めての文化祭訪問となるご家庭は特に、華やかな雰囲気に圧倒され、イベントの多さに目移りしてしまい、肝心なところをチェックできなかったという方も多いようです。見るべきポイントは、事前に頭に入れておくといいですね。そこで今回は、文化祭でよく見ていた点について、中学受験を目指す親御さんにアンケートをし、中学受験の先輩たちのアドバイスをまとめました。
文化祭は、説明会では分からない学校の姿が見えてくる!
Q. 文化祭で最もよく見ていた点を3つ、お選びください。
上位3つは、「生徒の雰囲気」…30.3%、「保護者の雰囲気」…13.8%、「施設・設備」…13.5%となりました。「生徒の雰囲気」が1位の理由は、文化祭では基本的に、生徒全員が参加しているので、中高の生徒全体を見て、どんなふうに成長していくのかを感じ取れることが大きいでしょう。2位の「保護者の雰囲気」が上位にあるのは少し意外な気がしますが、生徒の雰囲気と合わせて、学校になじむ家庭とはどうなのかを、想像できるからかもしれません。3位の「施設・設備」ですが、文化祭ではほとんどの施設が解放されていて、学校説明会では見られなかった場所にも行けることが理由と思われます。つまり、文化祭では、学校説明会で確認できないところをチェックポイントにすることが分かります。
他には次のような意見もありました。
・説明会やオープンスクールとちがって、素の生徒さんが見られる良い機会だと思いました。その他として、楽しみにしていたのは文化祭のパンフレットです。各学校の特徴がよく表れていて見るのが楽しいです。
・文化祭の運営方法、進行や誘導、案内方法など。
文化祭の運営は、学校の教育方針や、指導の結果、生徒たちがどのように成長してきたかが映し出されます。生徒主体なのか、先生主導なのか、どこまで作り込んで、学校全体の協力体制はどうなのかなど、文化祭という特別な機会だからこそ分かることもあります。以上のポイントを頭において置くと、複数の文化祭に行ったときに学校間の比較ができて、志望校選びにも十分活用できるでしょう。
文化祭のまわり方と注意点、先輩のアドバイスは?
文化祭をまわるときのポイントをよりイメージしやすいように、掲示板【3849530】文化祭巡りから、先輩のアドバイスをまとめました。
※掲示板からの引用文は、一部の編集をのぞき、原文を尊重して、そのまま掲載しています。
【投稿者: ほんとほんとさんからのアドバイス】見学の注意点は中学単独か中高合同か。後者の華やかさに惑わされがちですが、中学生の出番はほとんどなかったりします。あと大切なのは当たり前ですが、祭じゃなくて学習展示物ちゃんと見ることかな。自分の子に合う学校か否か、合格するには何が必要か朧げにわかりました。
学習展示物からは、生徒が普段からどんなことを考えて学習に臨んでいるか、その姿が分かります。そこから合格するために必要なことを読み取るのは、少々高度ですが、何かを感じ取ることはできるかもしれませんね。
【投稿者: 憧れの学校さんからのアドバイス】表舞台の子に目がいくのは当然ですが、裏方で働いている子を見るのも大切です。真の生徒像が垣間見えます。
学校説明会で前に出るような、目立った生徒さんだけではなく、さまざまなタイプの生徒さんが見られるのも文化祭の良さですね。
【投稿者: そうねさんからのアドバイス】テーマパークに遊びに来ているのではなく、あくまで進学したい学校を物色するのが目的なのでそのことを子どもによく話して、できるだけ「お化け屋敷」的な企画に並んで時間を浪費しないようにしましょう。
子どもが楽しそうなイベントに目が行くのはやむを得ないでしょう。文化祭では、子どもと待ち合わせ場所を決めて、子どもはお化け屋敷、親は展示物を見に行くなど、別行動をするご家庭もあるようです。お子さまと事前に話し合っておくといいですね。
【投稿者: ご注意さんからのアドバイス】在校生と話してみることは、その学校を知るためには大いにヒントになります。ただしくれぐれも、文化祭で訪れた場であるということをお忘れなく。 「鉄緑に通っている子はどれくらいいるの?」「塾へはいつから行っていますか?」 「宿題はどれくらい?」 …実際わが子がされてドン引きした質問だそうです。 聞きたいことかもしれないけれど、くれぐれも第一問からこういうのはやめてね。できれば他の質問にしてね。楽しい文化祭ですから。
めったにない機会だからと、生徒さんを捕まえて詰問するような姿勢は、配慮に欠けます。自然な形で、在校生と会話を楽しむようにしたいですね。
私立中高一貫校の文化祭、男子校と女子校の違いは?
文化祭には、各学校のカラーが出ていて、学校を比較するときに大いに参考になります。そこで気づいたのが、学校の種別においても特徴があるということ。そこで文化祭を男子校・女子校という点から見てみました。
男子校の文化祭の特徴
開放的なスタンスで、一般の方の来場も多いのが特徴です。最近では、生徒たちが文化祭の準備から、当日の様子などの情報発信もするなど、オープンな学校もあります。そこで男子上位校の来場者数と情報発信について、調べてみました。
学校名 | 来場者数 | 開催日(2018年) | 文化祭名 | 学校webサイト・SNS |
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開成中学校・高等学校 | 約30,000人 | 9月22日・23日 | 開成祭 | 公式twitter |
麻布中学校・麻布高等学校 | 28,963人 | 5月2日・3日・4日 | 文化祭 | 公式twitter |
早稲田中学校・高等学校 | 17,261人 | 9月29日・30日 | 興風祭 | 学校webサイト |
海城中学高等学校 | 約17,000人 | 9月15日・16日 | 海城祭 | 公式Facebook 文化祭特設webサイト |
筑波大学附属駒場中・高等学校 | 16,591人 (2017年) |
11月2日・3日・4日 | 文化祭 | 公式twitter 文化祭特設webサイト |
武蔵高等学校中学校 | 14,574人 | 4月29日・30日 | 記念祭 | 公式twitter |
本郷中学校・本郷高校 | 12,385人 | 9月15日・16日 | 文化祭 | 文化祭特設webサイト |
※来場者数は、学校webサイト、twitterなどの情報を参照しております。実際の正確な来場者数とは異なる場合があります。ご了承ください。
入場者数に圧倒されてしまいますね。ここからも学校の文化祭への力の入れようが分かります。また、それだけ開催のイベントも盛りだくさんなので、事前に情報が得られるようでしたら、効率よくまわれるようにシミュレーションしておくとよいでしょう。
女子校の文化祭の特徴
男子校に比べるとクローズの雰囲気があります。招待券やチケット、事前の参加受付が必要で、受験生とご家族は当日受付けでの来場が可能という学校が多いようです。情報も少ないですが、学校webサイトには文化祭に関する諸注意事項が明記されているので、必ず確認するようにしましょう。
学校名 | 開催日(2018年) | 文化祭名 | 学校webサイト |
---|---|---|---|
桜蔭中学校・高等学校 | 9月29日・30日 | 文化祭 | 学校webサイト |
女子学院 中学校・高等学校 | 10月6日・8日 | マグノリア祭 | 学校webサイト |
雙葉中学校・高等学校 | 9月16日・17日 | 雙葉祭 | 文化祭特設サイト |
豊島岡女子学園 中学校・高等学校 | 11月3日・4日 | 桃李祭 | 学校webサイト |
吉祥女子中学・高等学校 | 9月22日・23日 | 吉祥祭 | 学校webサイト |
鷗友学園女子中学高等学校 | 9月15日・16日 | かもめ祭 | 学校webサイト |
10月中旬で文化祭が終わった学校も多いですが、まだまだ注目の文化祭はあります。ぜひお子さまと計画を立てて、見るべきポイントを整理しながら文化祭を訪ねてみてください!
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