新型コロナ対応の中学受験塾。中学受験対策の変更を考える家庭も

inter-edu’s eye
新型コロナウイルス感染拡大防止のために出された不要不急の外出を自粛してほしいという要請。これを受けて、多くの中学受験塾でも、休講などの措置を取らざるを得ませんでした。エデュナビでは、お子さまを通塾させている保護者の方を対象に3月11日〜25日にかけてアンケート調査を実施しました。(「新型コロナで中学受験塾も休講!塾の映像授業には多くの戸惑いの声」
それから約2か月が経過。その間、緊急事態宣言が全国に発令され、さらに厳格な対応が必要となりました。そんな中、各中学受験塾では、映像配信や双方向型のオンライン授業を続々とスタート。対面授業に代わる授業形態に移行しました。
そこで新しい授業形態が出揃ってきたこのタイミングに、改めて中学受験塾に通うお子さまがいらっしゃる保護者のみなさまにアンケートを実施。現在通われている塾の授業形態、動画・オンライン授業等の映像授業に対する感想、また今回の事態で受験対策を見直したかなどについて聞いてみました。

【INDEX】

1. 動画配信・オンライン授業を取り入れた塾は92%に
2. 受験対策を見直す家庭が4割強に。在宅する親の増加で家庭学習時間を増やす傾向
3. 模試が行われないことへの不安、受験が通常通り行われるかという心配の声も
4. 映像授業に対して問題を感じるご家庭は7割に
5. 動画授業の利点は「繰り返し見られる」こと。苦手科目の復習にも効果あり
6. 新たな発見もあった、コロナ禍での塾の授業
7. 緊急事態宣言解除後、塾も新しい授業スタイル・通塾スタイルへ

【調査概要】

◆調査方法:インターネット調査
◆対象者:中学受験塾に通っている保護者の方
◆回答数:105名
◆調査エリア:全国
◆調査時期:5月1日(金)〜5月17日(金)

【質問項目】

Q1. 通われている塾名
Q2. 通われている中学受験塾は、現在どのような授業を行っていますか。
Q3. 新型コロナウイルスの影響を受けて、中学受験対策を変えましたか。
Q4. (Q3.で「変えた」とお答えの方)どのように変えましたか。(変える予定でも可)
Q5. 新型コロナウイルスの影響下で中学受験をすることについて、気になること、心配ごとはありますか。
Q6. (映像授業(動画配信・オンライン授業含む)を使った塾の授業を受けている方)映像授業になってから問題だなと思ったこと、困ったことはありますか。
Q7. (Q6.で「ある」と答えた方)どんな問題がありますか。
Q8. 映像授業(動画配信・オンライン授業含む)の良いと思われたところがあったら教えてください。
Q9. お子さまは映像授業(動画配信・オンライン授業含む)に、どんな感想をお持ちですか。

※紹介するコメントは一部の編集をのぞき、原文を尊重して、そのまま掲載しています。

動画配信・オンライン授業を取り入れた塾は92%に

表1

最初に、通われている塾についてお聞きしたところ、6割が大手進学塾、4割がその他、個人塾に通われていました。

次に、現在行われている授業形態について聞いたところ、授業を収録した動画配信が40%、動画配信と双方向タイプのオンライン授業が39%、オンライン授業(双方向タイプ)が13%という結果に。92%の方が動画もしくはオンライン授業を受講していました。また対面授業が行われているという回答も4%ありましたが、主に個人塾に通われている方からの回答でした。

3月2日に臨時休校要請を受けて、多くの塾も休講となりました。その後、すぐに授業を収録した動画の配信を始めた塾、徐々に映像授業等を始めた塾と、3月時点での各塾の対応にはかなりバラツキはありました。しかし、現在では、ほとんどの塾で動画配信もしくはオンライン授業を行っているようです。

受験対策を見直す家庭が4割強に。在宅する親の増加で家庭学習時間を増やす傾向

このような中で、中学受験対策を見直したご家庭はどのくらいあるのでしょうか。

「新型コロナウイルスの影響を受けて、中学受験対策を変えましたか。」という質問では、「変えた」という回答が43%、「変えていない」が57%でした。

表2

「変えていない」というご家庭が過半数を占める一方で、4割以上のご家庭では中学受験対策を変えた、もしくは変えることを考えているようです。

そこで「変えた」と回答した方を対象に、具体的にどのように変えたのかも聞いてみました。すると、「自宅学習の時間を増やした」が39%、「新しい学習ツール(学習アプリなど)を使うようになった」が22%、「親が教えるようにした」が19%でした。「親が教えるようにした」と回答した方の中には、「在宅勤務となり教える時間ができたから」という回答も目立ちました。

表3

「その他」を選択した方の中には、

●中学受験対策をどう変えた?

「本当に中学受験をする気があるか、一から話し合いをした。」

「2月から近場の進学塾に通わせようと考えていたが、新型コロナの影響で入塾を断念。休校を機に遠方の塾のWebコースを始めた。」

という回答が見られました。

イレギュラーな通塾スタイルが続く中、各家庭で対策を模索している様子が見て取れました。

模試が行われないことへの不安、受験が通常通り行われるかという心配の声も

次に、「新型コロナウイルスの影響で中学受験をすることに気になること、心配ごとはありますか」という質問では「子どもの学力低下」18%、「子どものやる気」「志望校の情報収集」が共に17%、「他のご家庭の学習状況」が14%、「塾の費用」が13%…と続きました。

表4

心配なこととしては、

●コロナ禍での中学受験で不安なことは?

「模試が自宅受験となり、(成績など)子どもの正確な位置がつかめていないこと。志望校の教室を借りての模試ができなくなっているので、試験に慣れずに本番が来てしまいそう。」

「果たして、来年の1月、2月に入試が行われるのか。行われるとしても、例年どおりの形式で行われるのかどうか。」

といった、受験そのものへの不安も複数寄せられました。

一方で「家庭で集中して勉強するほうが、学校でまわりのペースに合わせて勉強するより余程効率的で良いと感じている。」と、現状を肯定する声も寄せられました。

映像授業に対して問題を感じるご家庭は7割に

本調査で92%のお子さまが受けているという回答があった動画・オンライン授業。そこで、塾の映像授業(動画配信・オンライン授業含む)を「受けている」と回答した方を対象に「映像授業になってから問題だなと思ったこと、困ったことはありますか。」という質問もしてみました。すると、「ある」が73%。「ない」が27%と、約7割の方が何らかの問題、困りごとがあるという回答結果に。

表5

どんな問題、困りごとがあるかを具体的に尋ねたところ、「子どもの集中力がもたない」が22%、「子どもだけで視聴できない」「授業を理解していない」が15%、「子どもが疲れやすくなった」が13%となりました。

「疲れやすくなった」理由には、長時間同じ姿勢でモニターの画面をじっと見ていなければならないことや、オンライン授業の場合、音声が聴きづらい場合もあるため、いつも以上に集中して先生の話を聴かないといけないこと。またお家の中での受講ということで、普段とは違う環境のために、対面授業よりも疲れてしまうというような声がありました。

表6

その他にも、

●映像受験での問題点は?

「家庭のフォローが大変。授業をちゃんと受けられたかどうか把握に苦慮している。宿題とテスト解き直しのフォローに加えて、フォローする事柄は増加した。」

「オンライン授業も一方通行で、子どものわからないところを、なかなか質問ができない。映像授業も全教科が配信されているわけではなく、ない範囲は自習学習となること。」

「(国語の授業だけがオンラインがまだ開始されていない)元々苦手な国語の記述がさらに書けなくなった気がする。対面授業でないと、その場で先生に添削してもらえないため、これからZoomで授業を開始しても同様と思う。」

といった回答が寄せられました。

また対面授業からオンライン授業へ変更となったにも関わらず、月謝が同じというところに不満を抱えている回答も複数見られました。

動画授業の利点は「繰り返し見られる」こと。苦手科目の復習にも効果あり

映像授業(動画配信・オンライン)で良いと思われることについても、自由にご回答いただきました。

多くの方が「わからないところを繰り返し見られる」「一時停止してゆっくり考えられる」など動画配信ならではの利点を挙げていました。各自のペースで、苦手なところを復習したり、理解できるまで見直したりできるのは、動画ならではの利点でしょう。

その他にも、

●映像受験のメリットは?

「授業の準備をきちんとして下さる先生の場合、黒板への板書が減り時間が短縮され、答えや資料など、画像でたくさん提示してもらえるので、わかりやすいと思います。」

「送迎、お弁当がいらない。オンラインは時間が決まっているので、1日のスケジュールが立てやすい。オンラインを見れなかったときは後日動画で見ることができ、わからないところは繰り返しみたり、倍速で見たりできる」

「何回も見られる、子どもが聞き逃しているポイントを教えてあげられる、ノートの取り方やまとめ方など、塾ではフォローしてもらえてない部分を細かくみてあげられる、塾は授業参観が無いので、普段の授業の様子が分かって良かった」

といった、映像授業によるメリットについてを認識できたというコメントも多くありました。

新たな発見もあった、コロナ禍での塾の授業

実際に授業を受けている様子や、お子さま自身の感想についてもお聞きしました。その一部をご紹介します。

●映像授業でも問題ない!

「授業時間が少し短くなったので、詰め込まれていて、授業は少し大変。でも動画も見返すことができるので、好きな時間に見られるのが良い。」

「4年生の1年間、四谷大塚の通信教育で自宅学習していたため、今回の状況には大きな戸惑いはなく映像授業を受けている。映像授業の質にも特に問題はなさそう。自力でテキストに取り組んでから映像授業を見ている」

「対面授業のほうが良いが、何もないよりは良い。(子どもは)PC操作に慣れ楽しそう。」

●塾にここは改善してほしい…

「2種類の映像授業でご対応いただきとても助かっていますが、質問しようと電話をしても先生方が忙しくてあまり丁寧には教えてもらえないのが不満です。人数に対する教師の数が明らかに少なく、現場の先生方も大変そうなのでそこは改善してほしい。」

●動画ならではの子どもの反応

「面識のない先生で特徴的な外観をされていると、そちらに注目がいってしまい、授業内容に気持ちが入らずに楽しんでしまう。塾のみんなに会いたい、としきりに言っています。」

「動画配信のため、絶対に先生から突然当てられることがないからビビらなくて済む。でも答えに自信がある問題のときは挙手したくなる。」

緊急事態宣言解除後、塾も新しい授業スタイル・通塾スタイルへ

3月に実施したアンケートと比べると、授業の動画配信授業については、動画ならではの利点が受け入れられている様子が見受けられました。また、お子さまがPC操作に慣れた、オンライン授業ではお友だちの顔が見られることで楽しそうだという意見もありました。この2か月の間で、映像授業が多くの家庭で受け入れられているようです。一方で、この状況がいつまで続くのかという不安もまだまだ拭いきれません。

5月14日には39県で緊急事態宣言が解除となり、今後、残る地域の解除が待たれるところです。しかし、宣言が解除となったとしても、感染予防・対策の徹底を継続しなければならない状況が当分の間続くと見られます。

そのこともあり、今回映像授業の利点として挙がった、「何度も繰り返し見ることができる」「自分のペースで学習を進められる」というのは見逃せないポイントです。今後、従来どおりの通塾ができるようになっても、学習の遅れを心配する親御さんや、お子さまたちにとっては、授業の動画は受験勉強を進める上で必要な教材の一つとなるでしょう。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、新たな生活様式を取り入れることが必然となってきました。今後は中学受験に向けた勉強でも、これまでとは異なる新たな授業スタイル、通塾スタイルになることが予想されます。

これから始まる新しい学びのスタイルに、各中学受験塾はどのように対応していくのか、そして、受験を控えているご家庭はどう対応していけばよいのか。エデュナビでも引き続きお伝えしてまいります。

(本記事は調査アンケートをもとに、5月18日時点での情報をもとに作成しています)


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Q.【小学校低学年の保護者の方】お子さまの新しい習い事を始める予定はありますか。

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