おいしさを感じる「5つの感覚」を体験して、料理を作ろう!
inter-edu’s eye
インターエデュと東京ガスとの共催による食育イベント「五感を研ぎ澄ませ!〜五つの味覚探検隊〜」を8月1日(木)、東京ガス「Studio+G GINZA」(スタジオ プラスジー ギンザ)にて開催いたしました。
連日の猛暑が続く中、夏休みの思い出に、そして自由研究に役立てようと10組の親子が参加しました。
おいしさを感じる「5つの感覚」とは?
今回のイベントでは、最初に味覚のレッスンを受けてまず五感について学びます。その後は、習った五感を使っての調理実習です。
「五感てなんだろう?」
「どんなことをやるんだろう…」
ちょっと緊張しながらも、ワクワクした気持ちで待つ子どもたち。席にはレッスンで使う「5つの味」が揃ったケースが用意されており、お母さまたちもお子さまたちと一緒に、不思議そうに眺めていました。
冒頭、インターエデュおよび共同開催する東京ガス(株)からの挨拶のあと、早速レッスン開始。まずは五感レッスンの体験からです。
担当する東京ガス食情報センターの吉田智子さんから「おいしさを感じる5つの感覚」について説明がありました。
「人間には『目でみる、視覚』『鼻でかぐ、嗅覚』『耳できく、聴覚』『歯や舌でさわる、触覚』、『舌であじわう、味覚』という5つの感覚があり、この感覚を『五感』といいます。おいしさってなんだろうというのが今回のテーマですが、食べ物を食べて甘いなと思ったり、匂いをかいでおいしそうだなと思ったりするのは、この5つの感覚が働いているんです」
ここで吉田さんから「味ってなんだと思いますか?」という質問が。
一人のお子さまからは「おいしさ?」という回答が。
「『味』は食べた時に舌で感じるものです。そして『味』は食べ物や飲み物の中にあるものですね。そしてその食べ物には5つの味があります。それでは実際に体験しましょう」と吉田さん。
ここで各席に用意されたケースをオープン。中にはあまい(甘味)、しょっぱい(塩味)、すっぱい(酸味)、にがい(苦味)、うまい(うま味)がわかる食材が用意されています(もう一つの食べ物、グミはのちほど使用)。
味を体験しながら、たとえば「あまい」食材は他にどんな食べ物があるか、「しょっぱい」「すっぱい」なら?といったように、それぞれの味に対して用意されたもの以外に思いつく食べ物を答えていきました。
たとえば「苦い」食べ物は他に何が思いつく?という問いに子どもたちからは「ゴーヤ!」「かぜ薬!」という答えが。
また「かつお節は料理のどんなときに使いますか?」という質問では、「だしをとるとき」「たこ焼き」「お好み焼き」「お豆腐に!」にかけるという答えが寄せられました。
見た目や音、匂いでおいしさの感じ方は違う
次にスライドを見ながら、視覚や聴覚によってどっちがおいしそうに見えるか?ということを考えていきます。
目はいろんな情報をキャッチします。リンゴやバナナなど、食材の色の違いをくらべてみて、視覚とおいしさの関係について考えました。
次に自分自身でどう感じるかという体験です。
用意されたのは、プラスチックのコップに入った水溶液。一般的に人がギリギリ味を感じられるくらいの濃度につくられており、無意識に飲むと、味がついているかもわからないくらいの薄さです。これを飲んでみて、5つの味のどの味がするかを当てるというものです。
「それでは味わいながら飲んでみましょう」といわれ、みんな恐る恐る飲んでみます。
編集局でも同じものを実飲。一瞬甘い?あれ?なんか普通の水とは違うぞ、と思いながらもなんの水溶液かはわかりませんでした。
「それじゃ、甘いと感じた人は手を上げて! しょっぱいは?」と、どんな味を感じたかという問いかけに挙手で回答。甘いは1人だけで、苦いと感じた人も少数いましたが、多くはしょっぱいと感じたようです。
水溶液の正体は塩水。この体験は正解を当てることが目的ではなく、「今の自分の感覚」を知るためのものだったとのことです。同じものを味わっても感じ方は人それぞれなのですね。
最後に、ケースに入っていたぶどうのグミを試食。これは香りと味はどう関係しているかについて体験するもので、鼻をつまんで食べると甘い味は感じるもののぶどうの匂いも味も感じません。
「それでは、鼻をつまむのをやめてください」
という言葉で鼻から手を話すと、一気にぶどうの香りが身体に流れ込んでくるようです。
「おお〜!」という声とともにみんな笑顔に。香りはおいしさと切り離せない、という事を体験しました。
「自分の感覚を目覚めさせることは調理にとって、とても大事なことなんです。調理をする時には、五感をすべて使っているんです。フライパンで焼くとき、始めは静かですが、時間が経つとジュージューと音がしてくるし、焼けてきたと目で確認する、いい匂いがしてくるなど五感を使って食べられるようになったかおいしそうに焼けたかなどを五感で判断しているんです」とのこと。おいしいと感じるのにはこうした五感すべてが影響しているんだということがとてもよくわかる体験でした。
注目の学校
生のものと焼いたもの、茹でたものとの違いは? 五感を感じながらの調理実習
五感の体験学習が終わったらいよいよ調理実習です。キッチンスタジオに移動し、さきほどまで習った五感をさらに活用しながら「カラフルおすし」とグリル野菜、グリルデザートとして焼きぶどうのヨーグルト添えを作ります。
作り方によっては材料が余った班も。そこは盛り付け方やカラフルおすしの花模様をアレンジしたりと、思い思いの料理ができあがりました。
料理ができたら、もう一度五感と味覚の復習です。
ぶどうとトマトを生のものと、焼いたもので比べて見た目の違いや匂いの違いについて確認。ニンジンは茹でたものと生のもので食べ比べて音の違いを聞き分けるなど、余った食材を使ってもう一度確認し合いました。
復習が終わったらお待ちかねの実食です。
「自分で作ったものはおいしい!」とみんなニコニコしながら食べていました。
最後に吉田さんから「五感についてさまざまな体験をすることで感性を磨き、感じたことを表現する事で表現力やコミュニケーションが身につきます。そして自分と他者の感じ方の違いを知る事は他者理解にもつながります。このことから、フランスの味覚教育の第一人者であるジャック・ピュイゼ氏は『味覚教育は人間形成にも有効です』とおっしゃっている」という紹介がありました。
食べること、作ることを通して、感覚だけに限らず人と人との関係をつくっていくんですね。
今回、これはどんな味か、匂いはどうかとお母さまと話し合いながら食べたり、また初めて会った子ども同士で一緒のグループになり、協力しながらご飯を作ったりいう経験は、日常ではあまりないことだと思います。この1日を通して、味覚や食に対して学んださまざまなことが、子どもたちにとっての良い刺激になったことでしょう。
参加者からの感想
今回参加されたお母さま方からは次のような感想をいただきました。
「いろいろな味を意識して食すことができ、貴重な時間でした」
「子どもと一緒に考えながら『味』を学べたので楽しかったです」
「親子でたのしくできてよかった。おいしかったです。いつも早く食べてしまうので、五感を使ってゆっくり食べるのも大切だと思いました」
「資料やスライドもわかりやすかったです。夏休み中の子どもに自由研究のテーマにもぴったりです」
多くの方が五感体験や味覚について学べたのが良かったというお声をいただきました。
ぜひ今回の経験をぜひお家でもやってみていただければと思います。
【東京ガス料理教室】
東京ガスでは親子・子ども向けの料理教室を長年開催しています。調理体験を通して、食の知識や包丁・コンロの使い方などが身につくとともに五感が磨かれ、子どもたちの「生きる力」が育まれるプログラムを展開しています。
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