全員が中学受験にチャレンジする洗足学園小学校

inter-edu’s eye
第8回では、川崎市高津区にある、洗足学園小学校の吉田英也校長にインタビュー。中学受験をさせたい!という思いを持って入学させる親御さんが多い学校の教育内容とは?難関中学への高い合格実績の秘密をうかがってきました。

中学受験することが大前提の私立小学校

毎日の生活が中学入試対策に

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エデュ:まずは貴校の教育の特徴を教えてください。

吉田校長:本校は、これからの時代が必要としている「社会のリーダー」を育てる学校でありたいと考えています。リーダーと聞くと、脚光を浴びている人をイメージするかもしれませんが、世界には恵まれない人々のために知恵を出し、日々努力している人々もいます。社会に奉仕貢献する志を持ち、様々なスタンスで豊かな社会の実現を志向する、こういった人材こそが「社会のリーダー」であると思っています。

この「社会のリーダー」に必要とされる資質の礎を育むためには、高い知性や強い意志、正しい使命感、他者への思いやり、健康や体力を身につける必要があると考え、本校では様々なカリキュラムを用意しています。

本校は全員が中学受験にチャレンジする学校と保護者の方にはお伝えし、それをご理解したうえで入って来られるご家庭がほとんどです。そのため、学校で学ぶことは中学受験に合格するための勉強と言っても過言ではありません。

エデュ:その中で、特色のあるカリキュラムを3つ教えてください。

吉田校長:1つ目は「日記漢字」です。中学受験には毎日の家庭学習が大切です。1年生のうちから宿題を出し、家庭学習の習慣をつけてもらう。そういった目的で行っているのが「日記漢字」です。毎日日記を1ページ、漢字学習を1ページ家庭で行い、それを朝提出させて、担任が読んでコメントして、帰りに返す。これを1年生から6年生の終わりまで基本的に毎日行っています。

2つ目は「筆算検定」です。これは事前に渡してある問題集の中から出る40問近くの問題を5分間で解き、95点以上で合格。最初は20級から始まり1級まで、1級の上は初段から十段。そしてその上は名人、最後は超人になっています。実際の中学入試では計算問題だけを出題されるということは少ないですが、計算力は応用問題を解く上で必須です。

3つ目は「先取り学習」です。本校では6年生の1学期で小学校の内容をすべて終わらせ、それ以降に関しては復習や入試問題演習に時間を充てています。これを全教科行っています。

エデュ:日常で学ぶ内容が中学入試に直結しているということですね。

中学入試前日に行われる激励会

後輩のために合格したい!生まれる強い絆

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エデュ:貴校は近年難関中学校だけでなく、男子・女子御三家へ数多くの生徒を輩出されていますが、合格実績の高さの秘密を教えてください。

吉田校長:先ほどご紹介したカリキュラムはもちろんですが、他にも「縦割り活動」の影響が大きいと思います。1年生から6年生まで縦割り班を作り、月1回ランチをしたり、遠足に行ったりして上級生も下級生も分け隔てなく仲良くなっていきます。そして中学受験の前日になると激励会というものを行います。

ここで縦割り班で作ったお守りを受験生に渡し、送り出すわけです。上級生は下級生のために合格したい!下級生は上級生が受験で頑張る姿を見て、いつか自分も受験するんだという気持ちになります。いうまでもなく中学受験期はメンタル面も重要です。「自分は支えられているんだ!」と感じられ、合格につながっていると思っています。

エデュ:中学受験が大前提と聞くと、いつもピリピリした学校生活を送るのでは?と思うご家庭も多いのではないでしょうか。

吉田校長:確かに、実際にそういった声は良く聞きます。ただそういったご家庭も学校見学に来られて、生徒が外で仲良く遊ぶ姿や授業を積極的な姿勢で受ける生徒の姿を見ると考えが変わります。

本校ではクラスメイトはライバルではなく仲間という意識を持っています。公立小学校の中学受験する方は、地域にもよりますが、塾に通っていても隠しがち、塾の進んだ勉強を受けているので学校の授業が退屈で、学校は友達と遊ぶだけの場になりがちです。でも本校では周りは同じ目標を持つ仲間です。これほど中学受験に取り組みやすい環境はないと思います。

保護者から寄せられる中学受験特有の悩み

親も中学受験経験者だからかかる期待

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エデュ:学校生活で保護者の方から寄せられる悩みで気になることはありますか?

吉田校長:やはり中学受験に向かっていくうえでの親子関係の悩みが多いですね。本校の親御さんはご自身も中学受験経験者という方が多くいます。親御さんとしてはもっと勉強して結果を出してほしい。でも受験生本人は勉強をさぼり、親御さんはそれを叱ってしまい、親子の関係性が悪くなる…。

エデュ:そういったお悩みにはどう対応しているのでしょうか?

吉田校長:焦る気持ちは分かるのですが、決して否定するような言葉は言わないでほしいとお話ししています。子どもは誰しも親に認められたいという欲求があるので、否定的な言葉をかけるとやる気も出なくなってしまいます。出かかる言葉をグッとこらえ、お子さまの良かったところ、努力したところを褒めてほしいですね。

エデュ:これからの貴校の使命や求められていることについてどうお考えですか?

吉田校長:私立小学校というと比較的大学までエスカレーター式の小学校が多いですが、本校は全員が中学受験にチャレンジする学校です。そして入ってこられるご家庭は中学受験という試練を与えて、それを乗り切る力をつけさせ、知性の部分も育てたいと願っています。このニーズにしっかり答えられるようにしていきたいと思います。

エデュ:最後に貴校がこれから行おうとしている取り組みを教えてください。

吉田校長:ICT教育です。来年の4月から新3年生は全員1人1台タブレットを持たせる予定です。実はすでに学校用として45台導入し、授業でどう活かせるのか研究してきたので、それを来年実践していきたいと思っています。

洗足学園小学校データ

学校名 洗足学園小学校
男子・女子・共学 共学
所在地・アクセス 〒213-8580 神奈川県川崎市高津区久本2-3-1
JR南武線「武蔵溝ノ口駅」より徒歩8分、東急田園都市線・大井町線「溝の口駅」より徒歩8分
教育目標 1、なにごとも自分で考えて行動のできる子 2、大きな夢を持ち、粘り強くがんばる子 3、人のためになることをすすんでできる子 
制服の有無
給食の有無 なし

編集部から見たポイント

高い進学実績の裏には、中学受験に対応できる考え抜かれたカリキュラム。そして学校全体が仲間であることを意識できる「縦割り活動」が大きく影響していることが分かりました。