難関中学への高い進学率を持つ宝仙学園小学校!未来構想は?

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第15回では、東京都中野区にある宝仙学園小学校校長の日髙好生先生にインタビュー。男子・女子御三家をはじめ難関中学校への高い進学率を誇る教育内容や、今後やっていきたいことなどをうかがってきました。

“365日未来社会に挑む”宝仙学園小学校

伝統校は新しい教育の風にどう立ち向かっているのか

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宝仙学園小学校校長 日髙好生先生。

エデュ:私立小学校にはICT教育、英語教育など新しい教育の風がどんどん入ってきていますが、伝統校として貴校はどのようにお考えでしょうか?

日髙先生:今、私立小学校は、AI(人工知能)を駆使したICT教育や、グローバル化社会で活躍するための英語教育など、来たる未来社会に向けた教育を行わないと生き残れない時代に入ってきていると考えています。

本校でもここをしっかり認識し、「365日未来社会に挑む宝仙学園小学校」として舵取りを変えていっています。

エデュ:具体的にはどのようなことをされているのですか?

日髙先生:2つお話します。
1つ目は昨年からはじめた親御さんとの「未来の共同研究」です。本校では専門分野で活躍されている親御さんが多いので、こういった方をお呼びしてキャリア教育も含めた授業をしてもらっています。先日は気象庁にお勤めのお父さまをお呼びし、本校の理科室で、「人工知能を駆使して災害を予知し、被害を最小限に食い止める技術」などを教えていただきました。

2つ目は昨年度末に完成した「My Lab.」というアクティブ・ラーニング専門の教室を利用した未来型の授業の展開です。この教室では、壁一面がホワイトボードになっているのでそこに自分の意見を書き、さらにそれに対しての意見を書いたりすることができます。画像を映し出すことも可能です。 来年からiPadを3年生から1人1台持たせる予定ですが、このあたりと絡めて活用していきたいと思っています。

エデュ:こういった新しい取り組みをされると抵抗感を示す先生もいるのではないでしょうか?

日髙先生:確かにiPadに対して抵抗感を持つ先生は少なからずいました。ここに関しては外部の専門家をお呼びした教員向けの研修で、「今、そしてこれからの時代はこうなっていきますよ」と話してもらい、客観的な情報を共有しています。

私は子どもたちが学校に来て、友達と会って、授業を受けて、「充実した学校生活を送っている」という実感を持ってもらうことが一番大事だと思っています。そういう風に思ってもらえるようにするための先生たちが不満を抱えて元気がないのは良くないと考えています。ですので校長という立場で意見を押し付けるのではなく、外部の専門家の意見をしっかり聞いてもらうということも取り入れながら進めています。

都内屈指の難関中学への高い進学実績の秘密

子どもたちを思うからこそ言う厳しい一言

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エデュ:貴校は男子・女子御三家をはじめ難関中学への進学実績が非常に高いですが、その秘密を教えてください。

日髙先生:中学受験専門の塾に通っている子もいますが、本校としては2つあると思っています。
1つ目は独自のテキストや中学受験を前提とした授業カリキュラムです。塾で分からなかった問題があっても、学校の授業の中に類題があるので相互型の勉強ができることは大きいと思います。

2つ目は本校は全員が中学受験するので、「負担感」が少ないと思います。ご存知のように中学受験で出される問題は難問ばかりです。これをもし家で一人で解くとしたら相当厳しいでしょう。でも本校ではこういった問題を中学受験指導の経験が豊富な先生がサポートし、皆で考えながら毎日解いていきます。ですので、難しい問題を解いているという負担感は軽減されていると思います。

エデュ:受験する学校選びのサポートはどのようにしているのでしょうか?

日髙先生:小学6年生の6月末に個人面談が始まるのですが、それにあたり事前に第1回の志望校調査を行います。そこから11月に国語、理科、社会、算数の校内模試を5回行い、その結果を先輩方の10年間のデータと照らし合わせ、「この子の今の成績ならこの学校に受かるな」と全教員と話し合っていきます。

そして学校側が出した受験プランと12月に行われる第2回の志望校調査を照らし合わせ、受験する学校を決めていきます。ただここで誤解していただきたくないのは、私たちは難関中学へ何名合格させたという成果主義ではありません。私たちは「他者は気にせず、あなたが中高の6年間を過ごすうえで一番合う学校を探すためにやっているんだよ」というスタンスで子どもたちと向き合っています。

エデュ:その子に合った学校選びと聞くと、難しいように感じますが。

日髙先生:本校には文化祭や同窓会で卒業生が帰ってくるのですが、進学先ごとに特徴があります。この情報も大切にしながら学校選びを決定していきます。

エデュ:親御さんのなかには「うちの子は絶対この学校に行かせたい」という方もいるのではないでしょうか。

日髙先生:確かにいます。その場合、第一志望校については、学校側も同意します。しかし、全入試日程がチャレンジ校だけにならないように提案しています。大切なのは、次のステージを決めることです。

今後の目標は学校のハブ空港化

閉鎖的ではないオープンな学校を目指す

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エデュ:貴校を受験されるご家庭の理想像はありますか?

日髙先生:大前提としては子どもが真っ直ぐ育つ根幹になる、人間関係が安定しているご家庭です。あとはやはり公開授業や学校説明会にご参加いただき、十二分に本校の特色、何を目指しているのかを理解したうえで受験していただきたいですね。初等教育は学校だけ、ご家庭だけでは完結しません。学校、ご家庭が協力し子どもの成長をサポートするという関係がないと成り立ちません。

エデュ:最後にこれから行おうとしていることを教えてください。

日髙先生:一言でいうと「学校のハブ空港化」です。本校の子どもたちがいる舞台を一つの空港として、親御さんも含めた様々な素敵な人が集まり、子どもたちのために何ができるのかを考えていけるような、オープンな学校を目指していきたいです。それが未来社会を生きていくうえで携えないといけない材料を手に入れるきっかけになると思っています。

宝仙学園小学校データ

学校名 宝仙学園小学校
URL: http://www.hosen.jp/
男子・女子・共学 共学
所在地・アクセス 〒164-0011 東京都中野区中央2丁目33-26
東京メトロ丸の内線「中野坂上」駅下車2番出口より徒歩7分
教育目標 ●心やさしく 豊かな情操をもつ子
●進んで学び 高い学力を身につける子
●よく考え 最後までやりぬく子
●体を鍛え きびきびと行動する子
制服の有無
給食の有無

編集部から見たポイント

未来社会をしっかり意識し、新しいものを取り入れたり、中学受験の指導では蓄積されたデータを活かし受験指導する宝仙学園小学校は他校にはない強みを感じました。新しい取り組みはまだ始まったばかり、今後の学びにどうつながっていくのか注目していきたいところです。