難関中学校だけではない多様な進路選びを!晃華学園小学校

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第23回では東京都調布市にある晃華学園小学校校長の田島亮一先生にインタビュー。キリスト教の教えに基づく教育内容から難関中学校への高い進学実績の秘密までをうかがってきました。

「人のために役立ちたい」という思いを持つ大人を育てたい

柱となる宗教教育の内容は?

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晃華学園小学校校長 田島亮一先生。

エデュ:まずは貴校の教育の特徴を教えてください。

田島先生:本校はキリストの教えである聖書の精神を土台とした教育を行っています。ヨハネによる福音書15章12節にある「わたしがあなたがたを愛したように、互いに愛し合いなさい」。この聖句を各教室に掲げ、学級経営の柱にしながら教育活動を進めているのが教育の特徴です。

エデュ:教育を通し、将来こんな大人になってほしいという人物像はありますか?

田島先生:「神と人のために生きる」という宗教教育を初等教育で行うことによって、「人のために役立ちたい」というカトリック精神を持った大人になってほしいですね。幸い本校の卒業生は看護・医療系を目指し、実際に活躍している人が多いのも、教育が影響しているのではないかと思っています。

エデュ:特色のあるカリキュラムを教えてください。

田島先生:2つお話しします。
1つ目は「宗教教育」です。全学年週1時間の宗教の授業、そして6年間の学校生活のあらゆる場面で宗教教育を行っています。例えばボランティア活動もその一つですが、レモネードスタンド、缶バッジ作成販売、クリスマス献金や福島県南相馬への義捐金活動などがあります。あとは宗教行事として、クリスマス、イースター、慰霊祭、2学年合同ミサなどを行っていますが、行事を通してキリスト教の精神を理解してもらうだけでなく、子どもたちの心を育てていくのが目的です。

2つ目は「英語教育」です。本校では英語は人生を豊かに切り拓いていくための一つの大切なスキルととらえています。週3時間の英語科の授業を1年生から実施し、ネイティブスピーカーの教員などが指導していますが、授業内ではほとんど日本語を使いません。テキストは「スマイル」というカトリック学校向けに作成されたものを使用し、テキスト内の登場人物と子どもたちがともに成長していくように配慮された構成になっています。また生きた英語を身につけるために4~6年生の希望者を対象に2泊3日で「British Hills」という英語国内留学。さらに「White Horse Teatre」という英国のプロの劇団を招いての英語劇の鑑賞、「Recitation Contest」という3~6年生が英語の詩や物語を暗唱して発表するというイベントも行っています。

難関中学校への合格実績の秘密は?

きめ細やかな指導体制と進学相談

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エデュ:貴校を卒業したあとの進路はどのようになっているのでしょうか?

田島先生:女子は晃華学園中学校への内部進学が9割。男子も提携中学校への推薦制度はありますが、ほとんど外部受験をします。あまり公には出していませんが、過去6年間で男子は麻布、駒場東邦、海城、巣鴨などに合格しています。

エデュ:難関中学校ばかりですね。何か特別な指導をしているのでしょうか?

田島先生:実は学校で特別な中学受験のための受験勉強は行っていません。ただ、きめ細やかな指導体制と進学相談が結果的に高い進学実績につながっていると考えています。

エデュ:詳しく教えていただけますか?

田島先生:例えば漢字学習であれば、教員が自作した漢字プリントを使い、新出漢字が出れば漢字ノートに書き留め、成り立ちを調べたりして毎日家庭学習をやってもらいます。そして漢字テストにのぞむのですが、そこでできなかった問題は必ずテスト直しをさせ、さらにできない子に対しては補習学習を行います。このサイクルは当たり前と思われがちですが、意外とおざなりになりがちなので、ご家庭も巻き込み「やり直す大切さを大事にしなさい」と伝えています。

人間として間違った部分と向き合うのはつらいですが、教室は間違う場所であり、間違ってやり直させるところまで責任を持ってやらせたいのが私たちの思いなんです。自作プリントを用いているのも「教員も子どもたちのことを考え、これだけ苦労しているんだよ」というのを見せる目的もあります。また本校では教科の中でもとくに差がつきやすい算数は、3~6年生の授業で2人体制の「チームティーチング授業」を実施し、分からない部分をそのままにしないようにしています。

エデュ:きめ細やかな進学相談はどんなことをされているのでしょうか?

田島先生:一言でいうと「その子に合った学校選び」です。私たちは学力だけでなく、本当の意味でその学校に合うのかをしっかり判断します。そのために実際にその学校に入っている本校の卒業生から話を聞いたり、研究もしています。ですのでその子に合った学校を薦めたり、合う私学がなければ中学は公立に行き、高校受験でレベルの高い高校を目指せる道を薦めたりもします。このあたりは三者面談で納得するまでお話しするようにこころがけています。

時代のニーズに合ったサポート体制を提供したい

共働きのご家庭に優しい2つのサポート

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エデュ:受験前にこれだけは身につけておいてほしい力はありますか?

田島先生:自分の思いを素直に語れて、人の話をしっかりと聞くことができる。そのようなコミュニケーション力が身についているといいですね。

エデュ:貴校が求める理想のご家庭像とはどのようなものでしょうか?

田島先生:教育を学校だけに任せるのではなく、学校と一緒になって子どもを育てたい。そんな考えを持っているご家庭が理想です。本校は家庭教育と学校教育の両輪で子どもを育てていきます。そのため学校からのお願いもしますし、懇談会への出席もできる限りお願いしています。このあたりをご理解いただけるご家庭だと嬉しいです。

エデュ:これからの私立小学校の使命をどのようにお考えでしょうか?

田島先生:いよいよ道徳が教科化になりますが、時間の関係上公立小学校では限界があります。自己の生き方や考え方をしっかり持った人間を育てることは私学でしかできないことだと思っています。本校であればカトリック校として「何のために生きているか」ということに対して回答を持ち、6年間の中でしっかり種まきをし、生き方教育を行っています。ここは変わらずしっかり継続していくことこそが使命だと考えています。

エデュ:今後行ってみたい取り組みはありますか?

田島先生:2つあります。
1つ目はお弁当サポートの提供です。ご存知のように今は私学でも非常に共働きのご家庭が増えています。お弁当を作る手間の軽減とともに「心の籠もったお弁当給食」をテーマに提供したいと考えています。実はすでに会社は見つけ5月以降に導入する予定ですが、家庭料理で季節感があり、温かいものは温かい。そんなお弁当を提供します。また一人ひとりにメッセージカードがつくのですが、そこにはお弁当の内容だけでなく、今日はこんな思いで作りましたという作り手の思いが書いてあります。そのメッセージカードを家庭に持ち帰り、「今日こんなお弁当を食べたよ!」という話題にしたりもしてほしいですね。

2つ目は今はまだ構想段階ですが、放課後教室の提供をしたいと思っています。

エデュ:田島先生、ありがとうございました。どちらも共働きのご家庭には非常に助かるサポートですね。

晃華学園小学校データ

学校名 晃華学園小学校
URL: http://www.kokagakuen.ac.jp/kokasho/
男子・女子・共学 共学
所在地・アクセス 〒182-8550  東京都調布市佐須町5-28-1
京王線「つつじヶ丘」駅より深大寺行きバス 「晃華学園前」バス停より徒歩5分
制服の有無
給食の有無

編集部から見たポイント

ご家庭も納得するまで中学校選びを話し合う晃華学園小学校の進路指導は、非常に自由度が高いと感じました。しっかりと子どもたちのことを考えた教育を行ってくれるのではないかと思える取材でした。