全国初!新教育体制の学校が誕生!エデュママリサーチ第65回
inter-edu’s eye
エデュママには私立中高一貫校がなじみ深いと思いますが、全国初となる公立小中高一貫校が平成34年に開校されることが今年正式に発表されました。一体どのような教育を行う学校なのか、また既存の学校に与える影響などをリサーチしてきました。
全国で初めての学校はどんな学校?
東京都教育委員会は東京都立立川国際中等教育学校を改編し、附属小学校を新たに設置して、都立小中高一貫校とすることを発表しました。公立としては初めてのことです。同校では英語教育に力を入れ、早い時期から帰国児童・生徒や外国人児童・生徒と学ぶことにより、語学だけでなく、国際感覚も身につけていきます。
ご存じの方も多いように、「小中一貫校」は全国に数多くあります。この小中一貫校は、大きく分けると「施設分離型」と「一体型」に分かれます。分離型では、小学校と中学校が連携しながらも、別々の建物で教育を行います。
これまでは一貫校といえば私立の中学校と高校というイメージがありましたが、近年は公立の中学校が小学校と中学校の教育を一貫して行うことにもメリットを見出しています。
では、実際にどんなメリットがあるのでしょうか?
1.中1ギャップを防げる
中学校に上がると勉強面だけでなく、環境面・人間関係も大きく変化します。これを「中1ギャップ」と呼びます。小中一貫校であれば、日常から中学生と触れ合えるのでこれを防ぐことができます。
2.学習面で余裕を持てる
学年の区切りが、柔軟になるので、中学の学習内容を小学校段階で先取りして教えることも可能になります。
3.小学生は先輩を見て大きく、中学生は後輩を見て成長できる
これは小中一貫校に限ったことではありませんが、同じ施設内で生活したり、イベントを通し触れ合うことで、子どもたちは色々なことを学び成長できます。とくに小中学生は感化されやすい時期なので、その伸びしろははかりしれません。
4.自由なカリキュラム設定ができる
「4・3・2制」、「5・4制」など、学校ごとに学びの年数を設定することができます。
公立中高一貫校と私立中高一貫校はどうなる?
次に、現在の公立中高一貫校について見ていきましょう。学習塾「ena」が発表した、今年度の都立中高一貫校の応募倍率は以下の表のようになっています。
学校名 | 今年度 | 昨年度 |
---|---|---|
東京都立小石川中等教育学校 | 6.57 | 5.69 |
東京都立白鷗高等学校附属中学校 | 6.81 | 7.11 |
東京都立両国高等学校附属中学校 | 8.36 | 8.71 |
東京都立桜修館中等教育学校 | 6.71 | 7.11 |
東京都立富士高等学校附属中学校 | 4.94 | 5.26 |
東京都立大泉高等学校附属中学校 | 7.31 | 7.46 |
東京都立南多摩中等教育学校 | 5.59 | 5.54 |
東京都立立川国際中等教育学校 | 一般 5.55、帰国 2.77 | 一般 6.38、帰国2.10 |
東京都立武蔵高等学校附属中学校 | 4.86 | 4.94 |
東京都立三鷹中等教育学校 | 6.63 | 7.13 |
千代田区立九段中等教育学校 | 区内 2.19、区外 7.89 | 区内 1.76、区外 10.48 |
今年度と昨年度を比べると、数値としては下がっていますが、まだまだ高い倍率となっています。人気は続いています。、その中でも東京都立小石川中等教育学校は大きく数値を伸ばしています。倍率が上がる要因はいくつかありますが、大きな理由の一つに大学進学実績が挙げられます。同校は昨年と比べ、東大への合格者を現役5名から9名と伸ばしています。
また、私立では、『教育最前線』に行ってみたの「第5回 中学受験の第一人者に、私立中高について聞いてみた!」で、中学受験研究の第一人者である森上先生にお話しをうかがってきましたが、様々な取り組みを行っていても、入学後に偏差値を伸ばしてくれる学校でないと、これからは厳しいでしょうとのお話もありました。
もちろん私立中高一貫校は、伝統や独自の教育システム・環境など良い所がたくさんあります。学校見学に行き、お子さまと相談し通いたい学校に行きましょう。
広がる選択肢!学びの形も変化
初めにご紹介した公立の小中高一貫校が開設されれば、さらに選択肢が広がることになります。またこれを機に他校でも小中高一貫教育を取り入れる可能性は十分にあります。
まだ試験内容やカリキュラムなど、細かい部分は発表されていません。今後の動きに注目していきたい所です。
ココがポイント!
時代や地域性により、教育の形も変わってきます。選択肢も広がってくるなかベストな判断をするのは、難しいかもしれませんが、常にアンテナを張り色々な情報を集めましょう。エデュでも情報を発信しているので活用してください。
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