もう1つの大学入試改革?増え続けるAO入試

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今や大学入学者の半数を占めると言われている推薦入試とAO入試。その中でも今回はAO入試を受験するメリットやデメリットに着目します。そしてAO入試受験者だけが養うことができる力などをリサーチしてきました。

AO入試と推薦入試は似て非なるもの

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AO(アドミッション・オフィス)入試とは、大学が求める人物像(アドミッション・ポリシー)に学生が合うかどうかを時間をかけて選考する入試形式です。少し柔らかい言い方をすると、大学と学生がお見合いのようにお互いの相性を探りながら行われる入試になっています。

選抜方法は大学により差がありますが、「面接重視型」と「書類・論文重視型」に分かれ、なぜその大学に入学したいのかを書いた「志望理由書」と高校の部活動や課外活動などを書く「活動報告書」というものが必要になってきます。これら以外にも面接、小論文、希望学部・学科に対する適性、意欲などを総合的に評価されます。

推薦入試との違いは?

学校長からの推薦が必須ではない
推薦入試の場合、在学する高校の学校長からの推薦が必須となりますが、AO入試は必須ではありません。ただし、「専願」「第一志望」などの条件や、評定平均の基準などがあり、誰でも受けることができるわけではありません。

スケジュールが若干異なる
推薦入試もAO入試もスタートは6月ですが、合否発表がAO入試は11月、推薦入試は12月など細部が異なります。また、最大の違いは「面談・選考期間」です。AO入試の場合は推薦入試よりも少し長めに、大学によっては複数回の面接を通じ選考されます。

AO入試、推薦入試合格発表までのスケジュール例

AO入試 推薦入試
6月 情報収集
事前エントリー
情報収集
7月 三者面談
書類作成
三者面談
8月 出願 書類作成
9月 面談・選考
10月 面談・選考 出願
11月 合格発表 選考
12月 合格発表

AO入試のメリット・デメリットは?

AO入試2

次にAO入試のメリット・デメリットを見ていきましょう。

【メリット】
・勉強以外のことを頑張ってきた生徒にも合格できるチャンスがある
・入学するまでの期間が一般入試と比べ長いので、入学の準備がしっかりできる
・AO入試で不合格であっても、後から一般入試を受験することが可能
・入学後の目標が明確かつ学習意欲を高く保てる

【デメリット】
・学業成績が重視されない分、入学後大学の勉強についていけない可能性がある
・大学に提出する資料の準備などに時間がかかる
・不合格の場合には一般入試を受けなければいけないので、同時並行で勉強する必要がある

とくにデメリット面の「学業成績が重視されない分、入学後大学の勉強についていけない可能性がある」は一時期大きな問題となりました。しかしその対策として、文部科学省では、「大学入学共通テスト」の実施に伴い、AO入試・推薦入試の学力評価の義務化を公表しています。具体的な内容はまだはっきりしていませんので、今後の動きに注目していきたいところです。

AO入試入学者の割合は年々増加

「旺文社 教育情報センター」の調査によると推薦・AO入試の入学者は現在過去最高の44.3%となっており、9%ほどがAO入試入学者となっています。「私立大学“難化”でこれから視野に入れたい3つのこと」でご紹介した通り、私立大学の一般入試の定員厳格化などにより、AO入試を取り入れる大学は増え、入学者も増えていくものと予想されます。

AO入試は就職活動や仕事の場面で活きてくる

最後にAO入試を通して身につけることができる能力ついてご紹介します。それは「プレゼンテーション能力」です。自分をしっかり見つめ、どこが強みなのかを大学や面接官にきちんと伝える。この能力は大学入学後のゼミでの発表、ひいては就職活動や仕事の場面で活きてきます。

先ほどご紹介した通り、AO入試でうまくいかなくても一般入試を受けることは可能です。将来的に見ても取り入れる大学は増えていくので、一般入試以外の受験を視野に入れてみてはいかがでしょうか?

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