大学入試改革元年!注目を集めるAO入試、推薦入試の最新情報

今年は大学入試改革元年。しかし、新型コロナウイルス禍も重なり、新しい大学入試がどうなってしまうのか、情報が非常に乏しい状況です。
そんな中、これまでとあまり変わらないやり方で大学入試に挑戦できるチャンスなのが推薦入試、AO入試と言えるかもしれません。5月9日、オンライン家庭教師の先駆けであるMEGA STUDY Online(以下、メガスタディオンライン)が、「AO推薦入試『完全攻略』オンラインLiveセミナー」を開催すると聞きつけ、エデュナビ編集部でも生配信を視聴させていただきました。
今回の大学リサーチでは、その模様をお伝えするとともに、このオンラインセミナーを主催した運営会社の方にお話を伺ってみました

大盛況となったオンラインセミナー

大盛況となったオンラインセミナー

今回のオンラインセミナーは、5月9日(土)の20時から、YouTubeを使ってのオンラインライブ配信の形で行われました。

講師を務めたのは、AO推薦入試に関する日本の第一人者である藤岡慎二先生。進行役は、メガスタディオンライン進路支援室の横山さんです。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ライブ配信はこのようにソーシャルディスタンスをしっかりと保って行われました。

セミナーは、「そもそもAO推薦入試とはどのような入試なのか?」という基礎事項の再確認から始まり、合格するためのノウハウやAO推薦入試に関するよくある疑問を解消してくれるような解説まで、ボリューム満点の内容でした。

オンラインセミナーというと、一方通行の情報発信になりがちなイメージがありますが、今回のセミナーではYouTubeのチャット機能を活用。発信側の藤岡先生と横山さんにもリアルタイムで視聴者からの質問や意見、感想などが届くという形態で行われました。

チャット欄に寄せられたコメントには率直な内容のものが多く見られました。

対面形式でのセミナーでは、質疑応答の時間があったとしても、大勢の人がいる場で手を挙げて話をするのはなかなか勇気のいることです。その点、オンラインで感想を打ち込むだけなら心理的なハードルはぐっと下がります。これはオンラインのセミナーならではの利点と言えるでしょう。

AO推薦入試に挑戦してみよう!と思えるお話

ここで、今回のセミナーの内容の一部をご紹介します。

セミナーでは、大学入試改革への不安、さらには今回のコロナ禍で、明確ではなくてもAO推薦入試に興味をもつ人が増えているということ、そして、高校生の保護者世代にとっては目から鱗の、AO推薦入試に関する基礎知識が語られました。

藤岡先生はまず、「AO推薦入試は一芸入試とは違うんです」と、多くの人がAO推薦入試に対して抱いている大きな誤解についてお話ししてくださいました。

保護者世代が大学受験生だった頃、推薦入試で大学に合格する人……というと、そのイメージは、成績が常に学年トップクラスの生徒、生徒会長や活躍した運動部のキャプテンなど、スーパーヒーローのような人でした。しかし今や、2人に1人がAO推薦入試で大学に入学する時代なのだということ。私立大学では過半数の学生が、国立大学でも6人に1人が、今やAO推薦で入学しているというデータが示されました。

ということは、「AO推薦なんて自分には縁のないこと」と最初からあきらめてしまうと、それだけで大きな機会損失になってしまうのです。

ではどうして、こんなにもAO推薦入試という一般入試以外での入学者が増えているのでしょうか。

それは、大学は高校までとは違って「教育」と「研究」を行う場所だということに関係しています。

最近でこそ、私立中高一貫校などを中心に「探究学習」「Active Learning」などの学びを導入する学校が増えてきていますが、一般に、高校までの授業は、先生が教壇に立って生徒たちに知識を教えるというものです。それに対して、大学では、学生たちも主体的に意見を述べ、議論をし、各々で決めたテーマの研究をしていくことが求められます。そのため、大学としても、単に知識を身につけただけの学生ではなく、ゼミで活躍できる学生を入学させたいわけです。

「高校生までは『生徒』と言いますよね。大学生は『学生』です。求められるものがそもそも違うのです」という藤岡先生の言葉が印象的でした。

また、AO推薦入試をお勧めする3つの理由についてもお話がありました。

AO推薦入試対策をすることで……
1)一般入試で受験するよりも1、2ランク上の大学に合格できる可能性もある
2)一般入試に向けた対策にも相乗効果がある
3)対策したことは就職活動の際や社会人になってからも役立つ

他にも、セミナーでは有益な情報が惜しみなく提供されていきました。

・面接には、その志望理由書を本当に本人が書いているか?を確かめる意味もあるということ(明らかに書いているのが50代男性、というような例もよくあるとのことです)。
・「志望理由書は大学へのラブレター、小論文はレポート」。
・志望理由書の指定文字数は合否判定の際の配点と比例していると考えてよい。
・グループディスカッションはディベートではないので、口論で相手を論破することが目的ではない(むしろ無理に相手を言い負かそうとする姿勢は逆効果)。
・面接は慣れとテクニックなので、喋るのが苦手でも諦めることはない。

セミナーの最後は、藤岡先生からの力強くも温かいメッセージで締めくくられました。

「一般入試同様、推薦やAOも成長の機会です。一歩踏み出せばチャンスは広がる。是非挑戦をしてみてください!」

最終的に、全国から延べ834人ものリアルタイム視聴者を集めた今回のオンラインセミナー。さらに、参加特典としてPDFで配布された2冊の小冊子も、お役立ち度満点の内容でした。

「知っていたら見たかったのに……‼」という方も、ご安心ください。

今回のセミナーの模様は、メガスタディオンラインのホームページで、5月28日からアーカイブとして視聴できるようになりました。また、YouTubeの「メガスタディチャンネル」にも、大学受験生やその保護者の皆さんに必見の“耳より情報”が満載。要チェックです。

学校教育と共存しつつ、教育格差の是正を

メガスタディオンラインを運営する株式会社バンザン。その広報担当の方に、今回、これだけ価値ある内容のセミナーを無料で実施することにした、その想いなどをうかがってみました。

例えば、今回のAO推薦入試にしても、首都圏に比較すると地方では圧倒的に情報が不足している、ということがあります。また、大都市圏とそれ以外の地域では、受験生の学習環境にも大きな格差があります。格差と言えば、学力の格差も、本当に弱点となってしまった分野などは、個別指導でないとリカバリーできないこともあります。

私たちは、全国に質の高い個別教育を提供し、可能な限り将来の選択肢の幅を広げていただきたいのです。

オンラインでの学習指導のメリットは、時間や場所の制約を極限まで減らせること、地域を超えて希望する条件の講師からの指導を受けやすいことにあります。費用も抑えられ、より多くの人が指導を受ける機会を得られるのです。

私たちは、学校教育と共存しながら、オンラインのプラットフォームを活用することで、格差の是正をしたいと考えています。そしてそれは、人と人とをつなぐことで、感謝のスパイラルを生み出すこと、また働き手を増やすことにもつながっていると自負しております。

地域間の格差や家庭の経済状況による格差を極力抑え、夢に向かって努力をしたい受験生を質の高い教育で応援する……。コロナ禍で日本中に重苦しく暗い空気が流れる中、これからの教育に、明るい光を差し込んでくれるような、今回の取材となりました。