低FODMAP食について｜掲示板スレッド

専門外(脳外科)の医師という事をご理解の上、多少は素人に毛が生えたレベルとしてお聞き下さい。

多分、現時点で逆流性食道炎(GERD)に、低FODMAP食が有用であるという明らかなエビデンスはないはずです。

多分に患者さん自身の経験則、実地に基づいて個々に見つけてもらうという状態だと思われます。

つまり、

＞低FODMAP食にされて逆流性食道炎の症状が緩和された方

もいれば、良くならなかった方も実際にいるという事です。

つまり　

＞これが悉く高FODMAP食のようで落ち込んでいます。

と落ち込む事もなく、結果的に、その食事で実際のGERDの症状はどうなったかが重要という事です。

一番分かりやすく、理にかなった方法は、GERDにつながる可能性のある食品の排除です。

一例で言うなら、柑橘系食品、アルコール、コーヒー、辛い食事、油物、糖分、意外なところでミント類です。

ミント系は、よくあるGERDのクスリでそういったスーッとしたミント系のものがあるので、むしろ良いのでは？と思いますよね？

そもそも胃酸逆流のメカニズムはこうです。

口から摂取した食物は食道を通って胃の中へ入ります。通常は、胃へ入る際に、下部食道括約筋（LES）という筋肉が一時的に緩むことで、胃へ食べ物が流れていきます。
食事をしていない時はLESが収縮することで、食道に圧力がかかり（LES圧）、逆流を阻止しています。

が、LESの機能やLES圧が低下すると、胃酸の逆流が起こる訳です。

どうやらミントの成分は、アルコール、コーヒー、チョコレート同様、LES圧を下げる作用があるようなのです。

ですからお薬でスーッとする成分はそう言う作用のないものが、ムカムカ感の解消として入っているのだと思います。

しかし、これらの食品を抜けば改善するか？するはずだよねーというのが現状で、上述した通り、それが有用であると言うエビデンスになる程のデータや調査はおそらくされていない。ただ、抜いて悪化する要素はないのでまず試すと良いと思います。

そして重要なのが食べ方を考える。

寝る前の食事を控える、コレはいくつかの実験で、就寝前3、4時間前に食事を終えると、胃酸のph上昇、症状改善が確認されています。

意外に就寝前4時間空けると言うのは実践されている方が少ない上に効果的なのでまずは一番のおすすめです。

加えて、食事の1回量を減らし、回数を増やす、これは実際にGERDの症状改善だけでなく、血糖値コントロールやダイエットにも有用で一石三鳥です。

そしてその次に来るのがようやく低FODMAPで、脂質や炭水化物の摂取割合、種類がGERDに与える影響の科学的根拠がまだない状態ですが、どうやら、食物繊維の摂取がGERD症状を緩和しそうだ、機序はよぅわからんけど、というくらいの段階だと思います。

ですから、あまり落ち込まず、いろいろ良さそうな事を試してください。

私はGERD起因で、食道がんをやっています。しかも噴門部という胃との繋ぎ目のような厄介な場所にできるバレット食道がんというやつでした。

基本的にGERDは薬を使ってで良いのでまずは症状を改善させて下さい。その上で、色々試してくださいね。

後はもちろんピロリ除菌と胃カメラ。

ちなみに私は除菌の後でガンをやっています。やはりカメラに勝るものはありません。

お大事に。