女子美の中高大連携授業
国立大学の存在意義とは?
指定国立大以外の国立大学の存在感が薄すぎる。
その存在意義とは?
◆ 群馬大学が興す産学共創と地域協働
窪田 健二 (くぼた・けんじ)
群馬大学 理事(研究担当) /副学長
産学連連携ジャーナル
群馬大学は、北関東を代表する総合大学として、「知の探究、伝承、実証の拠点」として、「次世代を担う豊かな教養と高度な専門性を持った人材を育成すること」、「先端的かつ世界水準の学術研究を推進すること」を基本理念に掲げ、教育や研究、社会貢献などの活動を推進している。この中で学術研究成果の伝承、実証の拠点として地域・社会を活性化するために、産学連携などを通して社会貢献を行ってきた。また、昨今の環境、地域・社会ニーズに応えるべく、この4年の間に研究推進の中心となる研究・産学連携戦略推進機構の改編を中心に、四つの研究・教育センターの設置、金融機関との新たな連携体制の構築などの取り組みを行ってきた。
研究・産学連携戦略推進機構の試み
研究・産学連携をより強力に、かつ効果的に推進していくために、それまでの研究・産学連携戦略推進機構を2016年に整理・改編した。この改編により、実効的な組織対組織の産学連携体制の構築に向け、群馬大学研究・産学連携推進機構を発足させた(図1)。本機構のミッションは、優れた研究成果を生み出すための体制を強化し、そこに関わる人材を育成し、また知的財産の管理・運用などを円滑に行い、本学の研究の一層の高度化とその成果を広く社会に還元することである。
そのために、全学的な研究戦略の策定と研究環境整備を行う「高度研究推進・支援部門」、研究者および研究支援者の育成を担う「高度人材育成部門」、知的財産の管理活用およびリスク管理を担う「産学連携・知的財産部門」の3部門に再編した。また、これら3部門を統括する「研究・産学連携戦略本部」を設置した。さらにURA室(現研究企画室)を本部に設置することで、それらが有機的に連携して、研究の推進から成果の社会実装までを組織的支援の下に行うことができるようになった。これにより、産業界との資金・知財・人材の好循環を確立していくことを目指している。
・数理データ科学教育研究センターと食健康科学教育研究センター
教員組織を一元化した学術研究院の体制を基に、将来的な社会との協働・連携の拠点構築および教育研究の核となる組織構築を機動的に進めるべく、2017年に「数理データ科学教育研究センター」、「食健康科学教育研究センター」を全学共通組織として設置した。数理データ科学教育研究センターは近年、期待される超スマート社会(Society 5.0)の基盤を支える情報数理およびデータ科学などの情報学分野の教育を行い、これらの素養を持った人材の育成および研究推進を図ることを目的として設立した。センターでは数理データ研究のみならず、「ぐんま数理データサイエンス教育プログラム」や「群馬大学STEM教育プロジェクト」など、教育プロジェクトを通して地元自治体との連携を図り、データサイエンスの教育研究も推進している。
また、農業県であるにもかかわらず本県には農学部がなかったことに対する地元ニーズに応えるために、食健康科学教育研究センターを設立した。農作物の6次産業化や、機能性食品などの食品の高付加価値化、併せて、食に関連した健康増進に関わる研究を推進することを目的としており、各分野の教育を学生・社会人に提供し、実務家および研究者を養成する。食健康科学教育研究センターでは、食品産業と食にまつわる健康についての個々の研究以外にも、センター独自の重点プロジェクトとして、地元needs-oriented(需要指向)な研究を推進し、地域の企業・自治体との連携の下にその成果を上げつつある。
◆経済産業省、若手ITスーパークリエータ16人を認定
経済産業省
経済産業省は突出した能力を持つIT分野の若手人材に与える2018年度のスーパークリエータに、静岡大学大学院総合科学技術研究科情報学専攻 修士2年の黒田和矢さん(23)、奈良先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科博士後期課程2年の清川拓哉さん(25)ら16人を認定した。
経産省によると、2018年度に採択したクリエータ27人の中から特に卓越した能力を持つと認められた16人をスーパークリエータに認定した。
黒田さんは深層学習によるAI実況プレイ動画を生成、清川さんはリクルート住まいカンパニーの友近圭汰さん(25)とともに、認識AIを迅速に賢くするフレームワークの構築で成果を上げた。
経産省と情報処理推進機構は2000年度から突出したIT分野の能力を持つ若手人材を発掘、育成する未踏IT人材発掘・育成事業を進めており、2017年度までに約1,700人のクリエータを輩出している。そのうち、特に優秀と判断された人材がスーパークリエータに認定されている。
その他のスーパークリエータは次の皆さん(2019年5月24日現在の年齢・所属)。
玉津宗太郎(24・株式会社サイバーエージェント)、大坪新平(25・ウォンテッドリー株式会社)、片倉翔平(24・HCI Group at Hasso Plattner Institute,PhD Candidate)、小川広水(17・東京都立小石川中等教育学校6年)、山名琢翔(17・東京都立小石川中等教育学校6年)、玉田晃寛(25・LINE株式会社)、松井健(20・立命館大学 情報理工学部 情報理工学科2年)、山下琢巳(23・東京大学大学院 情報理工学系研究科 創造情報学専攻、株式会社Staked)、村松直哉(23・ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)、重光史也(24
イーソル株式会社)、桂大地(25・北海道大学 大学院 情報科学院 情報科学専攻)、須藤海(24・東京大学 大学院 総合文化研究科 広域科学専攻 博士後期課程1年、NatureArchitects株式会社、科学計算総合研究所)、谷道鼓太朗(26・NatureArchitects株式会社)。
◆ ブラックホールと同様の量子現象がバタフライ効果でも起こる? 静岡大学
静岡大学の森田健講師は、日常的にありふれた現象であるバタフライ効果において、ブラックホールで起こると考えられている量子論的な発熱現象が同様に起こりうるという理論予測を立てることに成功した。
ホーキングは1974年に、ブラックホールが量子論の効果により熱を持つことを予言した。この温度はホーキング温度と呼ばれ、量子論の効果の大きさを表すプランク定数に比例する式で表されている。温度がプランク定数に比例するということは、すなわち発熱現象が完全に量子力学的な効果に起因するという意味だ。
ブラックホールにおける熱的性質の起源は、現在も多くの謎に包まれており、これを解明することは現代物理学最大の課題の1つに挙げられている。量子論的な発熱現象についても様々な研究が行われ、ブラックホールの他にも、超音速流体や相対論的加速運動などにおいても起こることが解明されたが、かなり限られた状況で起こる特殊な現象であることに変わりはない。
一方、バタフライ効果は、わずかな変化でも時間が経つと非常に大きな影響を与える現象のことで、例えばコーヒーにミルクを注いだときのミルクの拡散や、山の上を転がるボールの運動などのように、私たちの身の回りで日常的に起こっている。
本研究は、このバタフライ効果が起こる際に、ホーキング温度と同様にプランク定数に比例する温度を持った発熱現象が起こりうることを予言するものだ。バタフライ効果における量子論的な発熱現象で発生する温度は非常に低く、これまで観測されることはなかったため、今後は実験的に確証を得ることが課題となるが、本研究から得られたバタフライ効果とブラックホールの関係は、ブラックホールの量子論的な性質の解明に役立つのではないかと期待されている。
◆長崎大学と静岡大学、性感染症の拡散を再現する数理モデルの構築に成功
ウイルス感染症数理モデル静岡大学長崎大学
長崎大学熱帯医学研究所国際保健学分野の伊東啓助教と山本太郎教授は、静岡大学工学部の守田智教授と共に、複雑ネットワークと母子感染を同時に考慮した性感染症の数理モデルを開発・発表した。
性感染症は主に、性感染と母子感染の2つのルートで感染が拡大される。これを踏まえた上で、性感染症の拡散を再現する数理モデルを構築できれば、効果的な拡散防止戦略を提案することが可能になると考えられる。
今回、同グループは世界で初めて、世代を超えて感染を広げる性感染症に対して、性接触の複雑なネットワークを踏まえて、性感染と母子感染を同時に考慮した拡散予測を可能にする数理モデルの開発に成功した。既存の研究で示された性接触頻度を数理モデルに導入したところ、一人あたりの感染者が生み出す2次感染者数の平均値(基本再生産数)は性感染に大きく影響を受けたが、意外にも母子感染はほとんど寄与しないことが明らかになった。この結果は、母子感染予防だけでは感染症の蔓延を抑制することができないことを示している。しかしながら、常に母子感染由来の感染者が存在するため、母子感染を防止することは無意味ではないことも数理モデルは同時に示している。
本成果により開発された数理モデルは、HTLV-1やHBVといったウィルス性の性感染症の拡散予測に役立つことが期待される。
◆ 生物の複雑適応システムの意外な進化機序 群アリロボットで解明
京都大学、九州工業大学、静岡大学の研究グループは、生物の「複雑適応システム」が進化する際、システムを補助する性質がシステムそのものに先立って生じるという、一見矛盾した新たな規則を発見した。
生物の進化では、時間とともに複雑さ(生物システムの構成要素数や要素間の関係性の多さ)が増していくという特徴がある。複雑さの増大は多くの場合、その生物システムの環境適応性と関連しており、これを「複雑適応システム」と呼ぶ。
複雑適応システムの典型例として、アリやミツバチに代表される社会性昆虫のコロニーがある。研究グループは、アリで見られる「道しるべフェロモンによる情報共有を介した集団採餌」を模した群ロボットを使って、どのように複雑適応システムが実現されているかの検証を試みた。
群ロボットは、道しるべフェロモンに対する反応システムだけではフェロモン上に集中し、渋滞や衝突が発生してしまう。そこで、採餌をうまく行うには「交通規則」(往路個体よりも復路個体を優先する)という調節メカニズムが必要となる。
このような根幹システム(道しるべフェロモン利用)と調節システム(交通規則)というシステムの階層性が、複雑適応システムの進化に関わっていると考えた研究グループは、群ロボットを生物のように適応進化させるシミュレーションを実施。すると、根幹システムよりも調節システムの進化が先立つという意外な機序がわかった。すなわち、まず調節システムだけを持つ群ロボットが進化し、その群ロボットの中から、根幹システムをあわせ持つことで複雑適応システムを実現する群ロボットが現れるのだという。
本成果は、生物システムが共通して示す「適応的な複雑さの進化」がどのように生じたのかについて、新規な理論枠組を提示するものといえる。
◆ 電力供給なしにトランジスタの電流を増幅、静岡大学などが成功
静岡大学の小野行徳教授らのグループは、日本電信電話株式会社、北海道大学の研究グループと共同で、電力供給なしにトランジスタの電流を増幅させることに成功した。新たな低消費電力デバイスの開発が期待される。
コンピュータの高性能化は、構成部品であるトランジスタの電流を、いかに少ない電力で増大させるかが鍵だ。従来の増幅法では電力供給が不可欠で、供給電力が発熱の原因となることが性能向上の阻害要因だった。
通常、物質中の電子は、電位の高い場所から低い場所へと移動し、等電位の端子間に電子は流れず電流は生じない。しかし、電子同士の衝突頻度が非常に高い特別な場合には、電子は流体のように振る舞い、近くに強い流れがあると、その流れに沿った新たな流れが生じる。この振る舞いは電子流体と呼ばれ、これまでは、ヒ化ガリウム(GaAs)などの一部の物質で、マイクロメートル以上の大きなスケールでしか観測されなかった。
今回、微細なシリコン内で生じる強電界を利用することにより、ナノメートルスケールのトランジスタにおいて電子流体を実現し、電位がゼロの接地した付加端子から電流を発生させ、これを利用したデバイスにより電流増幅に成功した。これは、ノズルから高圧で水や空気を噴出させるアスピレーター(ジェットポンプ)の原理を応用したもので、これまで困難と考えられていた電流増幅に伴う発熱の抑制も可能となった。
今回の実証実験は、90ナノメートル程度のサイズのデバイスを用いたため、8K(-265.15℃)の低温下で行われたが、さらに微細化することで動作温度の向上が期待できる。今後は、実用化に向けた室温動作の実証を目指すとしている。
◆ 沖縄本島南方沖でプレート間の固着域を発見、巨大地震の懸念 名古屋大学など
名古屋大学の田所敬一准教授、琉球大学の中村衛教授、静岡大学の安藤雅孝客員教授らの研究グループは、沖縄本島南方の琉球海溝沿いにプレート間が強く固着している場所(固着域)があることを海底地殻変動観測の結果から新たに発見した。
東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)や南海トラフの地震のような海溝型地震は、長年にわたるプレートの固着域が一気に破壊することで発生する。このときの海底面の動きが海水を持ち上げ、津波が生じる。海溝型地震の長期評価や津波の想定には、このプレート間の固着状況を面的に把握することが不可欠だ。
そこで、琉球列島よりも海溝に近い場所で地殻変動を測定するため、研究チームは、沖縄本島から約60km南方の水深2300~2900mの海域2カ所(琉球海溝からそれぞれ55km と70kmの地点)で約10年間海底地殻変動の調査を実施した。
この結果、両地点で沖縄本島に向かって動いていることが明らかになった。動きの大きさは、海溝に近い地点では6.3cm/年、もう1ヵ所では2.1cm/年だった。これらの動きは、陸側のプレートがフィリピン海プレートの沈み込みに引きずられて動いていることを意味し、プレート間固着の証拠となる。さらに、この海域に少なくとも長さ130km×幅20~30km(最大幅60km)にわたってプレート境界の固着域があることが分かった。この固着域は、次の地震に向かってそのエネルギー(ひずみ)を蓄えていると言える。
最近の研究で、1791年に沖縄本島南方の沖合でM8クラスの海溝型地震が発生し、与那原に11mの津波が押し寄せたことが報告されている。今回発見した固着域は、この津波を起こしたとされる領域と重なっており、将来的な海溝型地震と津波の発生が懸念される。




































