将来の選択肢が広がる学部合同説明会
【空間経済学】「東京の人材集積=新産業」という論理は成立するのか?
「東京圏には多様な人材・中間財・資本が集積しているため、新産業の勃興は東京の方が有利。
AIリストラで余剰となった人材も東京なら再配置される」と主張する投稿が繰り返されています。
しかし、「集積の経済がある」ことと、「新産業は東京で生まれる」ことは同義でしょうか。
産業によって必要な集積要素は違います。
特にフィジカルAIなら、半導体・センサー、ロボット、製造装置、工場・実証環境、電力、素材・部品、物流、現場データなど、物理的な産業エコシステムが重要です。
そもそも小学校で習った基礎的な産業立地の話をすれば、コンビナートを核に化学・素材・加工産業が集積することは周知の事実です。
それでも、「東京には多様な人材がいる」→「だから新産業は東京で生まれる」と言えるのでしょうか。
さらに、
AIリストラ → 余剰人材 → 東京で再配置 → 新産業勃興
という因果関係は、単なる「集積の経済」から本当に導けるのでしょうか。
理論名を挙げることと、その理論から結論が論理的に導かれることは別問題です。
「東京なら何とかなる」という結論を理論用語で飾っているだけではないのか。
この点を検証したいと思います。
◆内閣府の県民経済計算等で確認できる2023年度の実質経済成長率を見ると、
東京+0.5%
愛知+3.6%
福岡+2.2%
静岡+2.0%
宮城+1.7%
北海道+1.4%
大阪+1.2%
日本+0.7%
となっている。
東京の経済規模が大きいことは事実ですが、実質経済成長率では東京を上回る地域が複数あります。
もちろん、実質経済成長率だけでAI新産業の立地優位性を決めることはできませんが…
だからこそ、「東京圏がAIによる労働移動の受け皿として他地域より有利」「新産業の勃興では東京圏が圧倒的に有利」とまで主張するのであれば、東京の経済規模や人的集積とは別に、それを裏付ける具体的な比較データが必要です。
「集積しているから有利なはず」
これは、比較データではなく単なる仮説です。
例えば、今回の都道府県別GDPランキングで1位だった東京都は前年より3.9%増、2位の大阪府は3.8%増、3位の愛知県は2.6%増だった。とくに前年度から増加率が大きかったのは、京都府(6.9%増)だ。コロナ禍からインバウンドの回復によるところが大きい可能性がある。
また全国平均では3.3%増と、2020年の1.0%減、2021年の3.4%減と比べて、プラスに転じた。
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コロナ禍の影響が大きい年の成長率は当てにならない。
コロナが何の関係があるのでしょう?
「東京の成長率が低いから東京は不利」と主張しているわけではありません。
「東京圏がAIによる労働移動の受け皿として他地域より有利」「新産業の勃興では東京圏が圧倒的に有利」と主張するなら、その比較優位を示すデータを出してください、と言っているだけです。
そこにコロナを持ち出すのは、比較優位の根拠を示せないので、別の話に逃げているようにしか見えません。
コロナがあろうがなかろうが、「集積しているから有利なはず」は仮説のままです。






























