中学受験2023

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インタビュー企画

受験者数が激増した学校の特徴とは?

保護者の信頼獲得が鍵に

昨年に比べ受験者が増えた学校
男子校 高輪・獨協・日本大学豊山・明治大学付属中野・サレジオ学院など
女子校 大妻・実践女子学園・女子美術大学付属・玉川聖学院・山脇学園・カリタス女子など
共学校 開智日本橋・かえつ有明・淑徳巣鴨・青稜・多摩大学目黒・東京農業大学第一・日本大学第一・日大大学第二・法政大学など

上記のいくつかの学校を取材する中で、わかったことがあります。
コロナ禍で思うように学校説明会ができない中、上手く自校の魅力や教育内容を発信することができた学校に、保護者が信頼を置き、志願者を増やしたという点です。

実践女子学園、個別対応で信頼感

実践女子学園では、昨年の入試が第5回目の最終回でも1.2倍でした。ところが今年は6倍を超えています。
これだけの人気を集めたのは、学校見学会での対応にあると見ています。

校舎案内では、一家庭に一人の教員がつき、40分間校内を案内したそうです。8月17日からのべ2週間の実施で、290家庭にのぼりました。

吹奏楽部を希望する受験生には、音楽室へ連れて行くなど手厚い対応が喜ばれたとのこと。また、個別に案内することで保護者も物が言いやすくなり、学校に対する期待も不安も率直に打ち明けてくれたようです。そこで学校側も、丁寧な説明ができたので信頼感が生まれたのでしょう。

信頼感
山脇学園、LINE登録者数が3,000件!

山脇学園は、LINEでの情報発信が功を奏したようです。
毎週、生徒の学校生活での様子や行事など、学校のありのままの姿を伝えました。
9月の時点でLINE登録者数が2,000件になり、11月では3,000件を突破。学校はSNSの力を知ることになりました。

淑徳巣鴨、わが子の成長を思い描ける説明会

淑徳巣鴨で行われたライブ説明会では、必ず在校生や卒業生が登場しました。原稿などを用意して事前準備万端で参加するのではなく、ありのままの姿を見てもらおうと、その場で受け答えをするような内容だったようです。

保護者は「この学校に通えばこういう子になるんだな」というイメージを持てたとのこと。
淑徳巣鴨らしさを上手く伝えることができたようです。

獨協の「すべて」を伝える動画配信

獨協は、昨年5月と早い段階で学校紹介の動画配信を行ったようです。心がけたのは、説明会用の紹介ビデオのように編集をしないこと。獨協のすべてを見てもらおうと、出し惜しみはせずに伝えました。その心意気と午後入試の新設との相乗効果で受験者が集まったのでしょう。

動画配信

学校のアピール次第で受験者動向も変わる!

このように、コロナ禍の中でも学校が創意工夫を重ねて、どう自分たちの学校をアピールしていくのか、その違いによって受験者の動向が変わることがわかってきました。
来年もその傾向が続くものと思われます。

矢野 耕平

中学受験指導スタジオキャンパス代表、国語専科・博耕房代表
矢野 耕平(やの こうへい)

大手進学塾で13年間勤務の後、2007年にスタジオキャンパスを設立し、代表に。自らも塾講師として、これまで27年にわたり中学受験指導を行っている。
主な著書に『女子御三家 桜蔭・女子学院・雙葉の秘密』(文春新書)、『旧名門校VS.新名門校』(SB新書)、『LINEで子どもがバカになる』(講談社+α新書)などがある。