連載インタビュー 第1回 都立小石川中等教育学校
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東京府立第五中学校と小石川高校が「都立小石川中等教育学校」として生まれ変わったのは2006年。両校の伝統を脈々と受け継ぐ一方、「小石川教養主義」や「理数教育」の強化など新たな柱を加えグローバルなキャリア教育を提供する。「小石川教養主義」から育まれる生徒像とは何か。どのような特色を打ち出しているのか。栗原卯田子校長に話をうかがった。
【第1回】『小石川教養主義』・『理数教育』・『国際理解』の3つを柱としたキャリア教育
インターエデュ(以下、エデュ):学校の教育方針について教えてください。
栗原卯田子校長(以下、栗原校長):
本校は、府立五中創立以来連綿と受け継がれてきた「立志・開拓・創作」を校是とし、「自主・自立」の精神を大切にしています。自分で志を立てて、自分で切り開いていく。この校是を心臓部としたうえで、3つを柱としたキャリア教育を進めています。
1つ目は「小石川教養主義」と呼ばれているものです。1年から読書活動、言語活動、探究活動を重視し、3年、4年では全生徒が「小石川フィロソフィー」(課題研究)に取り組みます。
広く深い知識に裏付けられた教養を重視し、全員が全ての教科・科目を学び、理系文系には分けません。6年間のキャリア教育全体計画に基づいて、6年では大学受験に対応した進学指導に切り替えます。
2つ目は「理数教育」に力を入れていることです。文科省からSSH(スーパーサイエンスハイスクール)の指定を受けているほか、コアSSHの指定も受け、日本学術会議、大学、研究所、海外の理数系教育重点校などと連携し、さまざまな活動をしています。
3つ目は「国際理解」です。世界で活躍できるよう英語教育にも力を入れています。授業を通してほぼ全員が中2で英検3級、中3で準2級を取得できますので、英語をツールとするグローバルな教育を展開します。
エデュ:「小石川教養主義」は、どのようなものなのでしょうか。
栗原校長:教育面で特に力を入れているのは「言語活動」と「探求活動」です。
与えられたことを学ぶのは当たり前、本校が求めているのは考えたことを日本語で言葉にして発表するということです。
題材は新聞であったり、インターネットであったり、さまざまなメディアを通して自分に得られる情報から、自分の考えを導き出し、そして発信する。本校では中学1年からこうした力を身につけるよう指導しています。
「探究活動」としては、課題研究「小石川フィロソフィー」で深く掘り下げる作業を行っています。生徒自身でテーマを決め、研究し、最終的には論文を作成します。担当の先生にサポートしてもらいながら、学校だけではできない研究については大学や企業に協力を求める場合もあります。生徒の「やりたい」と思う気持ちに制限をかけず「とことんできる」。それが小石川の魅力であるともいえます。
⇒第2回「日本だけでなく世界を見据えた理数教育」
都立小石川中等教育学校 | |
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最寄駅 | 都営三田線「千石」JR山手線・都営三田線「巣鴨」・JR線「駒込」 |
TEL | 03-3946-7171 |
URL | http://www.koishikawachuto-e.metro.tokyo.jp/cms/html/top/main/ |