連載インタビュー 第2回 都立小石川中等教育学校

『小石川教養主義』・『理数教育』・『国際理解』3つを柱としたキャリア教育

inter-edu's eye

東京府立第五中学校と小石川高校が「都立小石川中等教育学校」として生まれ変わったのは2006年。両校の伝統を脈々と受け継ぐ一方、「小石川教養主義」や「理数教育」の強化など新たな柱を加えグローバルなキャリア教育を提供する。「小石川教養主義」から育まれる生徒像とは何か。どのような特色を打ち出しているのか。栗原卯田子校長に話をうかがった。

【第2回】日本だけでなく世界を見据えた理数教育

エデュ:理数教育については日本だけでなく世界を見据えた教育を展開しているそうですが、どのような取り組みでしょうか。

栗原校長:これまでもSSHの指定校としてさまざまな取り組みを進めてきました。平成23年度には、「科学的思考力、自己学習力、コミュニケーション力を高め、国際社会に活躍するリーダーを育てる教育の研究開発」というSSHの研究主題の下で、特に理数に高い興味・関心を抱く後期課程の生徒を対象に「国際的視野を持った理数系人材を育てる教育の在りかたの研究 ~サイエンスに関わるグローバル・マインドの育成~」という研究テーマで、コアSSHの指定を受け、海外の理数教育重点校との連携において様々な成果を上げました。

コアSSH「海外理数系授業体験プログラム」

たとえば、国際的に通用する大学入学資格を取得できる「国際バカロレア」の理数教育プログラムの体験があります。生徒たちは、オーストラリアに2週間滞在しながら実験や理論などを学びます。世界各国から学生が来ますから、その中でディスカッションしたり、実験したりして授業を受けます。もちろん英語で授業を受けるので、オーストラリアに渡る前から、英語による授業準備の学習を行います。今年も本校から15人の生徒がオーストラリアに行きました。

このように好奇心の高い生徒たちの個性と能力を伸ばすのが私たち学校の役目だと思っています。

こうした世界に目を向けた指導が少しずつ実を結び、世界の高校生を対象にした「国際物理学論文コンテスト」で入賞したり、「全国物理コンテスト」や「日本生物学オリンピック」の全国大会に出場したりするなど、輝かしい成績を残しています。

エデュ:このように世界の舞台で活躍するには英語力が欠かせないと思いますが、英語教育はどのようにして力を入れているのでしょうか。

栗原校長:入学する前から英語を学んでいるという生徒は少ないと思います。ほとんどが入学後から英語を学ぶのですが、生徒たちの成長を一番感じるのは中学3年の夏に行われるオーストラリア語学研修です。

ホームステイ  ホームステイ

1学年160人がオーストラリアでホームステイするのですが、1家庭に1人なので、生徒は英語で話さないと生活できない環境に置かれます。2週間、平日は学校に通い、週末はホストファミリーと一緒に過ごします。英語しかない世界なので嫌でも自立しなければなりません。ホストファミリーとコミュニケーションをとるためにも洗濯したり、掃除したりお手伝いをしなければなりません。そこで自分の両親に対する感謝の心も生まれます。こうして交流する中で語学力が身に付くだけでなく、自立する心も大きく成長します。日本に帰ってきたときの顔つきは全く違っています。

⇒第3回「小石川の教育カリキュラムや学校生活」

都立小石川中等教育学校
都立小石川中等教育学校
所在地 〒113-0021 東京都文京区本駒込2-29-29
最寄駅 都営三田線「千石」JR山手線・都営三田線「巣鴨」・JR線「駒込」
TEL 03-3946-7171
URL http://www.koishikawachuto-e.metro.tokyo.jp/cms/html/top/main/
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