三位一体の手作り教育で子どもたちを育てる 和光小学校

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第31回では東京都世田谷区にある和光小学校校長の北山ひと美先生にインタビュー。閑静な住宅街が並ぶ世田谷でどんな教育を行っているのか、育てたい子どもたちの理想像などをうかがってきました。

和光小学校の「三位一体」教育とは?

カリキュラム作りに親も参加

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和光小学校校長 北山ひと美先生。

エデュ:まずは貴校の教育の特徴を教えてください。

北山先生:本校は1933年に自由な環境の中で、個性重視の教育を求める親御さんたちの「子どもを主人公にした学校を創りたい」という思いから誕生した学校です。そのため教師だけでなく、親御さんも一緒に子どもたちを育てていく、「三位一体」の教育を行っているのが特徴です。

たとえば、10年に一度教育課程を自主編成していますが、必ず親御さんたちにも見てもらい、説明しています。一例ですが、外国語教育に詳しい親御さんから、「ここはこうした方がいいのでは?」という意見が出たりします。また、月に1回親御さんたちとクラスの担任が話し合う「親和会」(PTA)があります。クラスの中の子どもたちの関係、授業の様子について話し合っていきますが、どうすれば子どもたちが学びやすい環境を作れるのかを真剣に考えています。

エデュ:教育課程を自主編成されているということですが、どのような教育内容なのでしょうか?

北山先生:本校では3つの領域で教育課程を作っています。1つ目が国語、算数、音楽などの「教科教育」。2つ目が行事や自治活動などの「教科外活動」。3つ目が「生活べんきょう・総合学習」です。

この3つの領域は分かれているのではなく、それぞれに重なり合い、子どもたちの知的好奇心を刺激し、さらに仲間とともに学び合うことの意味を子どもたち自身が感じ取りながら日々の学校生活を送ります。

言葉と文化、実体験を通して学ぶ

充実の外国語・英語教育プログラム

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エデュ:貴校は異文化国際理解教育にも力を入れているとうかがっていますが。

北山先生:そうですね。本校には総合学習の中に、「異文化国際理解教育」という領域を位置づけています。この学習では、3年生は英語と韓国語、4年生は英語と中国語、そして5年生、6年生では挨拶や自己紹介、場面ごとで使う英語を、直接交流を通し学んでいきます。日中韓三カ国交流では韓国のミㇽアルドㇾ学校、中国のグリーンタウン小学校と姉妹校締結をして、学校間文化やお互いのホームステイ交流を十数年続けてきています。

交流を通して、それぞれの国の言葉や文化に興味を持ち外国語として日本語と似ているところ、ちがうところを学ぶなど、言語としての外国語に関心を持つことをめざしています。

エデュ:実体験を通して学んでいくということですね。子どもたちに人気のある行事を教えてください。

北山先生:1つ目は「運動会」です。本校の運動会はリーダー学年の6年生が中心となり、縦割りで行われます。勝つためにはどうすればいいのか。そしてハンディキャップを持った子どもたちがどうやったら参加できるのかも考えます。子どもたちが自分で考え、実行に移すことで自治の力を育てることを目的とした行事になっています。

2つ目は「いちょう祭り」です。午前中の「まつりの広場」で2年生は「生活べんきょう」で種から育てた麦を使って作ったパンのお店を開きます。3年生は自分たちが育てたカイコの繭玉を使った繭人形を出すなど、各学年自分たちが学んだ成果を見せる場になっています。午後は「おどりの広場」を開きますが、これは各学年が現地の保存会の人から学んだ、日本各地の民舞を発表する場になっています。

どちらのイベントも子どもたちだけではなく、教師と親御さんが一緒になって楽しむことができます。見学に来られる際には行事の内容だけでなく、子どもたちの表情にも注目してほしいですね。

和光小学校が考える「生きる力」とは?

これからの社会を生き抜くために

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エデュ:現在、共働きのご家庭が増えていますが、何かサポートとして行っていることはありますか?

北山先生:1年生から6年生までが在籍できる「学童クラブ」があります。普段は16時50分まで利用できますが、18時30分まで延長もでき、指導員が付き添って駅まで送ります。また、休日に行事を行ったときの代休の日も利用できますし、共働きのご家庭でなくても利用することができます。

エデュ:共働きのご家庭以外でも利用できるのですね。親御さんから見た貴校の強みとは何でしょうか?

北山先生:「生きる力」を身につけられることだと思います。本校が考える「生きる力」は競争を勝ち抜く力ではなく、子どもたち自身が学習や生活、社会に主体的に関わっていく力だと考えています。先ほどお話しした3つの領域での学習を通し、「生きる力」を身につけていってくれたら嬉しいです。

エデュ:最後にこれから行ってみたい取り組みを教えてください。

北山先生:まだ漠然としていますが、同敷地内にある幼稚園とつながりを深めていけるようなキャンパス作りをしていきたいと考えています。幼稚園と小学校のつながりというと、小学校に上がるための教育を幼稚園で行うイメージがあると思います。でも、そうではなくて、幼稚園は幼稚園、小学校は小学校として9年間を見通した教育を行っていきたいと思っています。
あとは各教科や総合学習、教材ももっと充実させていきたいです。

エデュ:北山先生ありがとうございました。

和光小学校データ

学校名 和光小学校
URL: http://www.wako.ed.jp/e/
男子・女子・共学 共学
所在地・アクセス 〒156-0053 東京都世田谷区桜2-18-18
小田急線「経堂駅」より徒歩12分、東急田園都市線「用賀駅」よりバス
制服の有無
給食の有無

編集部から見たポイント

北山先生のお話から、とても丁寧な教育を行っているなと感じました。学校と密接に関わりながら、じっくり子どもを育てていきたいご家庭は一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

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