eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【日本大学高等学校・中学校】ICT教育推進の手応えを語る

 
ICT教育の先進校として昨年度は全国から20校あまりの視察があったという日本大学高等学校・中学校(以下、日大中高)。そのICT教育推進を担当される田中忠司先生が、日本最大級の教育関連展示会「教育ITソリューションEXPO」で講演をされたと聞き、お話をうかがってきました。

田中忠司先生

田中忠司先生は、ICT推進のご担当であるとともに英語科教諭でいらっしゃいます。

 

3年目に入った日大中高の「classi」活用に関心が集まる

 

2018年5月に開催された同展示会には、教育関連の企業約700社が出展、そして全国の小学校から大学、教育委員会、塾などの教育関係者30,000名以上が来場したそうです。
そんな大盛況の中、田中先生は「classi」のブースにて、日大中高でのclassi活用例について講演されました。タイトルは「本校におけるclassi導入のBefore→After」。日大中高では3年前よりICTの導入に力を入れ、現在は全生徒・全教職員がタブレットPCを所持し「classi」を活用しています。

「classi」は、インターネットを用いた先生・生徒・保護者がつながる学習支援ツールです。授業のほかに家庭学習に使用したり、生徒一人ひとりの成績をデータ管理、それを保護者との面談に活用したり、また、連絡ツールとしても使われます。

 

講演

立ち見が出るほどの関心を集めた日大中高の講演。

― 講演のタイトルでもあった活用のBefore→Afterは何でしょうか。
 
田中先生:授業のスタイルはもちろん、学校全体の雰囲気が変わりましたね。うちの生徒はもともと明るくて元気でしたが、さらに活発になった気がします。また、学校からの行事に関する告知や、学校生活の1コマなどを「classi」に載せることにより、保護者の皆さんが以前より学校へ関心を持ってくださり、保護者→教師→生徒→保護者…のサイクルがスムースになりました。これらが大きな変化です。

 
― 生徒たちが活発になったというのはどういうことでしょうか。
 
田中先生:本校は運動部のイメージが強かったと思うのですが、タブレットの使用で文化系部活動の発信力が上がりました。従来、文化部の活動は文化祭ぐらいしか発表の場がなかったのですが、今は活動のようすや、コンテストの結果などをアップロードしています。部活動以外でも同様に隠れていた生徒のパワーが表に出てきたという感じです。
いろいろなタイプの生徒が積極的に自己表現するようになったことで、生徒全体に活発さが見受けられるようになりました。

 

ICTツールは道具に過ぎない。その先で何を提案できるかだ

 
― これからのICT教育についてどうお考えでしょうか。
 
田中先生:私は本校でのタブレット導入前に、ICT教育の視察でニュージーランドに行ったのですが、その時驚いたのは現地では幼稚園でタブレット、小学校でChromebook、中学校以上ではMacBookが子どもたちに支給されていたことです。そういったICT教育先進国に比べると、日本はここにきてようやく端末が一人一台になったかならないか…。また、プログラミングの教育に関しても中国をはじめ、アジア各国の教育は日本より数段先を行っているといった状況です。

ICTはツールに過ぎませんが、ツールが使いこなせて初めて説得力を持つのです。世界を相手にプレゼンテーションが求められる生徒たちには、その提案の良し悪しの前段階、表現力で足切りされることのないよう、ICTツールを自在に操れるようになり、社会に出ていってほしいと思います。
そのためにも教える側は、使い方、その効果、リテラシーを含めて充分に把握し、そしてブラッシュアップを重ね、生徒たちを指導しなければならないと考えています。

 

英会話の授業

タブレットを使った英会話の授業。

タブレットを用いた授業

教育実習生も日大中高のスタイルに合わせ、タブレットを用いて授業を行っていました。

校外学習

校外学習ではメモのようにタブレットで撮影。レポート作成時に使用します。

 

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大学でも課題の提出はオンラインになっているなど、高校卒業までにICTスキルを身につける必要がある中、教える側のスキルアップも課題ですが、大学の教職課程におけるICT教育への取り組みなど、日本のICT教育のさらなる進歩に期待したいところです。

 

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★日本大学高等学校・中学校

 

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