都内中学受験は今や「都立」が主役へ

2017年度都立中入試は、区立九段中等区内枠を除く一般入試で受検者総数8,573名となり、昨年度と比べ受検者数が減少しました。倍率も0.33低下していますが、東京都小6生の約10人に1人が受検する状況は変わっておらず、下がったとはいえ倍率約6倍の激戦です。

さらに、都立中特有の適性検査の対策を十分に行った「都立中を第一志望とする」受検生による競争となっている点、および御三家中をはじめとする私立難関中受験生の都立中併願が増えている点を考えると、都立中受検生数・倍率の低下が入試難度を下げているとは言えず、むしろ年々高まっていると予測されます。

■過去2年間の受検者数推移(帰国・特別・区立九段中等区内枠除く)

項目 2016年度 2017年度
受検者数男子 4,191 3,977
受検者数女子 4,855 4,596
受検者数合計 9,046 8,573
合格者数男子 741 743
合格者数女子 737 738
合格者数合計 1,478 1,481
合計実質倍率 6.12 5.79

伸び続ける国公立合格実績

都立中は2011年の白鷗中1期生大5名合格以降、毎年優れた大学合格実績を残しています。2017年度都立小石川中では東大合格14名(前年度14名)、東大・京大・一橋大・東工大の難関4大学合格31名(前年度24名)、都立大泉中では東大6名(前年度1名)、難関4大学合格15名(前年度5名)と大躍進しています。都立高に比べ定員が少ないので(日比谷高317名に対して小石川中160名、大泉中120名)合格率で比較することが必要です。都立中は6年前の中学入学者が2017年度実績を出しているので、都立中ブームが盛り上がっている昨今の入学者が卒業する6年後には、今の倍以上の合格者を輩出するでしょう。こうした大学合格実績のよさ、今後への期待が、優秀生の都立中受検増につながっています。

国公立大学合格率一覧
学校名 難関9大学
合格率
難関9大学 国公立大
現役合格率
国公立大
合計
卒業生数
東大 京大 一橋大 東工大 旧帝大
5校
合計
西 25.0% 27名 14名 10名 10名 21名 82名 27.4% 162名(90名) 328名
日比谷 24.3% 45名 8名 9名 5名 11名 78名 31.2% 158名(100名) 321名
1位小石川 24.0% 14名 6名 5名 6名 6名 37名 39.6% 81名(61名) 154名
1位国立 22.5% 17名 6名 26名 9名 25名 83名 32.2% 201名(119名) 369名
戸山 14.6% 10名 5名 14名 7名 16名 52名 32.5% 158名(116名) 357名
1位立川 14.1% 2名 5名 7名 5名 25名 44名 27.2% 154名(85名) 312名
1位八王子東 12.2% 2名 - 7名 9名 20名 38名 38.6% 185名(120名) 311名
1位南多摩 11.0% 3名 - 4名 4名 5名 16名 28.3% 47名(41名) 145名
1位武蔵(都立) 10.9% 6名 2名 3名 4名 6名 21名 29.7% 73名(57名) 192名
桜修館 10.3% 2名 2名 6名 2名 4名 16名 25.2% 50名(39名) 155名
1位青山 10.1% 6名 1名 6名 7名 9名 29名 20.3% 85名(58名) 286名
1位大泉 9.4% 6名 4名 3名 2名 3名 18名 28.1% 64名(54名) 192名
1位両国 8.1% 4名 - 5名 2名 4名 15名 28.5% 65名(53名) 186名
1位区立九段 7.7% 2名 1名 3名 2名 3名 11名 26.8% 44名(38名) 142名
1位三鷹 5.3% 2名 - 2名 - 4名 8名 25.7% 50名(39名) 152名
1位立川国際 4.1% 1名 2名 1名 - 2名 6名 24.1% 45名(35名) 145名
1位富士 3.1% - - 3名 3名 - 6名 19.9% 52名(38名) 191名
1位白鷗 2.2% - 1名 2名 2名 - 5名 20.8% 53名(47名) 226名
武蔵(私立) 33.7% 32名 2名 10名 8名 5名 57名 26.6% 80名(45名) 169名
1位桐朋 18.5% 8名 5名 20名 11名 17名 61名 20.1% 132名(66名) 329名
豊島岡女子学園 15.5% 21名 9名 3名 11名 8名 52名 32.5% 149名(109名) 335名
巣鴨 11.2% 12名 2名 1名 2名 12名 29名 11.6% 90名(30名) 259名
国公立大学合格率一覧

●合格率は、各項目の合計を卒業生数で割ったものです。
●合格者数は各校のホームページおよびena調査等によるものです。

※No.1の表記は、2017年度入試でenaが合格者数No.1となった学校を示しています(両国は中学入試、桐朋は高校入試のみ)。
※上記の表は、難関9大学への合格率の順に表記しています。
※旧帝大5校の数字は北大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大の合計数です。
※国公立大合計の( )内は現役数を示します。
※ピンク色で示した部分は、比較のための参考として、私立高校の合格者数を掲載しています。
※上記国公立大合計は大学校を含むため、スクールガイド掲載の各学校の国公立大合計と数値が異なる場合があります。

東京の中学受験は「都立の時代」

2020年の大学入試改革に向けて、さらに都立中人気は増していくでしょう。時代の要請に都立中入試が合致しているからです。現代社会はアカウンタビリティー(説明責任)、ディスクロージャー(開示)、プレゼンテーション、有言実行など日本語能力が問われる時代です。都立中の作文や記述問題こそ、21世紀を視野に入れた、そしてそれゆえに2020年大学入試改革に合致したあるべき入試です。だから都立人気なのです。
都立中の、あるいは2020年大学入試改革の難関突破には、従来の一斉授業型の塾では歯が立ちません。作文、記述式問題にはいろいろな正解があるのですから、少人数クラス編成による机間巡視型個人指導こそ必要です。たとえばenaの小6生は年間100本以上の作文演習を行います。他塾では都立中に合わせたそれだけの作文指導はありません。それゆえ他を圧する都立中合格者数、48%の合格占有率があるのです。私立中高がメインの受験塾で都立中を目指すのは「木に縁りて魚を求む」です。ぜひenaにお任せください。

適性検査型入試を行う私立中の増加

近年、都立中の入試科目(適性検査、作文)に合致させた入試を行う私立中が増加していますが、2017年度中学入試の重要なトピックスとして、その数がさらに増加したことが挙げられます。都立中型入試を行う私立中は全都内私立中181校に対して86校(一部都近隣私立中も含む)に増加しています。その中には2017年度から都立中型入試を始めた明治大学中野八王子もあります。合格ラインも、折からの私大文系人気もあり、近隣の都立南多摩中を上回ったと考えられます。明治大学中野八王子は卒業生の80%以上が明治大学に無試験入学できるので、南多摩中の合格ラインを超える十分な理由があります。宝仙学園理数インターのように東大合格者を輩出し、授業料免除の特待生を募集する都立中型入試実施校もあります。都立中志望者は今までのように「都立がだめなら公立中」ではなく、今後さらに選択肢を増すものと思われます。

適性検査型入試を行う私立中一覧(東京都の学校を中心に抜粋)
足立学園 佼成学園 玉川聖学院 日本工業大駒場
郁文館 佼成学園女子 多摩大学附属聖ヶ丘 八王子学園八王子
上野学園 駒込学園 千代田女学園 日出
桜美林 駒沢学園女子 帝京八王子 富士見丘
大妻多摩 桜丘 貞静学園 藤村女子
大妻中野 品川女子学院 東海大菅生 文化学園大学杉並
小野学園 十文字 東京家政学院 宝仙学園理数インター
開智日本橋学園 淑徳SC 東京女子学院 明治大中野八王子
かえつ有明 城西大附属城西 東京女子学園 明星
神田女学園 聖徳学園 東京純心女子 目黒学院
共栄学園 女子聖学院 東京成徳大学 目黒星美
共立女子 白梅学園清修 東星学園 安田学園
共立女子第二 聖学院 桐朋女子 横浜
京華学園 星美学園 東洋大京北 立正大付属立正
工学院大学 聖望学園 トキワ松学園
光塩女子学院 成立学園 日本学園

2020年度導入「大学入学共通テスト」

2020年大学入試改革と呼ばれる、センター試験に代わる新テストについて、2017年4月、各報道機関よりその原案が紹介されました。さらに5月には「大学入学共通テスト」としての実施が報じられました。英語では「聞く・読む・書く・話す」の4技能を評価する問題、国語の記述は80~120字程度の問題を含め数問、数学でも記述問題を出題するなど、マークシート式のみのセンター試験では測れなかった力を、新テストでは測ろうとしています。
これは文部科学省の「高大接続改革プラン」に基づいたものです。これによると、十分な知識と技能、それらを基盤にして答えが一つに定まらない問題に自ら解を見いだしていく思考力、判断力、表現力等の能力、これらの基になる主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度を重視すべきとしています。

このような改革が行われることは、都立中の人気、適性検査型入試を実施する私立中の増加につながっています。なぜならば、適性検査で求められる力は、大学入試改革で重視される記述力、思考力、表現力などに他ならないからです。都立中は教育目標に「リーダーの育成」を掲げており、知識重視型のテストではなく、作文を含めた適性検査という形式で記述力や思考力を問う入試を行っています。適性検査は未来につながる力を問うものであり、今後ますます時代に合致したものになります。

私立中が適性検査型入試を行うのも、都立中の併願としてという意味だけではなく、今後求められる実践的な力を中学入試で問うためだともいえるでしょう。2017年度入試で、共立女子が適性検査型入試を都立中と同日の2月3日としたのは、都立中の併願としてではなく、未来につながる入試として適性検査型入試を独立させたいという意志が感じられます。今後2月3日に適性検査型入試を実施する私立中が増加する可能性もあります。

2020年の大学入試改革は、「都立の時代」がくることを早くから訴求してきたenaの指導方針が正しかったことを証明するものです。enaはこれからも、都立中合格実績No.1の指導で受検生の志望校合格をサポートします。

2020年度導入「大学入学共通テスト」に向けて