私立中学校の給食に集約される様々な取り組み

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駒込中学校・高等学校は、私立中学校としては珍しい給食制の学校です。前回の保護者からも大好評!私立中学校の給食が持つ意味とは?に引き続き、駒込中学校・高等学校独自の給食に集約される様々な取り組みについてのお話をご紹介します。

食事を作ってくれた人に感謝する心

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駒込中学校では「給食」を行うにあたり、食前観と食後観をクラス全員で大きな声で唱えます。

「我今幸いに、仏祖の加護と衆生の恩恵によって、この清き食を受く、謹んで食の来由をたずねて、味の濃淡を問わず、その功徳を念じて品の多少を選ばじ。『いただきます!』」

こうして目の前の食事を作るのに関わった人々のことを考えて、味が濃いとか薄いとか、品数が多いとか少ないとか言わずに、感謝の気持ちをもっていただきます。

また、食後は「我今この清き食を終わりて、心豊かに力身に満つ。願わくばこの心身を捧げて己が業にいそしみ、誓って四恩に報い奉らん。『ごちそうさまでした!』」を唱えて、四恩、つまり食事をいただけたことに対する様々な恩に、恩返しをしようという気持ちで締めくくるのです。

メニューに関しては給食の委託業者さんが定期的にアンケートをとって、生徒たちのリクエストを聞いたり、先生たちが中学時代の給食の思い出を記事にしたりして、メニューに反映させています。最近では、昔よく食べていた揚げパンが食べたいという先生からのリクエストもあって、それを加えたメニューが登場するようになりました。そして、先月のハロウィンでは、それに因んでカボチャの料理やスイーツが生徒の目を楽しませてくれました。一方で、なかなか手をつけてくれない野菜を食べてもらうために、いろいろ工夫をこらしながら偏食を防ぐ取り組みも行っています。

食、そして親に感謝する取り組み

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中1では7月に長野県菅平高原で林間学校を行います。その際に食に関する体験を2つ行います。一つは飯ごう炊さん。そしてもう一つが農村体験です。

飯ごう炊さんでは、もっともベーシックな料理の一つであるカレーライスを作ります。男女一班7~8名で構成して、調理する係や火を起こす係など各自で役割分担を決めて取り組んでもらいます。にんじん、タマネギ、ジャガイモなどを包丁を使って切る作業、お米をといでしばらくしてから火にかける作業、種火に小枝を重ねて火が大きくなってきてから薪をくべていく作業。これらは、誰でもできる当たり前の作業のはずですが、現代の中学生にとっては当たり前ではありません。お米に水を入れずにいきなり火にかけたり、種火の上にどんどん薪を重ねて消えそうになると、今度は思い切り扇いで灰を巻き上げてしまい、それがカレー鍋の中へ…。これで普段いただいている家庭のカレーがどれだけ美味しいのか、またカレーでさえこんなに苦労するのだから、普段どれだけ大変な思いをしてお母さんは食事を用意してくれているのかを身をもって体験してもらえたはずです。できあがった灰入りのカレーライスは当然、その班の夕食になりました。

翌日に行う農村体験も班別行動として、農家の方と一緒に農作業を行います。班によってブルーベリー、椎茸、ジャガイモ、タマネギ、などそれぞれに異なった農作物の収穫を行います。長野県とは言え、昼間は30度を超える暑さの中での作業です。それでもご高齢の農家の方と一緒に生徒たちが勤しむ姿はすがすがしいものです。最後にその家庭で獲れた野菜や果物をお土産としていただいて戻って来る頃には、もうその家族の一員になっています。

大きな拍手が沸き起こる日光山研修

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今年は、10月11日から2泊で中2日光山研修を行いました。

その中で、坐禅止観、写経、写仏、法話、ボランティア活動、護摩焚き、行者道登山を行いました。そしてこれらの修行体験を支えたのが精進料理です。仏教では「不殺生戒」を第一とするので、精進料理とは、鳥獣魚肉類を避け、野菜、穀類、海藻など植物性の材料を用いた質素な料理であり、仏教の精進の思想からきたものです。1か月も続ければ必ずやせます。厳しい修行体験が続くので、食事は楽しくありたいものですが、実は食事も修行の一部です。つまり、食前観を唱え、正座をして、一切の音を立てることなくいただかなくてはなりません。無音の中での食事です。お椀は両手で持ち、両手で戻す。戻すときにはゆっくりと円を描くように置かないと小さく音がなります。すると、お坊さんから「音を立てるな!」と声が飛びます。食事といえども緊張を解くことがかないません。足もしびれます。

食べるということに対して、ここまで集中を求めるのは、自身と向き合ってもらうためです。そして、食前観の意味を身をもって体験してもらうためです。苦手な食材、嫌いな食材をそのままにしていいのか、葛藤が起きます。そして、2食目、3食目と日を追うごとに克服していくのです。沢庵はお皿を拭くために、お茶はそれを洗って飲むために用意されます。静寂の中、たんたんと食べ、たんたんと洗うのです。この非日常性に慣れてきたときに、確実に自分自身の中で何かが変わります。最終日、閉校式の後に昼食のカレーライスをいただきます。音を立てて食べてもよろしい、という言葉に生徒から大きな拍手が起きることなど、この経験なくしてはあり得ないことでしょう。

駒込中学校・高等学校

監修:駒込中学校・高等学校

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【食育への取り組み】
本校では完全給食を実施しています。仏教主義人間教育に則り、食前観食後観を唱え、感謝の気持ちをもっていただくことを習慣にしています。担任の先生とともにいただくことで、クラス内の人間関係や素顔を知ることの一助にもなっています。

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