【日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校】秋の収穫 中1・フィールドワーク
日本大学藤沢高等学校・藤沢中学校(以下、日藤)には、中1生が1年かけて取り組む農場実習があります。ジャガイモ掘りに密着した昨年春の取材に続いて、今年は里芋と小松菜の収穫をレポートします。
■スケールが違う! 日大生物資源科学部の畑
農場実習は、隣接する日本大学生物資源科学部の畑で行われます。
作業現場に到着しました。
畑で中学生を指導するのは、生物資源科学部の技術職員と学生たち。1年間ともに農作業をする班をクラス混合でつくり、各班に2~3名ずつ大学生が加わります。
■里芋と小松菜の収穫
<里芋>
大学生に教わった掘り方を実践して、手なら茎の真下を掘り、スコップなら里芋を傷つけないように少し離れた位置から掘り起こしていきます。
にょきっと突き出た茎と大きな葉っぱ。スーパーでは見ることができない自然の姿を畑で学びます。
里芋に付いた土を払い、表面にある繊維を取ります。毛のように長細い繊維について、中学生と大学生が「これは毛なの、ヒゲなの、根っこなの?」「ケバケバと名付けよう」などと笑いながら作業していました。
<小松菜>
小松菜は手で引き抜き、根の部分をハサミでカットします。
女子生徒に話を聞くと、「小松菜は9月に種を蒔きました。立派に育ってくれて、うれしいです。収穫はいつも楽しいですが、一番思い出深いのはジャガイモ掘りですね。びっくりするほどたくさんとれたからです」と答えてくれました。
持参した袋に詰めて自宅に持って帰ります。
■学年主任・石塚直仁先生インタビュー
――これまでどんな野菜を育て、収穫してきましたか。
石塚先生:1学期はミニトマト、ナス、ピーマン、ジャガイモを、2学期は里芋や小松菜ですね。この次は大根を掘ります。
――生徒のようすはいかがですか。
石塚先生:土いじりに抵抗がなくなりましたね。春は土をいじれなかったり、虫が出ればキャーキャー騒いだりしていましたが、今では土にも虫にも慣れて、落ち着いて対処できるようになりました。また、指導する大学生とは農作業を通じて自然と距離が縮まっていきました。
――確かに、どの班でも大学生と中学生がよく会話していました。
石塚先生:最初のころは大学生に指示されたことを黙ってやるだけでしたが、作業を通じて名前を覚え、声を掛け合うようになりました。
――クラス混合とは思えないほど、生徒同士も仲睦まじいようすで、班がまとまっている感じがしました。
石塚先生:そうですね。文化祭でも3クラス合同で1つの作品を作ったので、どの生徒もクラスをまたいで友達ができています。
――これからはどんな野菜を育てるのですか。
石塚先生:3学期は白菜などの葉物を育て、収穫します。これからは野菜を育てるだけでなく、入学してくる後輩のために畑の整備も始めていきます。
――ありがとうございました。
■終わりに
後片付けをしたら、みんなで技術職員からの説明を聞きます。
「ジャガイモと里芋は茎が肥大したところを、サツマイモは根っこが肥大したところを食べます。里芋は収穫してすぐ食べたほうがモチモチしておいしいから、今日持ち帰った分はなるべく早く調理するといいですね。小松菜は栄養価が高いですよ」
1年を通して土に触れ、虫を見て、植物の成長を感じ、収穫の喜びを知る。
すべてにおいて仲間との協働作業が伴うため、教科を超えたさまざまな学びの要素が農場実習にはあると感じました。