探究学習に力をいれている同校では、1年を2期に分けて、前期は学年ごとに設定されたテーマで研究し、後期は中学校の教員がそれぞれの専門・関心分野に基づき「後期探究ゼミ」を開講します。今回の発表会は後期ゼミで取り組んだテーマを披露する半年間の集大成。子どもたちの「好き」と「なぜ?」が、本物の探究へと育っていく同校の探究ゼミ。生徒たちはどのようなテーマに取り組んだのでしょうか。
バラエティ豊かな八王子学園の探究テーマ
後期探究ゼミは学年の分け隔てなく、自身の興味・関心のあるゼミに参加できるのが特徴です。25年度の後期ゼミは16ゼミ。先生方が考案したゼミの内容を見ると、「ジブリ探究」や「八王子学園中学校のパンフレット制作」、「八学オリジナルグッズ」、「八王子学園の食堂リニューアル」、「ピタゴラじゃんけん装置」、「TickTokで動画をバズらせる方法」、「四コマ漫画」など、実に多彩な内容です。
発表は各ゼミからの代表者1名もしくは代表グループ1組が出場。1ゼミあたり7分以内で半年間の成果を披露します。
生徒たちの発表は先生方によって「探究点」・「プレゼン点」についてそれぞれ5段階で評価され、「最優秀賞」「優秀賞(プレゼン部門)」「優秀賞(探究部門)」の3部門が決まります。
ピタゴラ装置でじゃんけん!先生の顔を黄金比で調整すると?…楽しい探究発表紹介

リニューアル予定がある同校の食堂。楽しさとおいしさを!をテーマにリニューアル案を紹介。ヘンゼルとグレーテルのようなイメージ案も発表されました。

会場が沸いた「黄金比について」の発表。黄金比とは何か、明快な口調の発表に生徒たちも興味津々の様子。さらに担任の先生やゼミ担当の先生を黄金比をもとに“調整”した結果には大爆笑。

「ピタゴラじゃんけん装置」は毎年開催されるゼミです。今期は「どきどきわくわくクルーン編」として生徒たちの創意工夫をこらしたじゃんけん装置が発表されました。

「応援歌」をテーマにしたゼミで、日本独自の野球応援歌について調べた生徒。各選手の応援歌の特徴を丹念に調べ上げていました。

「魔女の三角帽子はどこから来たのか」という発表。発表した生徒は幼い頃から魔法使いが出てくる物語が大好きだったとのこと。魔法使いの定義や歴史と絡めて丁寧に調べ上げていました。

発表終了後は各賞の授賞式。
中学校の谷口教頭より、受賞した生徒へ賞状が渡されました。
受賞生徒に喜びのインタビュー!
それぞれの発表終了後には各賞の発表が行われます。発表会終了後、受賞した生徒たちにインタビューしました。

優秀賞(探究部門)「野菜が苦手でも大丈夫〜中1男子の1日献立〜」

最初は「このゼミで何かしよう!」という特別な思いがあったわけではないのですが、いざ研究を始めてみると、野菜嫌いで食欲もあまりない弟の姿が浮かびました 。そこで、弟がしっかり栄養を取れる料理を考えたいという目的ができてからは、自分自身の健康チェックにもつながり、結果的に良い学びになりました。
発表では準備した原稿を家に忘れ、PCの充電も切れるというトラブルに見舞われましたが、スライドを頼りに必死のアドリブで乗り切りました 。今後は1日分だけでなく、毎日のメニューや生活リズムの改善についてもさらに深く調べてみたいです。
優秀賞(プレゼン部門)「夢と魔法の世界を作り出す工夫」

ほかのチームのプレゼンレベルが高く、自分たちが選ばれるとは全く思っていませんでした。私たちは「見てくれる人に伝えること」を一番に考え、先生のアドバイスを受けながら図を大きくしたり構成を練り直したりと、少しずつ修正を重ねてきました。
(テーマに選んだディズニーランドのゴミ箱について)ゴミ箱はマイナスな印象をもたれがちですが、夢の国だと世界観を壊さずに存在しているのかという疑問がきっかけでした。本番は緊張して言い回しを間違えるなどの反省点もありますが、自分たちの探究が評価されて本当に嬉しいです。今後は、世界各国のディズニーランドとの違いなどについても視野を広げていきたいと考えています。
最優秀賞「黄金比について」

昨年先輩たちの発表を見て「来年は自分が優秀賞を取るぞ!」と心に決め、この半年間、地道に調査を積み重ねました。「下積み」の時間が報われ、念願の優勝を手にできて本当に嬉しいです。
テーマのきっかけは、中1の頃に読んだ黄金比の本です。それがずっと頭の片隅にあり、ゼミの「法則」というキーワードと結びついたときに形になりました。本番直前の練習ではミスもあり不安でしたが、毎日1時間、プレゼンの練習に充ててきた努力が自信となり、思ったとおりの発表ができました。今回の優勝を大きな一歩として、来年は2連覇の達成を目指し、さらに探究を深めていきたいです。
編集後記
生徒の発表を拝見しながら思ったことは、プレゼンの上手さでした。編集部では2年前にも後期探究ゼミの発表を取材しましたが、スライド完成度、発表する際の話し方や内容など、さらに進化していると感じたほどです。
閉会式の講評で谷口教頭は「今回はとても良い発表ばかり。また生徒たちは調べ学習と探究学習の違いが分かるようになってきているようだ。自分なりのオリジナルの解答を得ようとしているように見える」と生徒たちの成長を評しました。
先輩たちの姿を見て「来年は自分も!」と思う生徒もいることでしょう。探究学習で得た成果はこれから生徒たちにどんな成長をもたらすのか、とても楽しみです。