「下流の宴」　林真理子著　毎日新聞連載｜掲示板スレッド

＞読んでおられますか　様
なるほどたしかにそうですねー、タマちゃん、翔、可奈の共通点は正規雇用への執着が薄いこと。
可奈ちゃんに至ってはせっかくのお父さんの忠告を時代遅れと一笑に付したのでした、
父さんかわいそう　；＿；
で、タマちゃんの場合は結婚しようと言う話が出てはじめて「このままじゃまずいな・・・」
と思い始めたわけですね。
ただ、全体に細かく描き込まれていないのでタマちゃんがどの程度就職活動をがんばったかとか、
沖縄、南九州の就職事情とか、その辺のことが誰にももひとつわからなくて、
いろいろ補いながら読むしかなかった部分もありましたね。
なので、本当はあまり深く突っ込んで読むお話じゃないのかもしれないですが、
題材が題材だけについ入り込んで考えてしまいますよね。
今の宮本輝さんの小説は対照的にびっしり書き込んであって、主人公たちが車で京都から
福知山まで行くのに一体何日かかっていることか、林さんならもう5往復はしてるよな、
と一人笑いしながら読んでいます。


あと、知り合いで心理学やカウンセリングを専門にしている
大学の先生がおられるのですが
その方が言うには今僕らの仕事はおかげさまで注目されている、
でも僕はいつも悩んでいる。
今目の前のこの人に本当に必要なのはカウンセリングではなく
会社が押し付けているめちゃくちゃな働かせ方をどうにかすること。
でも会社がぼくらにお金を払って頼んでいるのは
この人にそれを個人の努力、自己管理の問題と納得させること。
心理学は今流行の学問だけど、それが人間を本当に幸せにする方向に
はたして役立っているのかどうか。


あと昔の地主さんの子供はよく
「貧乏するんは心がけのせいや」などと折に触れて親に言われ、
生まれつきの貧富の差について深く疑問を持たないように
教育されていたと言う話を聞きました。
意欲がない人＝「下流」と言う定義や意識付けは
確かに今の社会や若者のある面を言い当てている気もするのですが、
一方で上の地主さんの話を思い出させてちょっと怖いものも感じるのです。

皆様、お読みになりましたか？

今朝の毎日に広告がドカーンと出ていましたね！

前ページで、単行本になったら読みたいと申した者です。
我が家は毎日新聞ではないので、連載は読めなかったのですが、林さんの本は好きです。
単行本の発売、教えて下さってありがとうございます。
このスレと一緒に楽しみたいと思います。

単行本読みました。２日で一気読みです。
とても面白かったです。このスレも最初から全て読みました。
同じ本を読んだ方々の感想が、こんなに聞ける機会は滅多にないと思いますので、とても貴重な経験ですね。


スレの最初の方は由美子批判がとても多く、ちょっと辛かったです。
由美子と私は結構似ているところがあるなあ、と思いながら読んでいたからです。
息子が高校を退学してしまったら・・・・。私も由美子と同じように
「私の何が悪かったの？一生懸命子育てしたのに」と思ってしまうと思います。
皆様のように上手に感想は書けませんが、自分の子育てと重ねつつドキッとしたり反省したりしながら読みました。
珠緒ちゃんのお母さんの事はとても素晴らしいと思うのですが、自分がそうなれるかと言えば、絶対になれない
なあ、と感じます。子離れできない、という点で私は本当に由美子そっくりです。


このスレは、皆様本当に文章力があって、なかなか深い意見が多く感心されられました。
それにしても、この小説を毎日毎日少しずつ読んでいくのは、大層じれったかったのではないでしょうか（笑）
一気読み出来たのは楽しかったですが、皆様絶賛の挿絵が見られないのがとても残念です。


このスレをご覧になっていらっしゃる方はもういないかもしれませんが、スレ主様に一言お礼をと思い書かせて
頂きました。
スレ主様、本当にありがとうございました。

新聞で読んでいたものですが飛び飛びだったもので…本をやっと全部読み終えました。

他のサイトの感想を見ると「上流の林真理子が下流の話が分かるはずない！」とありますが、あの人は山梨にいた子供時代は下流の人だそうで。なのに、「下流が分からない人」とまで言われるようになるとは…見た目もおしゃれとは程遠く興味なさそうに見えたそうです。
そんな背景を考えると、自分を珠緒に置き換えて努力で下から上に挙がれるぞということを書いたのかと思いました。
一方で、珠緒が努力した末に翔から別れを切り出されるところも、がつがつ努力して有名になった代償に批判の嵐を受けるようになってしまった林真理子に見えました。林真理子は努力を非難する人達を気に食わなかったのか、それとも努力が目立ちすぎて批判されてしまったことに対する自分の反省を書いたのか…どちらだったのでしょうか。

あと、由美子の孫の航一の名前を見て、日本航空と福原家が似ていると思ってしまったのは私だけでしょうか。
これも偶然のネーミングなのか、それとも過去の栄光にすがりつき変わることが出来ない日航を暗示したネーミングなのか気になるところです。

書き忘れです。

この話で、医大受験の話が出てきて、お金を出してくる人がいて「ありえない！」という話ですが、
この「ありえない！」が重要だと思っています。金がなければば医大に受かれない現実を示しているように思います。
そして、珠緒が合格できた話もありえないのですが、逆に考えれば、金さえあれば家柄や頭ではなく、テクニックで受かるというようにも読み取れます。
つまり「志があって、頭が良くても結局金がないと医大は受からないよ。逆に金があれば頭が悪くてもテクニックで医大に受かるよ」と言っているように感じたのですが、どう思いますか？

あと、珠緒を助けようとする人が何人も出てくるところもありえないのですが、会社で働いていて、やる気がある後輩には積極的に指導するけど、やる気のない人には指導する気が起きない(何度説明しても覚えてくれない…)のを極端にしたようにも感じました。
やる気のない人って、先輩は「面倒を見たくない」とたらいまわし、やる気のある人は争奪戦、って
感じなので。

婦人公論５月７日号で、林さんと和田秀樹さんの対談が。

林さん「由美子さんも本を読んだり教育評論家の講演を聴いたりしたけど、ダメでした。
自分の中に哲学がないから、子供の心に届く言葉にならなかった。」

ああ、そういうことだったのかー。うまく言葉にならなかった由美子へのもやもやが作者の説明で
ようやくわかった気がしました。

六月にドラマ化されるそうです。

由美子役は黒木瞳だそう。他の詳しいことはまだ分かりません。
珠緒や翔役は誰になるのでしょう。楽しみです～。