「下流の宴」　林真理子著　毎日新聞連載｜掲示板スレッド

そう言えば、珠緒の出身地の南硫黄島もフィクションでしたね。そして、由美子は、珠緒に関しては、育ちと言葉遣いから、自分勝手に、頭が悪いと決めてかかっていたように思います。また、亮太の事件で、由美子が珠緒を馬鹿にしたようなことを言ったことが、皮肉にも、珠緒を上流社会に引き上げるという結果になってしまいました。まあ、作者は、珠緒を通して、人を先入観で判断すると、人を馬鹿にしたようなことを言うと、とんだしっぺ返しを食らうということを、由美子という人物を描くことで訴えたかったというところでしょうか。
それにしても、可奈は、同じ世代の人達が見れば誰もがうらやむ究極のリッチ生活から、同じ世代の人の多くの人からは、まだシングルマザーでないだけ、まだ元気で曲がりなりにも失業していない亭主がいるだけ、まだ未婚であるだけ、出戻りだがまだ子供がいないだけ私の方がましだ、と思われる最悪の事態への転落という感じでしたよね。小説の世界とはいえ、これから可奈には苦難の道が待っていることでしょう。自分は一銭も稼がずに、亭主の給料のみで、しかも高級な生活をしようなどと自分に都合の良いことばかりを考えていた可奈には、当然の、そして、これ以上はないほどの最大の報いですね。

＞毎日だから様

＞背筋が凍りそうな寒気のする結末でした。
＞由美子の航一を見る視線にゾッとしました。

今日のラストを読んだときの私の感想と同じですねー。
あの挿絵と相まってゾクッとしましたよ。

私も、毎日だから様と毎朝が楽しみ様に同感です。平仮名を覚えさせるための知育カードなんて、幾ら何でも、１歳半の子供には早過ぎだと思いますよ。

以前私が予想した「福原家下流転落」に、本当になってしまいました。林氏、由美子と子供たちに情け容赦なかったですね。


今までずいぶん由美子批判を書き込んでましたが、ひきこもりやニートが全て親の責任で起こるわけではない、という点だけは強調しておきます。
もしかしたら、いじめが引き金だったかもしれないし、知能に問題がないけれど対人関係に困難さを抱える発達障害など、外からは見えにくい様々な要因があるからです。
ですから、そのような悩みを抱えるご家庭を、みんな親のせいと見るのは間違いですし、苦しんでいるご家族に酷なことです。


もう一点。
いま問題になっている格差社会、非正規雇用は、福原家のそれとは根本的に質が違います。小泉政権下で進められた規制緩和に端を発し、弱者を簡単に切り捨てる社会構造が構築されてしまったのが問題なんです。
ですから、翔のように意欲に欠ける若者が親元でフリーターをしているのとは違います。
働く意欲も向上心もある若者が、非正規雇用の労働者として消耗され、社会の最下層部に沈殿したまま這い上がって来られない現実があるんです。


でもまあ、この小説に関しては、人間ドラマこそ林氏の真骨頂ですから、あまり手を広げてピンボケにならない方が良かったんでしょう。


五角バナナさんの由美子考察、圧巻でした。
誰でも、自覚していない由美子のような部分があるかも知れない。由美子を嗤うのは簡単だけれど、自分が絶対そうでないとは誰も言いきれない、と改めて気付かせていただきました。

福原家は、定義にもよりますが、年収1000万円以上は人口の５％といいますので、それを中上流とすれば、依然として中流ではないかと思えます。また珠緒が医者になっても上流になったともいえないでしょう。下流、中流、上流は経済的部分もそれなりにありまが、経済以外の要因が大きいのではないでしょうか。またそもそも「流」意識そのものが品がない話ではあります。
あと、小泉政権の規制緩和が格差を生んだという話がありますが、規制緩和が不徹底であったため、GNPが上がらず貧困層が増えたということではないかと思います。これが実証されるのは、非正規社員をなくせという鳩山内閣の規制強化が非正規社員でさえない失業者が増えることでなされるでしょう。非正規を正規にするという会社はアンケートによると全体の１４％しかありません。現在の非正規は失業します。規制緩和とは正社員と非正規社員の同職種同待遇を行うことです。正社員の待遇はいまより下がりますが、格差は縮まります。non-working rich もなくなります。

皆様こんにちは。
年の瀬でお忙しい事と思います。


結末は？様と本筋とは関係ありませんが様のレスの後になんだか恐縮してしまいますが・・・


毎日楽しみ様
本当に。驚愕の結末ではなかったですね。
（航一に託す・・・は私には珍しく想定内でした）
あとドラマ化の配役ですが、私も真っ先に森三中の村上さんが浮かびましたよ♪ちょっと年齢的に難しいかしら？
個人的には由美子は黒木瞳にやって頂きたいです（笑）


由美子的「上流、下流」最後まで判りませんでした。（DNA信奉が凄そうなので、航一のリベンジすさまじそう～）
せっかく猛烈に働き娘達に不自由をさせなかった美津枝の背中を見て育ったというのに、私は凄くもったいないと思いました。
だから「お母さんの言うとおりにしたのに」はないでしょ！と最後にツッコミたい。


飽きっぽい上、忘れっぽい私が新聞連載を最後まで読めたのも
ここを覗けば皆さんの鋭い感想、意見のお陰と感謝致します。
では皆様よいお年を♪

由美子は、人を見下すことに関してだけ満津枝の言う通りにしたように思います。そして、翔で失敗したことに全く懲りずに、まだ、１歳半の乳幼児の航一に知育カードを買い与えて平仮名を覚えさせようとしている。しかも、まだ簡単な名詞しかが理解できないと思われる航一に｢勉強｣や｢頑張る｣などという航一の年齢には到底理解することが極めて難しい動詞を使って話し掛けている。とうとう、由美子は、無反省、無学習のままで終わってしまいましたね。ある意味、可哀想な女ですよね。

とうとう連載終わっちゃいましたね。可奈は予想通り?結婚生活うまくいかなかったし、翔は今までどおりプーだし。私は珠緒を応援していたので、最後はやっぱり翔と結ばれて欲しかったな。二人はいったん別れたけど、珠緒のほうが離れられなくて医学部やめて翔のもとにもどるとか。だってもともと翔と結婚したくて勉強始めたんだもの。でも翔の方は珠緒が本当は自分のために受験勉強始めたのをも見抜いていたんでしょうね。彼もそんな風に頭がいいのに、結局は甘いところがある。最後実家に帰ってきたのも、母親に対する甘えの現われだって気がします。だって本当なら収入がなくても、珠緒と別れても、親に対する意地で1人で頑張るはず。頑張るってのをしようとしない人だから、もともと2人でいるのは無理があったのかも。何だか小説の最後は上流と下流が逆転しちゃった感じですが、何となく問題提起だけで終わって不完全燃焼な気がするのは、やっぱり珠緒と翔が別れちゃったからかな？