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【7081664】学者という職業につくまでのお金は?精神的な環境は?

投稿者: ゆきんこ   (ID:oL2hrJqouSY) 投稿日時:2023年 01月 22日 14:19

大学卒業、その後修士課程まではともかく、博士課程、それ以降、学者として定職につくまでに生活していけるだけのお金はどのようにされているのでしょうか?

素晴らしいキャリアをお持ちの方々の経歴を拝見すると、博士課程の後の海外大学への留学など、30歳過ぎ迄になるのは平均かと思います。

裕福で支援をしてくれるご両親をお持ちの方も多いかと思いますが、そうでない方も多いいるはず。また、博士号を取得しても、高学歴プアになる可能性もあり、金銭的かつ精神的にどのように乗り越えていくのでしょうか?

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  1. 【7082826】 投稿者: 経験から  (ID:1FjmFLZI0oA) 投稿日時:2023年 01月 23日 12:45

    大学院博士課程修了(理学系)企業研究所出身です。
    その後、企業経営側にまわりました。
    大学の先生方とは、共同研究、学会の役員や事務局、国際会議の運営などでおつきあいが続いております。
    また、娘とつれあいが医学部教員だったことがあります。

    みなさま、たいへん真摯なレスをなさっておりますが、若干補足させてください。

    【博士号、取れますか?】
    みなさま、学士取得(博士号取得)を前提にコメントなさっておりますが、博士号を取得できないと(少なくとも理系では)けっこう悲惨で、スタートラインに立つ前に脱落、ということになりますので、このハードルを理解して博士課程にチャレンジすべきと存じます。
    修士課程までは、まあ、教授のいうことを聴いて教授の指示する実験や解析を行えばなんとか修了できます。
    しかし、博士課程ではそうはいきません。博士論文提出のためには科学的業績が必要で、これは大学、学科、専攻により異なり、「主著者である査読付きの英文学術論文3編以上」など、必ず学術的に新規の内容を含む論文を求められます。このハードルを越えられない人は、実は一定数居て、博士課程満期退学、などになります。理系では、まともな就職はまずありあせん。
    修士課程で、自分が博士課程に進んだら論文を書けるか、様子がわかります。だめなら企業就職をおすすめします。

    【金を持ってこれる人が勝つ】
    ・アカデミアでの研究者の選考基準について。常勤講師や准教授以上のポストを得るためには、現在は、「競争的資金や企業との共同研究による研究費をどれだけ獲得できるか」という「裏基準」が非常に重要になっています。
    現在、大学では、粘土予算で振り当てられる固定的研究費は非常に小額で、研究室の電気代を支払ったら赤字、ということにもなりかねません。それで、公的な競争的資金(科研費だけではありません。もっと大きなグラントもあります)を獲得することが研究室の生命線になります。
    純粋基礎やマニアックすぎる研究は非常にきびしく、成果が出れば企業が飛びつきそう、とか、ベンチャーを設立できそう、という、極めて応用に近いテーマが重視されます。
    研究者が大学の研究室にこもる時代は終わり、大学横断的な研究チームを組織し、企業を飛び回り、論文のみならず特許を取得し、グラントの提案書を書きまくる、という、営業的要素が重要になってきています。

    【博士課程ではアルバイトはやめよう】
    ・博士課程以降の収入について。博士課程在学中は、私はあまりアルバイトに賛成しません。博士号を取り損なったり一年延伸せざるを得なくなると大変ですから。学生支援機構の奨学金は有力ですが、私見では、学振など博士課程在学中がから公的資金を取れるくらいでないとアカデミアは厳しいと思ったほうがよいでしょう。

    ・学会にも閨閥人事がありますが、そんなことを言っても仕方ないし、実家の援助の閨閥もなく頑張る人が大多数です。実家の資金をあてにしてポスドクなどを渡り歩くことは決しておすすめしません。自分の実力に見切りをつけたほうがいいです。

    【企業研究者】
    ・企業就職すると、企業の正社員としての給与をもらえますので、最低限の生活はできます。そのかわり、研究以外の頭もたくさん使うことになりますし、アカデミアの研究活動とはかなり異なってきます。
    たとえば、生産部隊、営業などとのつきあいをうまくできないと、なかなか上級の研究員にはなれません。

    【なんだかんだ言っても医師は有利】
    ・最後に医師の研究生活について
    大学の医学部には、臨床系と基礎系があります。

    ・基礎系は、分子生物学とか遺伝学とか解剖学とか法医学とか、直接患者さんを治療しない領域。この分野を希望する医師は非常に少数です。一方、医学部側は医師免許を持った基礎医学教員を増やそうとしているので、医師で基礎医学を志せば、将来は明るいように思います。もちろん基礎的な研究能力は必要ですし、臨床医よりかなり低い処遇は覚悟する必要があります。

    ・臨床系は医療行為だけをやるわけではなく、新しい手術の方法や内科的治療法などを日々研究しています。臨床系の大学教員は、医療行為、研究、学生の教育の3つを並行して行うことになり、けっこうな激務です。そのほか、大学教員としてての業務(学生の試験、入試、安全管理、倫理委員会など)もあります。
    ・臨床系の教員では、(主任)教授になるのは非常に大変です。なんだかんだ言っても、医学部の当該分野の最高責任者であり、関連病院医師を含めて数十人の医師の人事を握っていますので。
    ・しかし、下級教員(助教くらい)のポストはガラガラに空いていて、医局員が交代でつとめているという実情があります。医学部の臨床系は、他の学部と異なり、一人の主任教授が多数の(時に10人以上)の下級教員のポストを持っていることがありますので、ポストが余るわけです。
    ・多くの医師は、大学教員コースには興味をあまり示しません。一部、頑張って主任教授を狙う人は、留学し、論文を大量に書き、学会活動を熱心に行いまうs。そういう人は、主任教授になりそこねても大病院の部長などそれなりのポストを得ているように思います。

  2. 【7082882】 投稿者: 地球儀  (ID:4/SMaYqrRp6) 投稿日時:2023年 01月 23日 13:29

    東北大、炎上しましたよね。教授職の女性教員5名(任期なし)を工学全般の広い研究分野において募集して、帯同支援策として採用された方のパートナーが工学研究科の教育・研究に貢献できると審査により判断された場合、クロスアポイントメント制度で雇用することも可能として。
    現状はまだまだ難しいと思います。

    追い風は、研究室と教授によると思います。教授によっては、女性の実家が太いことも、両親が保守的で結婚出産を望むだろうということで、マイナス印象を与えたりも感じます。
    また、海外に出て戻らなかった女性の先輩の割合も、男性より格段に多かったりもあります。日本の研究者コミュニティが男性社会故ですが、若手女性にとっては出してもらいにくくもなっています。
    「どうせ結婚や子育てでやめるでしょ」「海外から戻って貢献する気ないでしょ」という女性への言葉は、残念ですが耳にします。
    厳しい中でも才能と努力で孤軍奮闘して後輩女性の尊敬を集めている女性もゼロではないですから、これから状況は改善されると思います。

    医学部教授の位置付けは、変化が大きいですよね。新医師臨床研修制度の導入や専門医制度の整備などで医局への帰属意識が希薄になったことで人事権が低下した結果、権威の象徴としての魅力が失われる方向です。私も子どもが医学博士で教員ですが、能力的なりやすさは例えば理学部(の教員の子もいます)とは全く違いますね。医学部は専門医を取得すれば博士号がなくても教員になれます。ポストが多すぎてガラガラでなりやすいものに、権威は感じません。それに、世界的に通用するかも、大違いですよね。

  3. 【7083153】 投稿者: 疑問なこと  (ID:YpfoHoofPlM) 投稿日時:2023年 01月 23日 17:33

    >研究者双六さんが書かれた事と被りますが、
    >まず修士は利息ゼロのJASSOの第1種を借りることができて(※大学院生は奨学
    >金に親の所得の制限はありません)、研究実績に応じて返済免除があります。
    >旧帝大クラスの院生なら大抵は半額、優秀なら全額免除と聞きます。

    第1種の8万円のうち5万円は修士の学費に消えますので実質入ってくるのは3万円。1年目は入学金に消える感じ。交通費や律儀な人は国民年金保険料に全て消えますので、修士の間はやはり実家が学費と生活費を支払うと考えた方がよろしいのでしょう。免除にならなかったらそのまま返済が残る(たかだか約192万円ですが) 社会保険は親の被扶養者に入るしか。

    >学振の給付金が取れたら、贅沢しなければ自活できるイメージ。年200万ちょっと。
    >JASSOが全額免除になる人ならゲットできるでしょう。

    これって申告はいるのですか。こんだけとってしまうと、親の扶養に入れなくて健康保険支払いが発生するのではと。それとも奨学金や学振は収入とはみなされないのでしょうか。それとも博士課程の独自の社保の制度があるとか?

  4. 【7083193】 投稿者: 行き当たりばったり  (ID:OoBWEzT.0RY) 投稿日時:2023年 01月 23日 18:15

    まず助教は昔風にいえば助手ですのでポスドク、助教はウルトラCでもなんでもありません。普通ですね。

    私ですが、旦那と「子供が小さい内は別居はない」という共通の家族感を持っています。ですのでどちらかが移動になればどちらかが譲歩するしかないですね。
    もし、借金をして大学院を卒業していればやめられなかったかな、と思います。しかし
    私に借金はありませんでした。大学院も学振のおかげで授業料免除対象者になっています(貧困家庭として免除です。年収240 万ですから。月3万のシャワーがあるだけのボロアパートです。寝に帰るだけなので十分でした。)
    修士の奨学金は250万くらいだったでしょうか。結婚するまでの数年で返却済です。

    また自分が母の手で育てられ、幸せだった事、たまに母が小学校から帰宅した時に家にいなかったのが寂しかった事など個人的な思いから育児を選択しています。人生の岐路で何を選択するかは人それぞれだと思います。
    他人に流される事はありません。キャリアを取りたければ取れば良いだけです。それも否定されるべきものではありません。
    自分で決めれば良いんだと思います。

    旦那はこれまでに片手ほどの博士しか育てていませんが全員学振を取得しています。借金なしで学位を取る事が大切だと考えています。今ならjassoで全額返済免除でも良いんだと思います。大事なのは申請書の書き方。
    兎に角企業の研究費でもなんでもグラントを獲得できない人は研究を続けられません。グラントを獲得している人に文章を読んでもらって磨いてください。男性でも女性でもグラントを稼げれば研究は続けられます。

    グラントを獲得すると報告書やら報告会で発表する義務があります。そこに参加している上の先生や、同僚などに名前を覚えてもらえるように発表練習にも時間を使ってください。そうしている内に同僚から研究の相談や、共同研究の話がくるようになったりします。それがまた次のグラント申請の時に自己の研究実績に使えたりします。

    孤軍奮闘は必要ないですよ。今の時代、母親がキャリアを持っている男性研究者も多くなっています。理解を求めて一緒に頑張って、仲間を増やしていって欲しいと思います。出来る所は協力し、出来ない所は理解を求めるで(まぁ、なんともならない事もあるかと思いますが)。

  5. 【7083213】 投稿者: 経済学者  (ID:K7nDNq6NmMM) 投稿日時:2023年 01月 23日 18:26

    最近話題の経済学者、成田悠輔さんは、経済的には悲惨だったようです。
    18歳の時に、父親がギャンブルで作った借金を抱えたまま失踪し、その後自己破産。
    19歳の時に、母親はクモ膜下出血で倒れ、後遺症が残る状況。

    大学に進学するため、アルバイトで専門学校の非常勤講師をして資金を貯めて、1浪後に東大合格。
    その後の収入は今一つ分かりませんが、おそらく学生の間にもアルバイトを続けていたのでしょう。
    4年後に東大経済学部を首席で卒業して院進。

    小学校時代もプレハブ小屋のようなアパートに住んでいたそうですから、実家からの援助もあまりなかったのだと思います。

    この例を見ると、多少回り道になっても「自分で稼いで研究者になる」人もいるということがわかるでしょう。
    親の援助がないけれど、研究者になりたい場合には、自分で稼ぐしかないのだと思います。

  6. 【7083399】 投稿者: 成りゆき  (ID:V121LSbClN.) 投稿日時:2023年 01月 23日 21:18

    じゃあ、麻布の学費は誰が出してたの?兄弟も麻布じゃないの?兄弟は大学も私立だと聞いた様な。クラウドワークス(だったと思う)立ち上げた人ね。
    まあ、YouTube細切れに見たりしただけだから詳しくは知らない。貧乏だったはネタだと思ってた。実際、裕福ではなかったのでしょうけどね。
    でも、麻布の学費が謎。

    娘が、このまま大学残りたいようなので、興味あります。このままスレッド見守ります。

  7. 【7083401】 投稿者: 地球儀  (ID:4/SMaYqrRp6) 投稿日時:2023年 01月 23日 21:20

    助教、2007年より前の今の准教授ではないとご回答いただき、ありがとうございます。ご一緒に子育てするために専業主婦になったのですね。もちろん、否定など出来ません。
    孤軍奮闘する必要がない仲間を増やせとの言葉、別居婚でアカデミアで努力を続けるわが子を思うと虚しい響きです。(結婚による楽しい会話や精神的支えはあるようですが。)
    そして、奥さんがアカデミア一線から撤退して専業主婦になった教授たちの顔と言動を思い返して、なお虚しさでいっぱいです。

    また、借金のためにアカデミアをやめられない女性も寡聞にして知りません。現状、男性以上に実家の太い人が大学に残りがちです。

  8. 【7083463】 投稿者: そう見えなくもないですが  (ID:RRzLJPBohmw) 投稿日時:2023年 01月 23日 22:31

    >文部科学省の10兆円ファンドで、女性教員比率が指標になっているように、アラサー世代の女性研究者に追い風が吹いていると思うのですが、いかがでしょうか?

    確かにそうですね。Jrec-INなどを見ていても、同じ条件なら女性を採用するとか、女性の応募者を公に歓迎するとか、さらには単刀直入に女性のみ応募可などもあります。

    実際はどうなんでしょう?
    私が知る狭い輪では、女性間格差は開いているようにも思います。
    色々な助成があり、いったん良いレールに乗れた女性は、同レベルの男性以上に守られ、勤続も昇進も夢ではありません。
    しかしその良いレールの助成をするのは(古い?言葉で言えばペピド、的な)非正規のポスドク女性達であったりします。

    たとえば某旧帝大で、ある正規雇用の女性研究者は、心置きなく2度出産、産休育休を取り、キャンパス内託児所も用意され、勤務中にそこへ行って授乳を一日数回(それぞれ30分以上)を、休息ではなく勤務時間としてカウントしてもらっている、なので育休もあまり取らずに「復帰」しているが実際は研究室ではなく託児所に通っている、と言っていました。
    その分の実験を進めているのは同年代の非正規マミー・トラックの研究補助員女性や、非正規ポスドク女性です。研究結果は正規雇用の女性のものとなり、非正規の助成はせいぜい「謝辞」対象。
    (今ではそういった非正規女性の子もキャンパス内託児所を利用できるようになったそうですが、いかんせん雇用期間が短いので、正規勝ち組女性ほど旧帝大の女性支援環境を享受できません。)

    同じ大学で他の正規雇用の女性は、女性支援制度の一環で、育児と両立させるためにアシスタント(院卒非正規女性)をつけてもらうことが出来、データ分析や文献の読み込み(必要なところの抜出し、仕分け、入力)をそのアシスタントに任せて、自分は時短で早く家に帰ることが出来た、それで成果が出せ、乳幼児がいながら査読付き投稿論文(ファーストオーサー)も出せたと言っていました。

    (女性支援ではないですがURA制度もいくぶんそうですよね。選ばれた研究者をより伸ばすために、他の(低い?)学位取得者が選ばれた方々をサポートして差し上げる…的な。)

    つまり、正規レールに乗ることのできた「勝ち組」女性が活躍し続け、育児と両立できるようにするためには、非正規雇用・使い捨ての「負け組」女性(こちらも博士号取得者)が存在してこそ…という「女性支援」?!はどうなのかと最近は思います。

    しかも、「勝ち組」が正規レールに乗り始める分岐点で、両者の研究自体の実力の差は、実はあまりなかったりするのですよね。いろんな偶然(人間関係、研究課題の時事性、その年にちょうどその分野でその女性支援的採用があるかどうか)が重なっているかどうかで。

    大変長くなり申し訳ありません。

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