今年入学した高1生が語る青春リアル
中学受験は「いつ始めるか」より「どう組むか」の影響が大きい
中学受験は「4年生からやらないと厳しい」という前提で語られることが多いですが、
実際には、学年よりも
・どこを削って
・どこに時間を集中させるか
の計画の影響がかなり大きいと感じています。
5年生スタートでも成立するケースと、難しくなるケースの差は、
早さよりも組み方の違いにあるように思います。
ご理解ありがとうございます。
では、まず整理してからお答えしますね。
まず一点だけ確認させてください
前回いただいたご質問の中で、まだ私が答えていない点があれば、
それは改めて教えてください。
今回はご質問くださったこのテーマに集中してお答えします。
なお、私が知っていることは基本的に出し惜しみせず書きます。
(誰に・どのタイミングで書くかは考えますが)
① 前提の確認について
小5から通塾開始したときに、
子どもが「自分は大きくビハインドだ」と感じない程度の
知識と思考力を身につける、という前提でよいか
→ はい、その前提で合っています。
ただし、少し補足します。
これは
「小4通塾組がやったことを全部知っている」
という意味ではありません。
・知らない単元はある
・ただし、その多くは“浅く”、その週に追いつける
という状態を想定しています。
思考力について
ここはむしろ逆で、
思考力は、通塾組を上回る可能性が高い
と考えています。
正直に言うと、
通塾だけで思考力が効率よく育つケースは少ないです。
思考力を本気で育てたいなら、
追加学習や設計された家庭学習の方が向いています。
② 「無駄になりやすい学習」とは何か
ここは誤解が生じやすいので、
はっきり書きますね。
前提
算数の話です。
(難関校の層にもかなり当てはまります)
私が考える「無駄になりやすい学習」
極端に言えば、
私が以前挙げた「小4の学習内容」以外の算数単元の多く
です。
具体例を挙げます(思いついた順です)
・比を使わない速さ
・比を使わない割合
・覚える勉強になりがちな高度な数の性質
・論理が未成熟な段階でやる推理
・体積・表面積(後で自然にできる)
・比を使わない売買損益算
・比を使わない過不足算
なぜ「無駄になりやすい」のか
理由はシンプルです。
これらの単元は、
・比を学習してから初めて触れる子
・比を使わずにスパイラル(※厳密には疑似スパイラル)ですでに一度やっている子
が 5年生夏以降に学ぶとき、
・負担感がほぼ同じ
・到達点もほぼ同じ
になります。
結果として、
「比の前に、あれだけ時間をかけてやる意味あった?」
となるケースが非常に多い。
これは、
算数の塾講師ならほぼ全員が内心思っていることです
(口には出しませんが)
まず、塾が想定している小4算数の目的は、だいたい次のようなものだと思います。
① 学習リズム・習慣の確立
② 速く・正確に解く力をつける
③ 受験算数の問題文や言い回しに慣れる
④ 4年生のうちに覚えられる解法パターンは分散して覚えておく
⑤ クラス分け・順位といった競争環境に慣れる
⑥ 比較的簡単な単元から入り、心理的な抵抗を下げる
⑦ テスト形式・時間制限に慣れる
これはこれで、一貫した設計思想ですし、否定するものではありません。
一方で、私が考える「通塾しない場合の小4算数の過ごし方」は、少し方向性が違います。
① 計算力(特に暗算)を徹底的に鍛える
② 数独・将棋・囲碁などで思考の持久力や柔軟性を養う(興味がある場合のみ)
③ 場合の数・規則性といった「作業する習慣」「考える力を使う」という分野に力を入れる
※規則性は必須ではありません
④ 角度・面積といった「解き方の作戦を立てる」「整理して解く」「計算もそれなりにする」という複数の効能のある分野を丁寧に学習する
「4年生の受験算数を一通りこなす」ことよりも、
5年以降に“考える算数”に入ったときに伸びる土台を作ることを重視しています。
この2つを並べて見て、
・学習リズムを強制的に作りたい
・競争やテストの外圧があった方が合いそう
・親が設計や管理をあまり担えない
そう感じるなら、通塾を選ぶのは自然な判断だと思います。
逆に、
・今は基礎体力づくりを優先したい
・覚える勉強より考える力を伸ばしたい
・5年以降に本格的に受験モードに入れればよい
そう考えるなら、通塾しない選択肢も十分に現実的です。
結局のところ、
どちらが正解か、ではなく
どちらの設計思想がその子に合うか
だと思っています。
これを見て「やはり通塾だな」と感じた方は、
迷わず塾を選んだ方がいいと思います。
なお、小4通塾の弱点が見えにくい理由の一つは、思考力が可視化しにくい点にあると思っています。
計算力や解法パターン、テストの点数は数字で見えますが、
「なぜそう考えたのか」「どこで詰まっているのか」「自分の言葉で説明できるか」といった思考の質は、テスト結果だけでは判断しにくい。
そのため、順調に回っているように見えても、実は“考えない解き方”が固定化しているケースに気づきにくい、という側面はあると思います。
ご丁寧に説明くださいましてありがとうございます。
捕捉された前提の小4の家庭学習で目指すところ、そして無駄が生じる算数について、おっしゃることは理解しました。
国語、理社についてのお考えもお聞かせください。
サピックスの4年の算数カリキュラムでは、計算力(基礎トレとか、計コンとか、計算の工夫とか、3.14の九九とか)や、場合の数や規則性などの思考力単元が重視されており、速さや割合などにはあまり時間がかけられていないように思います。
多少の無駄はあると思いますが、算数は一度習って理解したら終わり、ではなく、定着させて得点できないと意味がないので、割とよくできたカリキュラムだと個人的には思ってます。
自宅でできる、と言われればそうかも知れませんが、それは5年も6年も(親がしっかり見られるのであれば)同じでは?
ご指摘の通りで、サピックスの4年算数カリキュラム自体は、よく練られていると思います。
その上で、私が言いたいのは、
通塾してもしなくても、工夫してアレンジすれば“さらに上”を目指せる余地がある
いわば「吊るしのスーツは出来がいい。でも体型に合わせて直せば、もっとフィットする」という話です
速さや割合については、まさにおっしゃる通り5年前期が本番です。
私の主張は、4年生の1年間の内容を圧縮ではなく、4年生から約1年半分の内容を、圧縮できるという話です。
>・親が設計や管理をあまり担えない
今は、これが一番多いと思います。
共働きが多数派なので。
10年前には(エデュ歴長いです)、この掲示板にも、東大卒専業主婦のお母様で、塾がやっていることは全部家庭でできると豪語している方がいらっしゃいましたが、今は高学歴のお母様は仕事をされている人が殆どだと思います。
ご指摘の「共働きが多いから、親が設計や管理を担えない」は、実態というより“イメージ”の部分が大きいと感じています。
というのも、設計については、結局のところ
カリキュラムと教材があれば、塾でも家庭でも大枠は同じです。
テストも四谷大塚のシステムなら、家庭で受けることはできますし、そもそも「テストは多いほど良い」とは限らない、という考え方もあります。
管理についても、
・宿題点検が学習効果に直結しているのかは疑問が残る
・塾講師側の“管理”も、昔より緩い印象がある
・実際には「塾から言われたことを、親が守らせている」ケースが多い
このあたりが現実ではないでしょうか。
もっと言うと、小4の受験勉強って、結局は
力をつけるのも、覚えるのも、家庭学習で、
親が声かけをし、丸つけをし、進度を見て、必要ならフォローする。
「塾任せで管理は塾です」というご家庭は、少数派だと思います。
そう考えると、
「設計・管理の観点で、通塾が家庭より明確に優れている点は何か?」
と問われたとき、イメージ以外の決定的な優位性は案外薄い気がします。
私が先ほど書いたのは、まさにその“イメージ差”で、
「お金を払っていて、みんなが使っている仕組みなら無難だろう」
と感じやすい、という意味です。
実際には、週に15分でもお子さんのノートを見て
「書き方が雑になってないか」「理解が止まってないか」
この程度を押さえるだけでも十分なケースは多いと思います。
むしろ、テストが多くて煽られるからこそ、
親が「徹底フォローしなきゃ」と過剰に管理モードに入ってしまう。
テストの煽りが弱ければ、管理もここまで過剰になりにくい
私はそう見ています。




































