1月のテーマ「受験直前期、親は何をすればいいの?【前編】」

inter-edu’s eye
今月は、和田みゆき先生、たなかみなこ先生に受験直前期に親ができることというテーマで、2週にわたりアドバイスをうかがいます。何かしてあげたいけど、何をしていいか分からない…そんな親御さんに必見の内容です。

和田 みゆき先生願書や入試前の準備と心身の健康・生活管理は?
和田 みゆき先生

身近なことでできること

受験直前期1

みなさま、こんにちは。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスをしている家庭教育家の和田みゆきです。

全国の中学入学試験が始まりました。そしていよいよ首都圏入試が始まります。お子さまの様子はいかがですか? 直前期そして入試期間こそ言葉にできない思いを受け止め、ポジティブな気持ちでお子さまに寄り添い落ち度のない準備をしましょう。編集部とともにみなさまの入試を心から応援しています!

そこで今月は、前編で願書や入試前の準備と心身の健康・生活管理について、後編で前日・当日の過ごし方と心の安定法について。またワンポイントアドバイスでは、事実と感情を切り離す入試結果の捉え方についてお届けします。

1月後半の娘は、娘は朝から晩まで塾の自習室にこもっていました。私たち夫婦は娘の気持ちより前に出過ぎないように気をつけながら、当日100%の力を発揮できるよう環境を整えながら、万一ご縁がなかったときの魔法の言葉を考えていました。

まずは健康管理と時間の管理です。家族全員でインフルエンザの予防接種を受け、外出時はマスク着用、室内の湿度の管理に、免疫力を高めるビタミンCの摂取など、身近なことで出来ることを取り入れました。

睡眠時間は、7時間+15分程度のお昼寝を数回。食事は、学校も塾もお弁当でしたので、体が温まるものや腸の働きを助けるもの、匂いの少ないもの、果物、キャラ弁などを作り、食事タイムで気分転換ができるように心掛けました。

脳が最高のパフォーマンスを発揮するには?

そもそも私は中学受験の成功の秘訣とは、戦略×学力×家庭教育だと思っていましたので、学力以外で合格に近づける方法にも関心を持っていました。

学習面では、夏前から朝6時起床で朝勉をし、夜11時就寝という生活習慣を継続。1月後半からは、入試の時間に合わせて過去問を解かせていました。その目的は、朝8時から正午過ぎまで、脳が最高のパフォーマンスを発揮する土壌を作るためです。また万一入試会場で時計が動かなくても自分は体内時計で計れるという安心感を育てるためでもありました。

また正解は分からないのですが、タスクの可視化とシミュレーションを同時に行える「受験スケジュール表の作成」と「願書の記入」についてもしっかり考えました。 スケジュール表は、縦列に受験校を、横列には日程をとり、各校出願から受験料の納付、持ち物、入試期間中の役割分担(入試アテンド、各種手続き、追加受験校への出願~入試アテンドまで)、移動時間と経路、合格発表時間、手続き締め切り時間など、期間中のすべてのタスクを記載しました。この表を見ればいつ誰が何をすべきなのか分かるように作業を請け負う人を色別で表記しました。

願書は、合格してもらいたい生徒像を考えることからはじめ、娘の希望通りに本人が志望理由を考え書きました。入学後先生から「(本人直筆の願書だったので)どんな生徒が入学してくるのか、楽しみにしていました」と言われました。娘はとても喜び、塾の後輩に伝えていたようです。

和田みゆき先生からのアドバイス

様々な心理学の研究で明らかになっていますが、最も合格に影響を与えるのは、心のあり方です。理由は、学力があってもメンタルが弱ければ結果を出せないからです。

入試直前に、心身の体調を崩すかもしれません。自信を失うかもしれません。また試験中に緊張するかもしれません。直前期に親として手伝えることは、最悪のケースを想定しその対応策を子どもに伝えることではないでしょうか。私は「何が起こってもあなたなら必ず対応できる」という自己暗示で背中を押したくて自己効力感を高める3つの行動をしました。

①自己信頼感を高めるために過去の小さな成功体験を伝える
練習で毎回失敗してもピアノの発表会本番で間違わなかった経験や、小テストはできなくても学期末テストは優秀な成績だった成功体験などを思い出し伝えました。

②悔いを残さない全力疾走
結果は大切ですが、一番大切なのは自分に与えられた課題に全力で臨むことです。私は全力で努力したからこそ結果を出せたオリンピック選手や野球選手の努力の話や成功までのマインドの話をしました。

③入試のイメージトレーニング
入試当日のシミュレーションとイメージトレーニングを行いました。 例えば、歯を食いしばってその後に力を抜いたり、手を強く握って拳を作り10数えてから手を開くなどの筋弛緩法で緊張感を和らげる方法を伝えたり、解き方を思い出せない状況から解答できた姿や試験中に困りごとがあった際に、試験官に手をあげ状況を伝えるイメージトレーニングなどを行いました。

たなかみなこ先生本番に向けてのメンタルサポート
たなかみなこ先生

心の健康管理とは?

受験直前期2

みなさま、こんにちは。「最高に楽しい中学受験を叶える!」勇気づけ子育てコーチのたなかみなこです。すでに1月に入り、埼玉入試、千葉入試、そして東京入試まであと少し! その後は神奈川入試と続いていきます。

今回のテーマは、本番に向けての健康管理(心身)、願書、前日・当日の過ごし方、受験当日の送り出し方です。
前編では、その中で、私自身がもっとも重要だと思っている、1月から本命試験までの間に浮き沈みが激しくなるお子さまの「心の健康管理」について考えていきます。そのため、この時期の我が家の様子を踏まえ、どのように乗り越えたかをお伝えしていきたいと思います。

我が家の1月は、娘と話し合い、本人の意思を尊重した上で担任の先生と相談し、ほぼ学校を休ませていただき試験に備えました。娘の第一志望校は難しいレベルの中学校であり、その当時の学力としても合格できる確信が100%あったわけでもなく、何が何でも万全な体制で臨みたかったのだと思います。成績的にはかなりぎりぎりだったのですが、第一志望校に向けた娘本人の「中学は絶対に自分が行きたい学校に行く!」という強い信念が揺らがなかったことが、私にとっての安心材料でした。
また、6年前、小学校受験にご縁がなく、悔し涙を流した経験がある娘の「今度こそは!」という気迫も感じていました。そのため、親である私もできる限りのことはしたいと思い、娘のチャレンジに向けての環境づくりをできるかぎり100%に近づけようと努力しました。

とはいえ、私にも目標があり、仕事でも日々忙しくしておりましたので、娘とずっと一緒にいてあげることはできません。ですので、私がいない家庭での時間をどう過ごすか?はすべて娘任せとなりました。

受からない病にかかってしまった娘

一人でどう過ごしていたかを聞いてみたところ、もちろん勉強だけに集中することはできていなかったそうです。
当時、YouTubeの動画にはまっていた娘ですが、勉強時間を増やすため、「YouTubeの動画は勉強しながらでないと観たり、聴いたりしてはいけない」というルールを自分で決めていたのだとか。この工夫は娘にとっては秀逸で、動画を見たいという願望を、理科や算数を学ぶモチベーションにつなげることができたようです。

そんな娘でしたが、受験に関しては1校目合格、そして2校目不合格となり、いよいよ次は第一志望校の試験!となり、不合格になった現実を重く受け止めてしまい、
「受からない、受からない病」
にかかってしまったのでした。
「私なんか受からないかもしれない…。」
という言葉が頭の中をグルグルと回るようになり、空虚感でいっぱいになってしまいました。

そんなとき、大好きな塾の先生が、娘の浮かない様子に気づいてくれました。
「あ、受からない、受からない病にかかってるな。いるんだよな、毎年、そういう人が! けど、そういう人に限って受かるんだよ。逆に受かる、受かる病にかかる人は受からないんだよな。」
と笑い飛ばしてくださり、そのおかげで、自分の見えている現実をリフレーミング=見方(視点)を変えることができ、
「大丈夫!イケるかも!」
と、思い直せたのだそうです。

娘が「受からない、受からない病」にかかり、脱したのは、第一志望校の本番の1週間前でした。娘の様子を見逃さず、試験直前のメンタル低下を助けてくださった先生には、感謝しかありません。

たなかみなこ先生からのアドバイス

「1校は不合格をもらっておくこと」が、本気スイッチを入れるのに必要であると、塾の先生方から教えていただきました。ですが、11歳、12歳では不合格を受けとめきれないこともあります。
まさに我が家の娘は「受からない、受からない病」にかかってしまったのでした。
我が家の場合、低学年から通塾していたこともあり、約4年間もお世話になっていた先生であったため、娘の様子がいつもと違うということにいち早く気づいてくださり、事なきを得ることができました。ですが、そこまで長い期間、同じ先生にご指導いただけるということも珍しいのではないかと思います。

であれば、どうすればいいか?ですが、私たち親が(とくに母親)子どもの様子にいち早く気づく必要があります。そして、その様子に気づいたらすぐに塾の信頼できる先生にお知らせすること。このアクションを素早く行うことで、お子さまのメンタル低下を最小限にすることができると思います。大事なことは「親がなんとかしようとしないこと」ではないでしょうか?
私たち親は中学受験のプロではありません。ですから、ここぞ!というときのメンタルケアはプロである先生にお任せするに限ると思います。
先生方は、どうすれば子どものメンタル低下を最小限にし、そしてモチベーションを上げるか?をよくご存じのはず。

親が変に気をまわして
「どうしたの?」
と質問攻めにすることで、さらにメンタルを低下させてしまいかねません。大事な我が子のことだからと、親が一人で抱えこまないことがポイントだと思います。お子さまが落ち込んでしまっていたら、迷わずプロである先生の力をお借りしましょう!

1月のワンポイントアドバイス
和田みゆき先生の心理学「入試結果の捉え方【前編】」

今月は家庭教育家の和田みゆきが、入試結果の捉え方についてお届けします。

毎年、入試後1年、2年音信不通になるお母さまがいらっしゃいます。入試結果を重く受け止め過ぎてしまうからなのですが、私も同じ経験をしたのでお気持ちが手に取るように分かります。だからこそお伝えしたいのです。合否結果と人生の幸せはリンクしていません。結果に関係なく子どもたちは中学生活を満喫できますし、未来は明るいです。ご縁があったご家庭は大いに喜びましょう。万一希望にそぐわない場合は親子で「終わりと始まりのけじめ」をつけましょう。

例えば、悔しさを分かち合ったり、「よく頑張ったね」の一言で終わらせたり、子どもが前を向くまで静かに見守ったり、今まで勉強優先で我慢してきたことを自由に行うなど、戦いの後ですからまずは労ってあげましょう。次に親子で大声で「受験は終了。今日から新しい未来が始まる!」と叫んだり、氏神様にお参り報告するなど、非日常の行事を入れることで落ち込む気持ちに終止符を打ちます。

子どもにとって最も大きなダメージはお母さまの落ち込みです。子どもは親の態度に大変敏感で、無意識下で結果を出せなかった自分に「ダメレッテル」を貼ってしまいます。その影響は中学入学以降も続き自己暗示となります。だからこそ終わりのけじめをつけ、新しく始まる未来に向かわせてあげましょう。

次週は、感情と事実を切り離して物事を受け止めるABC理論をご紹介します。入試の捉え方、物事の捉え方が軽くなります。

次回は入試結果の捉え方【後編】です。

和田みゆき先生

和田みゆき先生 プロフィール

家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。 他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて人材育成研修を提供している。
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たなかみなこ先生

たなかみなこ先生 プロフィール

娘が2歳半のときにコーチングでの子育てを開始。毎日、娘をコーチングで育ててきた自称「リアル子育てコーチ」。幼稚園受験、小学校受験を経験するも、コーチングスキルも道半ばで、誘導的になってしまったこともあり、敗退。その後、日々の娘との対話により、コーチングのスキルを高め、さらにアドラー心理学の「勇気づけ」を学び実践することで、独自の子育てコーチング「勇気づけ子育てコーチング」を確立。娘を女子御三家合格に導くだけでなく、中学受験ママを支援し、御三家を含む多数の第一志望校、難関校合格をサポート。「中学受験で子どもと一生の絆ができた」と好評を得る。 元ANAグランドスタッフであり、大学・専門学校でキャリア教育を行う講師でもある。
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次回は受験直前期に親ができること【後編】です。

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※ただ今準備中です。次回のご案内までお待ちください。