2月のテーマ「試験結果の捉え方【前編】」

inter-edu’s eye
今回は和田みゆき先生、たなかみなこ先生に試験結果の捉え方というテーマで2週にわたりアドバイスをうかがいます。結果を受け入れているご家庭も、そうではないご家庭も必見の内容です。

和田 みゆき先生入試を良い思い出にするか辛い思い出にするかは自分次第
和田 みゆき先生

気持ちの切り替えが上手な親子の実話

試験結果の捉え方1

みなさま、こんにちは。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスをしている家庭教育家の和田みゆきです。

2018年度の中学入試はほぼ終わりました。受験生のみなさま、ご家族のみなさま、本当に本当にお疲れ様でした。長らくのプレッシャーから解放されて、今は小学6年生としての残り少ない貴重な時間を、親子で楽しんでいらっしゃることと思います。

また新6年生のみなさま、いよいよですね。脳科学の研究では楽しむ気持ちが結果に大きな影響を与えることが分かっています。最後の1年こそこの貴重な機会を大いに楽しむ視点で伴走をなさってください。結果にフォーカスすると本質からズレるので意識を持って臨みましょう。

さて私が中学受験の本当の素晴らしさに気づいたのは、入試後冷静な気持ちで振り返ったときでした。それまでは試験結果を重視してしまい、結果以外は何も見えていなかったのです。

その反省を踏まえ、今月は私同様に合格結果しか見ていなかったAさん親子の心の葛藤を通して、試験結果の捉え方についてお届けいたします。

中学受験で第一志望校に合格できるのは、わずか3割。多くの子どもたちは苦い経験をしながらもそれを糧に、明るい未来へ向かっていきます。しかし中には親が大変落ち込まれる場合があります。Aさんもそうでした。お子さまへの愛情の深さと、塾からのお墨付きで、不合格想定をせぬまま受験をしたのです。結果を受け入れるのには、誰かの力と時間が必要でした。

ある2月の下旬の朝、Aさんから「高校受験でオススメの塾を紹介してください」と連絡が入りました。

子どもは予想以上に強い?

1か月ぶりのLINEからは、合否結果とAさんの必死なお気持ちが読み取れました。私は高校の塾探しよりもAさんの気持ちを切り替えることが大切だとお伝えし、お会いしたのです。

Aさんは、涙ながらに話してくださいました。本命校の不合格を知ったお嬢さまが泣き崩れその姿が忘れられないこと。直前特訓を受けさせず自宅学習をさせたこと。かける言葉が見つからないまま残りの2日を受験させた後悔など、自分の選択が娘の人生を変えたと思っていらっしゃいました。

また嬉しかったこととして、試験日の朝に「ラストだから頑張って!」と励ました言葉がプレッシャーになったのではないかとお嬢さまに謝ったら『ママの送り出しの言葉は力になったよ』と励まされ驚いたことを教えてくださいました。

そうなんです。過酷な中学受験を体験した子どもたちは、もう大人の入り口に立っているのです。このような言葉かけだけで結果が変わるほど、弱くなどないのです。それよりも母親が悲しむ姿を見て結果を出せない自分を責めてしまうのです。

Aさんと私は、全力を出し切り受験後は清々しい思いと解放感溢れる生活をされているお嬢さまの強さから、成長の喜びを分かち合いました。辛いことも楽しかったことも、涙と笑いで思い出にしていきました。

すべての経験は、人生に必要だから起こっただけのこと。切り替えが早い子ども時代の苦い経験は、人生の汚点ではなく財産であると私は思うのです。

和田みゆき先生からのアドバイス

Aさんのお嬢さまは全力を出し切っていました。そして気持ちはもう中学のバスケ部で親友とスタメンを目指すことも決めていました。素敵ですね!
私とAさんは、そんなお嬢さまのいいところ探しに始まり、Aさん自身の褒めワーク、そして受験に対する思いを今に置くワークを行い、感情の解放を行いました。
例えば、後悔したことや良かったことを書き出すのです。書いてみると不思議なもので、良かったことが後悔点の2倍も出てきて、Aさんは次第に明るい気持ちになっていかれました。

さらに高学歴と幸福度の関係性の研究結果や小学校卒の松下幸之助さんの話、Aさん自身の50代の夢、アフリカの飢餓やワクチン不足の話、中東の内乱へと話を広げ、中学受験がAさんやお嬢さまにとってどれだけ重要であるのかを一緒に考えました。

あえて大きな問題や解決できない社会問題に向き合っていただくことで、俯瞰思考や解決できない問題は横に置いておいても良いということなどをご体験いただいたのです。

Aさんはその日以来すっかりお元気になられました。書き出して可視化したり、泣いたり笑ったりしたことで、感情の解放を行ったからです。辛さの正体を明らかにして感情を動かすと、人は前に進めます。詳しくは次回説明しますね。

中学受験は、結果そのものよりも、そこから何を学び次に活かすのか、そしてプロセスや感情を掘り下げ分析することが大切なのかもしれません。

たなかみなこ先生中学受験で何が学べたか?
たなかみなこ先生

合格も不合格も糧にできるように工夫

試験結果の捉え方2

みなさま、こんにちは。「最高に楽しい中学受験を叶える!」勇気づけ子育てコーチのたなかみなこです。この記事が公開されている頃は、2019年入試はほぼ終了。と同時に、塾学年も上がって「次はうちの番!」と気を引き締めている塾学年6年生(実際は5年生)のご家庭も多いことと思います。

「ママコ・ネクション」の、年間を通じてのテーマは「楽しむ中学受験」でした。
試験、結果発表、そしてお子さまの進学先が決定し、喜びに包まれたご家庭、涙を飲んだご家庭、高校受験にリベンジを誓ったご家庭、様々だったかと思いますが、結果として中学受験を「楽しむ」ために、どう結果を捉えたらよいのか?を2回に渡ってお届けして参ります。

まずは、合格・不合格に関する結果の捉え方です。
私も娘も、娘が通っていた塾の教えから「受かった学校が行くべき学校」だと思っていましたし、私自身は、「中学受験の失敗は親がつくるもの」だと、自分に対して繰り返し言い聞かせていました。
そのため、決して「失敗」を作ってはならないと「第一志望以外はすべて第二志望!」という位置づけにし、どんな結果であれ「よくやったね!」とそれまでのプロセスに目を向けることが大事なんだと握りしめてきました。
具体的にどのようにしたか?といいますと、合格のときも不合格のときも「この学校を受験して何を学べた?」と必ず学べたことを話し合い、合格も不合格も糧にできるように工夫をしました。

振り返りのコツは「横から目線で」「仲間として」

「必ず学べたことがある!」「必ず成長できた部分がある!」そう捉えてみると、たくさんの学びや成長があったのではないでしょうか? なので、まずは、「この中学受験で何が学べたと思う?」「自分のどこが成長したと思う?」と、親子で振り返ってみてはいかがでしょうか? 振り返りのコツは、上から目線にならないよう「横から目線で」「仲間として」話し合うことです。

我が家の中学受験は、4校受験で1校不合格、3校合格でした。
その経験からの学びですが、
●娘が学べたことは、「結果は自分次第である」
●私が学べたことは、「私が大丈夫であれば、娘は大丈夫」
●娘が成長できた部分は、「最後まで諦めずに挑戦できたこと」
●私が成長できた部分は、「今度こそはと、親主導の受験にしなかったこと」
ということだったかと思います。

恐らく、中学受験という大きな挑戦をしなければ、どれもこれも学べないことであり、親子ともに成長もなかったかもしれません。
とくに私は、幼稚園受験、小学校受験と親主導で受験を無理に進めてきてしまった黒歴史があるのですが、娘を追いつめてしまったことを反省し、今回の受験は娘に任せよう!と決めることで、ようやく「娘が主役」の受験とすることができました。
娘も大きく成長しましたが、私も親としてやっと成長できた…。そんな風に捉えることができた中学受験となりました。

たなかみなこ先生からのアドバイス

私たち親も、ここ一番!というときに緊張してしまって、うまく実力が発揮できなかったということはないでしょうか? 中学受験もその一コマではあるものの、お子さまよりも親がその結果を引きずってしまうことってあると思うんです…。私の場合は、それを幼稚園受験、小学校受験のときに経験しました。

私は、娘が不合格になった後、その幼稚園や小学校の制服を着ているお子さまと遭遇すると、言葉遣いや身だしなみなどを比べてみたり、「なぜうちの子は不合格になってしまったんだろう…。」受験に向けて過ごした日々や試験の当日を思い出しながら、ため息をつくことも何度もありました。また、自分を責める気持ちも大きくありました。
けれども、ふと目をやると、「今」を思いっきり楽しんでいる娘がいます。親が思うよりも子どもは柔軟で、新しい環境にぐんぐん馴染んでいきます。置いてきぼりになっているのは私の心だけなのかもしれない…。そんな風に捉え直したことで、心が軽くなるような気がしました。
そして、時間はかかりましたが、「起こったことはすべてベストシナリオだった」そう思うことができるようになったのです。
あのとき、幼稚園、小学校に合格していたら、今の私も娘もいなかったわけですから…。

結果が出たということは、次に向かうときが来た!ということ。
いつまでも過去にしがみついていたって、子どもの幸せは訪れません。ご一緒に振り返ったら、さあ、お子さまの輝く未来に向けて次に進みましょう!

2月のワンポイントアドバイス
たなかみなこ先生の心理学「承認【前編】」

今月は、勇気づけ子育てコーチのたなかみなこが、コーチングの3大スキル(傾聴・質問・承認)の中の1つ「承認」についてお伝えしていきたいと思います。
「承認?何それ?それも技術なの?」
と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

「この子には、やる気スイッチがないのかしら?」
「なぜ、この子は自信がないのだろう…。」

日々、お子さまと接していてそう思ったことはありませんか?
実は、この「承認」のスキルは、やる気がなかったり、自信がないお子さまを伸ばす特効薬なんです! 私も、娘の「やる気」や「自信のなさ」をこの「承認」で乗り越えてきました。ぜひ、日々のお子さまへの対応に取り入れて、お子さまの「やる気」を上げていきましょう!

「承認」とは、子どもの良いところを見て、心にとめること。それを言葉に出して伝えることです。ですが、私たちがよく子どもにしてしまうことは、子どもの悪いところを見て、言葉に出して伝えることではないでしょうか?
「またゲームばっかりやって!」
「いつになったら宿題やるのよ!」
いわゆるダメ出しですね。ですが、ダメ出しをしてお子さまはイキイキと宿題や勉強に取り組むでしょうか?
そこで「承認」の出番です!

どうすればよいか?ポイントは2つあります。
●相手のいいところを探す
●当たり前のことを認める
例えば、何も言わなくても宿題にとりかかったお子さまを承認するとします。
「何も言わないのに自分から宿題してるんだね! 自分から動けるって素敵なことだと思うよ。」
と、「自分から動けること」を承認します。

「それが毎日だったらいいのだけれど…」というお声も出そうですが、自分の行動を承認されることで自己肯定感が上がるため「やる気」にも繋がります。こまめに承認することで、その好ましい行動が習慣化するということもあるでしょう。

しっかりお子さまを観察し、ちょっとした変化や成果にも気づけるよう意識して言葉にすることで「承認の達人」となることができます。 どんどん「承認」して、お子さまのやる気を引き出し、自信のある子に育てていきましょう!

次回は承認【後編】です。

和田みゆき先生

和田みゆき先生 プロフィール

家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。 他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて人材育成研修を提供している。
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たなかみなこ先生

たなかみなこ先生 プロフィール

娘が2歳半のときにコーチングでの子育てを開始。毎日、娘をコーチングで育ててきた自称「リアル子育てコーチ」。幼稚園受験、小学校受験を経験するも、コーチングスキルも道半ばで、誘導的になってしまったこともあり、敗退。その後、日々の娘との対話により、コーチングのスキルを高め、さらにアドラー心理学の「勇気づけ」を学び実践することで、独自の子育てコーチング「勇気づけ子育てコーチング」を確立。娘を女子御三家合格に導くだけでなく、中学受験ママを支援し、御三家を含む多数の第一志望校、難関校合格をサポート。「中学受験で子どもと一生の絆ができた」と好評を得る。 元ANAグランドスタッフであり、大学・専門学校でキャリア教育を行う講師でもある。
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次回は試験の結果の捉え方【後編】です。

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※ただ今準備中です。次回のご案内までお待ちください。