2月のテーマ「試験結果の捉え方【後編】」

inter-edu’s eye
今回は前週に引き続き和田みゆき先生、たなかみなこ先生に試験結果の捉え方というテーマでアドバイスをうかがいます。中学受験を「しなければよかった」ではなく「挑戦してよかった」にするためにはどうすればいいのでしょうか?

和田 みゆき先生たとえ中学受験でうまくいかなくても
和田 みゆき先生

入試を素敵な思い出にするには?

試験結果の捉え方後編1

みなさま、こんにちは。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスしている家庭教育家の和田みゆきです。

首都圏入試から、3、4週間が経ちました。お子さまのご様子、みなさまのお気持ちは晴れやかでしょうか? 中学受験が過去の思い出になり、卒業式や中学生活の準備に気持ちが向かっているなら大丈夫! 今週も先週に続き気持ちの切り替えがもう一息の方に向けて、Aさん親子のその後についてお伝えします。

我が家の初めての不合格通知は、娘の幼稚園3年保育受験でした。本人は不合格の意味もわからずケロッとしておりましたが、私は初めてのことだったので、その事実が受け入れきれず悶々とした気持ちで1年を過ごしました。
その経験があったので、中学受験では、楽しい親子時間になるように工夫を凝らしました。例えば記憶術を取り入れたり、脳科学の研究事例を真似てみたり、素人ながら挑戦することが楽しくなるよう、勉強に関する情報は日々収集しました。

その中でとくに楽しかったのは様々な想定をしたイメージトレーニングでした。目標を達成するための細かな行動管理表やチェックシートを作ることも、新鮮で楽しかったです。

入試を素敵な思い出にするのも、辛かった思い出にするのも、自分の捉え方と行動によると、この頃から感じ始めました。

中学受験で失敗した親子と3年ぶりの再会

先週ご紹介したAさん親子の話の続きです。

2月下旬に、中学受験を手放すいくつかのワークに取り組んでいただいたAさんは、お嬢さまが中学に進学するとお仕事に就かれました。
Aさんのお話によると、お嬢さまは宣言通りバスケ部に入部し、中学受験での苦い思いを忘れることなく勉強に励み、成績は常に上位をキープしていたそうです。今度こそ桜を咲かせるといつも言っていたそうです。そして高校受験の結果はもちろん第一志望校に合格。それも誰もが知る超難関校です。中学受験のときと違い、自分の意志で選んだ学校です。

3年ぶりにお会いしたAさんは、合格掲示板の前で笑顔に満ち溢れたお嬢さまの写真を見せてくださいました。そしてこうおっしゃったのです。
「中学受験では、押さえ校にもご縁をいただけず家族で落ち込みましたが、今はあのときに先生が言っていた意味がよく分かります。娘は○校に進むためにあのときに合格しなかったんじゃないかとまで思うんです。○校は娘が大学のことまで考えて選んだ学校です。娘に合っていると思いますし、高校生活を想像しただけで本当に嬉しくて嬉しくて、家族でワクワクしています。こんな日が来るなんて。あのとき不合格で良かったと娘と話していたんです」

『置かれた場所で咲きなさい』渡辺和子さんのご著書です。置かれた場所こそがあなたの居場所。Aさん親子は私が差し上げた本を何度も読んでくださり、見事に置かれた場所で咲いてくださいました。

和田みゆき先生からのアドバイス

中学受験直後のAさんは、辛いながらも不合格には意味があることを理解してくださった方でした。

Aさん親子のように、本命校に進学しなかった子どもたちのほぼ全員が、志望先を間違えたのではないかと思えるほど、進学先で見事な花を咲かせています。すべては捉え方受け止め方から始まるのだと今年も強く感じています。

さて先週ご紹介した「感情解放の方法」をご紹介します。泣いて笑って幸せを満喫し、中学受験をその場に置く方法です。何にでも使えるので、ぜひ試してみてください。

●中学受験で良かったこと、辛かったことを、最低20個ずつ思い出し、紙に箇条書きにする
→このとき湧いてきた感情があれば、大いに出してください。止めずに出すことで、中学受験への思いを終わりにできます。人前や大声でワンワン泣いたりすると、より効果が高いと言われています。
とくに悔し涙や怒りの涙は(交感神経に作用して出る涙なので舐めるとしょっぱいです)同時にストレス物質も排出すると言われているので、泣いた後はスッキリします。

●中学受験で楽しかった親子の思い出・子どもの思い出を上記同様に最低20個箇条書きにする
→このとき割り箸を横一文字にして口にくわえ、笑った口の形を作って書き出します。
カリフォルニア大学の研究で、笑顔を作るとわずか10秒で緊張が緩和し、幸せな気持ちになれることが発表されています。
笑顔になると3つの幸せホルモンと呼ばれる物質が出て、ストレスが解消されるので、ぜひお試しくださいね。

たなかみなこ先生中学受験の勝因は?
たなかみなこ先生

ヒーローインタビューのススメ?

試験結果の捉え方後編2

みなさま、こんにちは。「最高に楽しい中学受験を叶える!」勇気づけ子育てコーチのたなかみなこです。
今月は「試験の結果の捉え方」をテーマに、結果として中学受験を「楽しむ」ためにどう結果を捉えればよいか?についてお届けしています。

前回は、「中学受験で学べたこと」を親子で話し合うということをオススメしました。今回は、ヒーローインタビューのススメです!

ヒーローインタビューと言えば、試合に勝ったヒーローに向けて行うインタビューのことです。
野球、サッカー、フィギュアスケート、最近では、テニスの4大大会、全豪オープンで優勝し、世界ランキング1位となった大坂なおみ選手のインタビューが記憶に新しいでしょうか。
その「ヒーローインタビュー」をお子さまにしてみてはいかがでしょうか?

中学受験をされたお子さま一人ひとり全員が、サッカーで言えば「侍ジャパン」であり「なでしこジャパン」であったはずです! その快挙を称えてのインタビューをしてみましょう。

私も娘の中学受験が終わったとき、手をマイクのようにして「お気持ちはいかがですか?」「勝因は何だったのでしょう?」などとインタビューをしたことを思い出します。

我が家の場合は、娘もノリノリでヒーローになりきり、
「1校目の勝因は、塾長からのアドバイスだと思います。」
「第一志望校の勝因は、激励に来てくれた受付の先生と、そのときにもらった大好きな先生からのメッセージカードだったと思います。」
と答えていました。やはり塾の先生のアドバイスやメッセージがとても大きかったようで、改めて塾の先生方への感謝の気持ちが私の中にも湧いてきたことを憶えています。

中学入学後に繋がるような発見をするために

また、インタビューをすることで、親の目からは見えていなかったことや、娘自身も気づかなかったことも見えてきました。

我が家の場合は、
「不合格になった学校の試験の最中にどんなことを考えていたの?」
とインタビューすることで「プレッシャーを感じてしまう原因」が分かったのです。

その日、不合格になった共学校の試験当日の朝、塾の先生から激励を受けるとき、娘は自分よりも常に成績の良い男子メンバーと一緒でした。
そのメンバーたちの実力も志望校も知っている娘は、実際に受験する教室に入ったとき、周りの男子受験生を見ながら
「この子も筑駒受けるのかな、開成受けるのかな。」
と勝手に決めつけて、どんどん自分から緊張していったのだそうです。
そして、
「そんな優秀な人にとても及ばない私が合格するわけがない。」
と、諦めモードで答案に向かっていたのだとか。

この経験から見えてきたことは、
「周りを意識してしまうと緊張して無理だと思ってしまう。」
ということでした。

娘にインタビューしてみることで、
「良い結果を出すためには、周りを意識せずに取り組むことが大事なのだ。」
と娘自身も気づいたようです。
この気づきを、今後に活かしていってほしいなと思っています。

中学受験は、たくさんの親子の成長・気づきの宝庫です。
ぜひヒーローインタビューを行うことで、お子さまが頑張ってきたプロセスを労いつつ、中学入学後に繋がるような発見をしてくださいね!

たなかみなこ先生からのアドバイス

中学受験というものは、あっという間に、本当に突然終了してしまいます。
いつ終わるんだろうかとドキドキしていたかと思ったら、突然合格がやってきて終了ということもあります。合格発表後は、喜びや様々な感情にひたったかと思いきや、振り返る間もなく、入学手続き、説明会、制服採寸などに追われていきます。
「何年もかけてこんなに準備してきたのに…。」
とあっけなく感じてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?

私自身も、中学受験が終わってから、なんだか心が空っぽになったような気持ちになりました。
また、我が家では、合格発表直後に、受験が終わったら買う約束をしていたスマートフォンを娘と買いに行ったため、その日から友達とのSNSでのやり取りがスタート。自分だけの世界への第一歩を踏み出す娘を、頼もしくも淋しく感じていました。

だからこそ、
●親子で受験に向かった何年間かを振り返り、その日々を力に変えること。
●中学という新しい世界へ旅立つために、一旦区切りをつけること。
そのための儀式といいますか、通過儀礼を行おう!と私自身考え、娘へのインタビューを行ったのです。そして、とてもいい親子の時間を創ることができました。

「中学受験で何が学べたかな?」という振り返りでもいいですし、今回のご提案であるヒーローインタビューでもいいと思います。
必ず、親子で「やってよかったね!」と思える思い出にするための時間をつくってほしいのです。
「終わりよければすべてよし」です。

通過儀礼を行うことで、私たち親も、子どものさらなる自立に向けて気持ちを改めていくことができます。

結果がどうであれ、名実ともに中学受験を終わらせて「すべてがベストシナリオだった!」と振り返れるような思い出にすること。

これこそが、中学受験における「私たち親にしかできない大切な最後の仕事」ではないかなと、私はそう考えています。

2月のワンポイントアドバイス
たなかみなこ先生の心理学「承認【後編】」

今月は、勇気づけ子育てコーチのたなかみなこが、コーチングの3大スキル(傾聴・質問・承認)の中のひとつ「承認」についてお伝えしています。
「承認」とは、子どものいいところを見て、心にとめること。それを言葉に出して伝えることです。
前回は、
●相手のいいところを探す。
●当たり前のことを認める。
という2つのポイントをお伝えしました。

今回は、普段から娘のやる気を引き出すために、実際に私が「子どものコーチ」として心がけている「承認」の方法をお伝えしたいと思います。

中学校に入学しても、勉強は続きます。定期テストも始まります。部活もありますし、子どもの世界は広がっていくばかりです。もちろんすべてに全力で取り組んでくれるようなお子さまであればよいのですが、我が家の娘は自分の興味があるものにしか頑張らないタイプなため、
「ホントにそれで大丈夫なの?」
と、ハラハラドキドキ心配してしまうこともよくあります。

ですが、そんなときは、朝起きてから登校まで、帰って来てから寝るまでの行動を「すべてを肯定」して「承認」するようにしています。

◆決まった時間より遅く起きてきても「〇分には起きたね。」
◆宿題が終わっていないと伝えられても「そんなこともあるよね。」
◆親から見ると取るに足らない発見であっても「よく気づいたね。」

という感じです。すると、早くてその日のうち、翌日には娘の行動がみるみる前向きに変化していきます。「承認」はやる気を引き出す魔法のスキルなのです!

「そんなことイライラしてとてもできそうにない!」と思われるかもしれませんが、そういうときこそ思い出してほしいのは、
「親子は上下の縦の関係ではなく、仲間であり横の関係である。」
というアドラー心理学の教えです。

もちろん、私もときにはイライラしてしまい、子育てコーチとしてNGなことをしてしまうこともあります。ですが、私たち親が子どもを日々「承認」することでしか、子どものやる気を引き出す道はないと仕切り直しをしています。

どうか、中学受験の応援に、中学校生活のご支援に「承認」することを取り入れ、お子さまのやる気を日々引き出せる「子どものコーチ」になってくださいね! 応援しています!

次回は目標設定です。

和田みゆき先生

和田みゆき先生 プロフィール

家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。 他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて人材育成研修を提供している。
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たなかみなこ先生

たなかみなこ先生 プロフィール

娘が2歳半のときにコーチングでの子育てを開始。毎日、娘をコーチングで育ててきた自称「リアル子育てコーチ」。幼稚園受験、小学校受験を経験するも、コーチングスキルも道半ばで、誘導的になってしまったこともあり、敗退。その後、日々の娘との対話により、コーチングのスキルを高め、さらにアドラー心理学の「勇気づけ」を学び実践することで、独自の子育てコーチング「勇気づけ子育てコーチング」を確立。娘を女子御三家合格に導くだけでなく、中学受験ママを支援し、御三家を含む多数の第一志望校、難関校合格をサポート。「中学受験で子どもと一生の絆ができた」と好評を得る。 元ANAグランドスタッフであり、大学・専門学校でキャリア教育を行う講師でもある。
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次回は新学期準備です。

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「ママコ・ネクション」では、和田先生や、たなか先生によるレクチャー会と座談会を開催予定です。中学受験を通し、悩んでいることについてアドバイスを受けることもできます。

※ただ今準備中です。次回のご案内までお待ちください。