新学期に向けて最高のスタートをきる心と勉強の準備

inter-edu’s eye
3月は和田みゆき先生から、小学校卒業に当たって「中学校生活に向けた心の準備と先生方へのお礼」、そして「新たな中学校生活に向けた勉強の準備」という、2つのテーマについてご紹介いただきます。

和田 みゆき先生小学校卒業~中学校生活に向けた心の準備と先生方へのお礼
和田 みゆき先生

受験が終わった我が家に宝物が

学校生活1

みなさま、こんにちは。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスをしている家庭教育家の和田みゆきです。

2018年の4月にスタートした「楽しむ中学受験ママコ・ネクション」。ついに今月が最終月となりました。1年間お読みくださり本当にありがとうございました。心より御礼申し上げます。

連載に当たり、我が家の中学受験を振り返って、つくづく思ったことがあります。それは中学受験というのは、親子で未来を切り開く「魔法の扉」であるということです。なぜ「魔法の扉」なのかというと、中学受験は合否結果に関係なく、誰の扉も必ず明るい未来へ繋げてくれるからです。努力自体に大きな価値があるため、どの学校に進学しようと、その扉の先には明るい未来しかないのです。

そこで本連載最終月のテーマは「魔法の扉の開け方」ということで、前半では小学校卒業と中学校生活に向けた心の準備・先生方へのお礼について、後半では勉強の準備についてお届けいたします。

さて3月のある日のことです。我が家に宝物が届きました。それは私たちへの感謝の気持ちとたくさんの受験の思い出が書いてある娘からの手紙でした。集団塾の進行ペースについて行けず日々のプレッシャーが苦しかったこと、塾のお友達から聞く別の学校の話が面白かったこと、先生の知識が深く授業が楽しかったことなど、そこには私の知らない娘の世界が広がっていました。

お世話になった塾の先生方へのお礼は?

私は娘の手紙を読みながら、娘が学力だけでなく精神的にも大きく成長をしていたことに気づきました。手紙には「夢を叶えられたのは両親のおかげ」とか「何年も送迎やお弁当作りをしてくれてありがとう」と書いてあり、私は娘がそんなことを考えているとは思ってもいなかったのでたいへん感激しました。今があるのは両親のおかげではありません。本人の努力と能力を引き出し高めてくださった先生方のお力が大きいのではないでしょうか。

では先生方への感謝の気持ちはどのように伝えたらよいのでしょうか。私たちは授業料をお支払いしておりますので、過剰なお礼は必要ないと思います。しかし受験生活を支え、意欲も学力も高めてくださったのは間違いありません。私はきちんとお礼のご挨拶をしたいと考えました。感謝の手紙に心ばかりの品を添えてご挨拶にうかがうことに。拙い文章であっても、娘の感謝の気持ちは本物です。1年間の思い出をぎっしり詰めた感謝の手紙に心ばかりの品を添えて、私たちはご挨拶にうかがいました。

また学校へも家族でご挨拶にうかがいました。受験報告と1~2月にお休みが多かったお詫びのためです。娘は担任の先生とクラスメイト全員にメッセージカードを用意しておりました。先生はたいそう喜んでくださり、翌日先生から皆さんに渡してくださるとおっしゃいました。中学受験で夢が叶わなかった子への配慮ですね。学ばせていただきました。感謝の気持ちを伝えることは大事ですが、周りへの心くばりも大切なことです。私たち親子は中学受験を通してたくさんの学びを得ることができました。

和田みゆき先生からのアドバイス

一見中学受験は、学力のみを争う過酷な競争だと思われるかもしれませんが、前述の通り親子の心が成長する素晴らしい機会でもあります。

その一つに「受験終了後の対応」があります。例えば受験の結果と努力の過程のどちらを重視するのか、ご指導くださった塾や家庭教師、学校の先生方・クラスメイトへの接し方をどうするのかなど、子どもたちは親の言動から価値観を学び成長します。同時に私たち親も自分の価値観を見直し成長するのです。

我が家の場合は感謝の気持ちを手紙にしてご挨拶にうかがいましたが、「先生は仕事で指導したにすぎず結果は我が子の努力の成果」とか「第一志望校に行けなかったのでお礼はしない」という考え方もあります。

対応を迷われる場合は、思考の整理をしてみましょう。以前にご紹介した「紙に書き出し可視化する方法」も有効ですし、今回ご紹介する「一石二鳥の部屋の片付けによる思考整理術」もオススメです。

「部屋の片付けをしていたら、いつの間にか心が落ち着いたり思考が整理できていた」というご経験はないでしょうか。とくに春休みの部屋の片付けは、新たな生活への区切りを可視化できますから一石二鳥です。受験で使用したものを片付け終わると、目の前から不要なものが無くなりますから、本来向き合うべき課題に目を向けやすくなります。過去に置く課題とこれから取り組む課題が明確になって未来を見つめやすくなるのですね。そこまできたら次に取り組んでほしいのは、後編のテーマ「勉強の準備」です。

中学校生活に向けた勉強の準備

合格祝いを英語の塾代に

学校生活2

受験を終えたある朝、娘は「合格祝いの品を変えたい」と言い出しました。受験前に娘が希望していたのは、トイプードルを飼うことやお友達との旅行でした。合格したら犬と散歩をするのだとか旅行では友達と夜まで遊ぶのだとか、それはそれは楽しそうに夢を語りモチベーションを上げて勉強に励んでいたのです。しかし今や娘が希望する合格祝いは「英語の勉強代」です。あれほどほしがっていた犬はもう要らないのか私は不思議に思い、娘に気持ちの変化を聞いてみました。

私はてっきり、チャレンジ校にまさかの合格をした娘は、勉強が不安で落ちこぼれないために英語塾に通いたいのだろう程度に考えていました。ですが、娘は、英語も英語の勉強の進め方も教えてくださる先生が塾にいらっしゃるので、その先生から生き方なども学べば、この先もずっと役に立つと思うからお年玉を使ってでも通うつもりだと説明してくれました。

自分の考えを持っていること、自腹でも通うという意思の強さを確認した私たちは、娘の希望通りに合格祝いを「英語の塾代」に変えました。そして娘は念願叶い引き続きこの塾で今度は英語を学ぶことになったのです。

無事?合格祝いとして英語の通塾コースを手にした娘は、それはそれは楽しそうに春休みも塾に通いました。新しい学校への期待と希望に満ち溢れたその姿は、とても眩しく、親以外の大人に信頼を寄せ自律の階段を登る娘の姿に少し寂しさも覚えました。

入学前にやっておきたいことは?

春休みに英語学習をし始めた娘には、目に見える変化が起こりました。つい数日前までは自分のことで精一杯だったのに「自分のことは自分でする」「家族を積極的に助ける」などの変化が見られるようになったのです。春休みの数日間で一体何があったのか? それは塾の連絡ノートでわかりました。

「本日は教科書の説明後、約40分お嬢さんの質問に答えました」「本日は職業について話し合いました」「本日は世界経済の仕組みについてお嬢さんが調べてきたことにお答えしました」など、およそ英語ではない授業も受けていたのです。(春休みの勉強については、次項に書きました)

事前に「英語以外のことも教えてくださるマーケティングの先生の授業を受けたい」と聞いていましたから、塾から英語以外の雑談が多いことを心配されても、親以外の大人から定期的に正解のない生き方や価値観について話をうかがえることは大変ありがたいことですので「今知りたいことを学ぶ」という娘の思いを優先させてくださいとお伝えしました。

この貴重な学びを経験したことで、娘のものの見方・考え方は大きく変化しました。社会人教師であるからこその教えは、本質を見る、社会で必要とされる能力を知る、情報の扱い方、分析の仕方など多岐にわたり、まさに「独立自尊・実学を大切する」で、娘の職業選択にも大きな影響を与えました。

親の言うことは無視しても、尊敬する先生に言われると、心に響くものですね。私は子離れする時期が近づいていることを感じました。

和田先生からのアドバイス

「先行学習」という言葉をご存知でしょうか。先行学習とは、学期や学年など大きなくくりで大まかに学習内容を把握する予習のことです。

人の心理の特徴に、未知の分野・知らない分野に初めて接するとき、緊張・ストレスを感じるというものがあります。学校生活も同じです。新しい先生、新しいクラスメイト、新しい学習内容には少なからずストレスを感じるのです。しかし勉強については一度教科書に目を通して先行学習をしておくだけで、分野や単語に馴染みができるため、授業中のストレスが減り、抵抗感がなくなるのです。

その素晴らしさは、勉強への不安の解消や、教科への興味・成績向上のきっかけ、得意分野を見つけるチャンスに繋がることだけではありません。授業前に脳内にアンテナが立つので、内容への抵抗感が減り、情報を受け取りやすくなるのです。

娘の場合は、英語の先行学習が結果に結びつきました。春休みに教科書の内容を把握し、知らない単語を調べておいたため、理解力が上がり先生からお誉めいただくこともあったそうです。これがモチベーションとなり英語が得意教科になりました。

中学受験を通して身についた勉強の習慣。ここで分断するのはもったいないです。先行学習を取り入れることで学習習慣を継続したいですね。前述の通り習慣化しやすいタイミングは、進学や引越、年度がわりなどの環境そのものが変わるときです。進学時は生活習慣を整えやすいタイミングなので、初めが肝心。試してみてくださいね。

3月のワンポイントアドバイス
和田みゆき先生の心理学「目標設定」

楽しむ中学受験「ママコ・ネクション」連載の最終月は、家庭教育家の和田みゆきが、目標設定についてお届けします。

2018年6月のママコ・ネクションのワンポイントアドバイスでは、目標設定と目標達成の受験法の中から、夢を実現化した成功者の成功法則として中学受験に活用できるポイントをお伝えしました。今回は中学受験を終えた子どもたちが燃え尽き症候群にならないための目標設定と達成の秘訣についてお伝えいたします。

ブリタニカ国際大百科事典によると「燃え尽き症候群とは、意欲に満ち溢れていた人が、突然無気力や自己嫌悪に陥り、職場不適応や出社拒否などの兆候を示すこと。仕事のみならず、受験勉強に追われる学生、災害ボランティア、教員、介護者などにもみられる兆候」のことをいいます。とくに中学受験生は自己コントロール力が弱いのでケアする必要があります。受験が終わればサポートは終了ではなく、進学先に馴染むまで見守りたいですね。

私は不登校生の支援事業で、燃え尽きてしまった子どもたちと話すことがあります。彼らはよく「もう終わりだ」「終わった」「どうでもいい」などと言うのです。ありのままの自分を愛せず、常に競争し結果を出せる自分にしか価値がないと思っているのです。

私はこれではストレスが溜まり人生を楽しめないのではないかと危機感を感じ、自分の存在の尊さに気づき社会の中で自分を活かすマインドを届けようと思いました。そして大リーガーの大谷翔平選手が高校時代から取り入れ世界のメディアが注目する目標達成術「原田メソッド」(世界20カ国600社80,000人が受講)を子どもたちに伝え自信を取り戻してもらうことにしたのです。

誰でも自分の未来は「今自分が作っている」のですが、この意識を持っている方は少なく、ましてや行動前に目標を綿密に描いて行動計画を練り、日々そのタスクを忠実に実践している人は稀です。しかし実践している方々がいます。それはプロのスポーツ選手です。彼らに倣い家庭で目標達成の方法を伝えてみませんか。

<目標設定方法>
1 家族に夢を話し、紙にまとめる
2 夢の現実のために目標と呼び直し、目標と達成する日付を紙に書く
3 目標が叶うと、誰にどんな利益があるのかを考え、自分と社会全体の気持ちと目に見える利益を5個ずつ書く
4 目標達成に必要な具体的な行動を10個書く
5 ④を実行するために、1日の行動スケジュールを時間付きで書く
6 親子はチーム。親は子どもの目標達成ができるように、定期的に応援やアドバイスをする。
7 目標達成に近づくよう、2週間から1か月ごとに③に戻り修正更新する

家庭教育は、主に親が子どもに生き方や価値観を教える「目には見えづらい教育」です。
私たち親は忙しいため、会話のテーマが結果が伴うもの(テストなど)や未来を大きく変えるもの(進学就職)に偏りがちになります。ですが、家族はチームです。ときには未来を作る楽しいテーマで、夢を語り合い応援しながら子どもの価値観や生き方を育てていきましょう。

そして、子どもは私たち親を親として育ててくれるありがたい存在です。互いの素晴らしさを「活かし愛・助け愛・高め愛い」ながら未来に向かいましょう。

和田みゆき先生

和田みゆき先生 プロフィール

家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。
他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて材育成研修を提供している。
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※3月は1回のみの掲載になります。