eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【日本大学高等学校・中学校】家庭科の学び

実技・芸術科目にスポットを当て、各教科の授業内容をご紹介する日本大学高等学校・中学校(以下、日大中高)の訪問記。最終回は、家庭科の畑岡芙美先生にインタビューします。
 

家庭科室

被服実習と調理実習を1室で行える家庭科室


 

■被服実習は「アクリルたわし」が人気

 
 
――各学年の家庭科の授業で、例年取り組んでいる課題や作品はありますか。
 
家庭科は中1・2、高1の必修科目で、調理実習は3学年全てで行います。このほか、中1で手縫いの基礎縫いや住みやすい部屋づくりを学び、中2で刺し子巾着袋を、高1で雑巾とアクリルたわしを作ります。
 

「刺し子巾着袋」

中2生が作成する「刺し子巾着袋」


高1生が作成する「アクリルたわし」

高1生が作成する「アクリルたわし」


 
――どのような取り組みが生徒に人気ですか。
 
調理実習とアクリルたわしの制作です。アクリルたわしの制作は、編み物に苦手意識を持っていた生徒たちも次第にのめり込んでいきますね。
 
カギ針を使ってアクリルたわしを作る男子生徒

カギ針を使ってアクリルたわしを作る男子生徒


 

■iPadで実技動画を配信

 
――日大中高ならではの取り組みを教えてください。
 
裁縫や調理の実習では実技動作の見本動画を作成し、生徒に配信しています。生徒は各自のiPadで何度も動画を確認し、自分のペースで作業を進めることができます。
 

見本動画

編み物のような細かい作業の確認には見本動画が大活躍!


 
――ほかにもICTの活用例はありますか。
 
授業説明のスライドや課題説明のスライドを作成して生徒に配信したり、投票機能を利用してアンケートを取ったりしています。生徒は課題の進捗状況を画像で提出するほか、生徒同士で意見を共有していますね。
 
中1生は基礎縫い実習の作品を画像で提出

中1生は基礎縫い実習の作品を画像で提出


 
――専用施設の特徴を教えてください。
 
調理実習と被服実習を同じ部屋で行える転換式の作業台があります。また、移動式の電子黒板と壁掛け式のモニターが設置されています。
 
 

■学びの最終目標は「自立」

 
 
――指導にあたり、心掛けていることは何ですか。
 
授業では、実生活に役立つことを学べるように心がけています。裁縫や調理のポイントを的確に伝え、感覚でなく理論的に技術を習得できるようにしています。
 
――教科教育を通して生徒にどのようなことを学んでほしいですか。
 
家庭科の学びの最終目標は自立であり、持続可能社会や共生社会の担い手になれるようにと考えています。
 
――今後チャレンジしたいことや、目標を聞かせてください。
 
これからも、生徒がひとり立ちしたときに役立つ授業を実践していきたいです。衣食住だけでなく、社会生活や、家庭観や職業観の育成など幅広く扱い、人生を生きるための糧となる力を身につけてもらいたいです。そのためにこれからも、裁縫や調理などの実習だけでなく、さまざまな主体的な学習方法を取り入れていきたいです。
 
――最後に、畑岡先生が感じる日大中高の魅力を教えてください。
 
実技系科目を大切に、そして懸命に取り組んでくれる生徒が多いと感じています。「家庭科は必要な科目だ」と断言してくれる生徒が男女問わず大勢いるので、期待に応えられるように頑張っています。
また、教員と生徒の距離が近く、教員の面倒見がよい点です。調理実習をするとお声掛けすると、多くの担任の先生がようすを見に来てくださいます。生徒たちも、担任の先生が見に来てくださると喜んでいます。
 
――ありがとうございました。
 
 

■終わりに

 
日大中高OGで20代のライターさんは、卒業後も長い間、自作のアクリルたわしを愛用していたと語ります。4人の先生へのインタビューを通して、実技・芸術科目の特徴ある学びと、各教科での具体的なICT活用法を知ることができました。

 
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