eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【帝京大学小学校】陶芸窯のある図工室

帝京大学小学校では、学芸会や展覧会、芸術鑑賞会といった行事や日々の授業を通して、児童の創造性を育んでいます。図工室には陶芸窯があり、隔年開催する「帝小陶芸展」では、児童の作品が一般公開されます。そこで今回は、学校で陶芸をする意義を図工科の先生にうかがい、さらに3年生の図工の授業に潜入取材してきました。

 

建築家・隈 研吾氏が設計した帝京大学小学校の校舎。校内には遊び心がある“隠れ階段”など、児童の感性を刺激するしかけが散りばめられています。

建築家・隈 研吾氏が設計した帝京大学小学校の校舎。校内には遊び心がある“隠れ階段”など、児童の感性を刺激するしかけが散りばめられています。

 
校舎について取材した記事はこちら

 
 

■陶芸で知る「土」の変化

 
お話をうかがったのは、図工科の村上弘美先生です。授業が始まる前の、まだ静かな図工室で陶芸窯を見せていただきました。

図工科の村上先生。

図工科の村上先生。


 
陶芸窯。図工室の角の小部屋を占領するほどの大きさです。

陶芸窯。図工室の角の小部屋を占領するほどの大きさです。

 

エデュ:小学校に陶芸窯があるのは珍しいことですね。1年生から陶芸をするのですか。

村上先生:そうなんです。1年から6年までの全学年で、毎年、図工の授業で陶芸を行います。

エデュ:児童は陶芸で何を学びますか。

村上先生:陶芸をすることで、児童は土が変化するようすを目の当たりにします。粘土のとき、乾いたとき、素焼きしたとき、色を付けて本焼きしたとき、それぞれの段階で、叩いたときに響く音や質感は異なります。児童が「こんな風に変わっていくの!?」と驚く土の変化は、紙粘土や油粘土では見せることができません。1つの作品ができるまで時間はかかりますが、灰色だった土粘土がキラキラとしたガラス質の釉薬(ゆうやく)をまとった作品に仕上がったときの感動は、陶芸制作ならではのものだと思います。

 
3年生による、制作中の「泉のある島」

3年生による、制作中の「泉のある島」(写真上)。陶芸をする時期には、こうした制作途中の作品が図工室の一画を埋め尽くします。

3年生による、制作中の「泉のある島」(写真上)。陶芸をする時期には、こうした制作途中の作品が図工室の一画を埋め尽くします。


 
作品を見比べるだけでも、表面のざらつきやツヤが各段階で異なることが分かります。

作品を見比べるだけでも、表面のざらつきやツヤが各段階で異なることが分かります。


 

エデュ:土を扱う陶芸は、多くの発見を児童に与えるんですね。

村上先生:図工の授業で大切にしていることは、6年間で児童がさまざまな素材に触れることです。その経験を通して、児童は自分が創りたいものを形にしたり、伝えたいことを表現するときに、自ら素材を選び、創り上げることができるようになると思います。

エデュ:陶芸を学びに取り入れる理由がよく分かりました。ありがとうございました。

 
 

■木で乗り物を作ろう!

 
村上先生への取材が終わり、1時間目の3年生の授業が始まりました。授業は「ギコギコトントン 木の乗り物」の2回目で、児童は手引きのこぎりと金づちの使い方を学び、木で好きな乗り物を作ります。

スモックを着て、てきぱきと準備する3年生

スモックを着て、てきぱきと準備する3年生。

 

村上先生の説明が終わるやいなや、作業に没頭する児童たち。木を切り、釘を打ち、ボンドで細かい木材を接着させていきます。

先生からアドバイスをもらい、イメージした形に近づけていきます。

先生からアドバイスをもらい、イメージした形に近づけていきます。

クランプや

クランプや釘抜きも使います。どうしたら思い通りの形にできるのか、刃を当てる角度や道具の設置場所を変えたりして、一人ひとりが一生懸命工夫していました。

クランプや釘抜きも使います。どうしたら思い通りの形にできるのか、刃を当てる角度や道具の設置場所を変えたりして、一人ひとりが一生懸命工夫していました。

だんだん乗り物らしくなってきました! 作っているのは船です。

だんだん乗り物らしくなってきました! 作っているのは船です。

 
 
2時間目の授業が始まり、取材を終えて退室すると、扉の周辺は瑞々しい感覚に満ちた児童の作品で彩られていました。まるで小さな展示会場のようです。

広い廊下に面した図工室前のエリア。作品が華やかな雰囲気を作り出しています。

広い廊下に面した図工室前のエリア。作品が華やかな雰囲気を作り出しています。


他者の作品に関心を持ち、児童が互いの作品のよさを認め合うことが重要だという考えから、作品を積極的に展示しているそうです。

他者の作品に関心を持ち、児童が互いの作品のよさを認め合うことが重要だという考えから、作品を積極的に展示しているそうです。


 
帝京大学小学校の図工室は、児童が創作・表現・鑑賞活動を重ねる学びの場になっていることが分かりました。

 

【あわせて見たい!】

エデュログアルバム「3年生・図工『ギコギコトントン 木の乗り物』」はこちら≫

 
 

【展覧会情報】
帝京大学小学校では、東京私立小学校児童作品展「ほら、できたよ展」に参加しており、2018年も全校生徒の作品を出展します。

第31回 東京私立小学校児童作品展「ほら、できたよ展」
1月31日(水)~2月5日(月)
会場:松屋銀座8階「イベントスクエア」
入場無料

 

★帝京大学小学校

 
■合同相談会(予約不要)
「東急線小田急線沿線私立小学校合同相談会」
1月21日(日) 10:00~15:00
会場:洗足学園小学校
詳しくはこちら≫

「中央線沿線私立小学校合同相談会」
2月11日(日) 10:00~15:00
会場:武蔵野東小学校
詳しくはこちら≫
 

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