eduスタッフ訪問記

インターエデュ・ドットコムスタッフが学校、塾などに訪問した際の様子をお届けします。

【日本大学櫻丘高等学校】リアルドラゴン桜プロジェクト

世田谷区の共学校、日本大学櫻丘高等学校(以下、日大櫻丘)では、特別進学クラスの生徒が4月から新たなプロジェクトに参加しています。その名も「リアルドラゴン桜プロジェクト」。気になる内容を現場で確かめてきました。
 

下高井戸駅・桜上水駅(京王線)から徒歩10分。

下高井戸駅・桜上水駅(京王線)から徒歩10分。日本大学文理学部に隣接し、大学との交流が盛んです。生徒は大学の図書館や食堂を利用することができます。


 

■「リアルドラゴン桜プロジェクト」とは

 
「ドラゴン桜」は、弁護士・桜木建二が落ちこぼれの高校生と東大合格を目指す漫画で、登場する勉強方法が話題を呼びました。この漫画の勉強への考え方や、勉強方法を実際に高校生向けの授業プログラムに活用しようと誕生したのが「リアルドラゴン桜プロジェクト」。
「ドラゴン桜」の作品づくりにも関わっている学生団体「東龍門」に所属する現役東大生が、漫画も使いながら、勉強する意味や考え方を高校生に伝授し、生徒が主体的に学ぶ姿勢を身につけることを目指します。
 

西岡壱誠

講師を務める西岡壱誠さん。東京大学経済学部の4年生です。


 

■第2回のテーマは「『なぜ?』を問う」

 
見学したのは第2回の講義「『なぜ?』を問う」。自ら疑問を持つことによって物事を本質的に理解し、結果、勉強の効率が上がるという内容です。
 

1・2年生

日本大学文理学部の一室に集まった特別進学クラスの1・2年生57名。講義は2020年2月まで毎月行われます。


 
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原因と結果

身の回りのことにも“原因と結果”があり、「なぜ?」を考えることで勉強につながると力説する西岡さん。


 
 

■「なぜ?」を考える

 
講義前半、西岡さんは「どうしてペリーは日本に来たと思う?」と問いかけ、生徒は考え始めます。
 

タブレット

「タブレットで調べてもいいし、友達と相談してもいいから考えてごらん」と西岡さん。生徒はすぐにタブレットを取り出しました。


 
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タブレットが配布

ICT教育に力を入れている日大櫻丘。1・2年生には入学時に1人1台のタブレットが配布され、校舎には全教室に電子黒板が配置されています。


 
調べた後

調べた後は、考えをまとめていきます。


 
シンキングタイム終了。西岡さんがペリー来航の原因を探っていきます。
 
ペリー来航と同じ頃

「ペリー来航と同じ頃、世界では何が起こっていた?」と生徒に尋ねる西岡さん。時代背景から原因を探ります。


 
同時期に世界で起きた出来事を挙げてみると、時代の流れとともにペリー来航の理由が見えてきました。このように「なぜ?」を本質的に理解することで、1つの出来事と、それに付随する事柄まで一緒に記憶でき、かつ忘れにくくなるといいます。つまり、勉強の効率が上がるのです。
 
 

■生徒、先生、西岡さんにインタビュー

 

生徒インタビュー

 

1年生女子

「4月に行われた講義では、勉強することで自分の可能性を広げられることを知りました」と1年生女子。


2年生。

感想を聞かせてくれた 2年生。

・疑問を持つことや、関連性のあるものを結び付けて覚える方法は勉強の役に立つと思いました。(1年女子)
 
・「東大生=ガリ勉」のイメージしかなかったけれど、西岡さんはユーモアがあり、講義も面白いので、東大や東大生を少し身近に感じるようになりました。(1年女子)
 
・前回、東大の過去問題に挑戦したら割と解けたのでうれしかったです。印象的だった言葉は「勉強する意味を考えよう」ですね。前回の講義の後から、家で勉強する時間が増えていると思います。(2年男子)
 
・普段、学校では聞かない情報を知ることができるし、西岡さんの話を聞くと「勉強しよう」と思います。(2年女子)
 

 

講義の合間

講義の合間の休憩時間に、西岡さんと談笑する1年生。気軽に質問できる雰囲気がありました。


 
 

プロジェクトご担当・澤田 彰先生インタビュー

 
 
――プロジェクト始動の経緯を教えてください。
  
澤田先生:本校では、基礎学力向上のため「スタディサプリ」(タブレット学習)を導入しており、その「スタディサプリ」が「ドラゴン桜」とコラボレーションしていたことがきっかけです。受験勉強は知識の詰め込みに偏りがちなので、この取り組みで知識の活用法や疑問を持つことの大切さを学んでほしいですね。
講義の後には、西岡さんと特別進学クラスの担任による勉強会の時間も設けています。まだ始まったばかりなので、今後の生徒の成長が楽しみです。
 
 

西岡壱誠さんインタビュー

 

2浪

偏差値35からスタートし、2浪して東大合格を果たしたという西岡さん。


――澤田先生から、先生との勉強会があると聞きました。
 
西岡さん:はい。講義の内容が生徒にどう伝わっているかを、日々接している先生方に教えていただいています。また、こちらから情報をお伝えすることもあります。
 
――どんな情報ですか?
 
西岡さん:私が属している現役東大生の団体「東龍門」では、東大生にアンケートをとって勉強法やその効果を調査したり、大学新入試の問題作成者や、「ドラゴン桜」作者の三田紀房さんにお話をうかがったりしているので、その情報を共有しています。生徒の学力を上げ、さらに学校全体にもいい影響を与えられるよう、先生方と協力体制をとらせていただいています。
 
――澤田先生、西岡さん、ありがとうございました。
 
 

■終わりに

 
第2回の講義で、生徒は「疑問を持って考えるための5つのステップ」を学びました。
3年生は12月まで、1・2年生は2020年2月までプロジェクトに参加。大型プロジェクトによる生徒の成長に期待が高まります。
 
まだまだあります! 講義風景は「エデュログアルバム」へ≫

 

★日本大学櫻丘高等学校

 
■櫻高祭(文化祭)
6月22日(土)・23日(日) 9:00~

■部活動見学・体験
8月19日(土)~25日(日)

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