【日本大学高等学校・中学校】ICTを活用した授業、その一歩先へ/前編
ご存知のとおり、小学校で2020年度から、中学校で2021年度から、新学習指導要領が実施されます。これからますます注目されるICT教育や情報活用能力の育成ですが、神奈川県下で「ICTを活用した授業」をいち早く導入し、その先頭を歩み続けているのが日本大学高等学校・中学校(以下「日大中高」)です。
その日大中高で、ICTを活用したAL(アクティブ・ラーニング)の研究授業と、その内容を受けての授業の質を向上させるための討論会が行われると聞きつけ、見学に行ってきました。
その模様を、今回は研究授業の様子、次回(1月17日公開予定)は討論会の様子と、2回にわたってお伝えします。
■各教科、工夫がいっぱいの研究授業
11月下旬のこの日は、研究授業の対象となるクラスに日大中高の先生全員が集結! 部活もなく、研究授業に集中します。「生徒に少しでもクオリティの高い授業を提供しよう」という日大中高の決意が感じられます。
当日は5時間目の時間を利用して7つの研究授業(国語、地歴公民、数学、理科、保健体育、英語、技術家庭)が行われました。どの先生の授業も、それぞれの教科の特性に合わせてICTの利点を活用した魅力的なものでした。
いくつかの教科の授業の様子をピックアップして紹介します。
●理科の授業(実験)
この日の理科の授業は、岩石を観察し、種類を確かめるという実験です。
実験とICTという組み合わせに、初めはピンときませんでした。
でも、授業の様子を見て納得!
実験に必要な機材がそろっているかどうかの確認も、
各人のタブレットと大きなモニタに映し出されるので一目瞭然!
実験の流れを最初から視覚的に確認しておけるほか、
実験の細かな注意事項もわかりやすく示されます。
●数学の授業
得意・苦手の差がつきやすい教科・数学。ICTを活用した授業で、どのように変わるのでしょうか?
まず驚いたのは、教室がにぎやかなこと。
それもそのはず。生徒たちは座席移動の真っ最中でした。
各自のタブレットの画面で、ランダムに動物名のチームが指定されます。
それに従ってまずはチームメイトを見つけ、
指定されたチームごとに席に着くと、互いに教え合いながら問題を解いていきます。
従来の数学の授業だと、苦手な子にとっては、ひたすら板書をノートに写すだけの時間になってしまいがちです。
ずっと机の前にかじりついているのではなく、体を動かしながらゲーム感覚で取り組み、友だちと教え合いながらなら、主体的に学べると感じました。
●英語の授業
導入では、洋楽が流されました。
英文の歌詞がカラオケの画面のように色づいていくので、生徒たちにも親しみやすそうです。
文字が色づいていくスピードに合わせて、同じ英文を何度も声に出して読んでいきます。1語ずつ隠された部分が増えていくので、気づかないうちに英文が頭に入ってしまうという仕組みです。
読む箇所の指示などを画面に任せることで、先生は生徒たちの様子を確認しながら授業を進めることができているようでした。これなら、英語の「話す力」が確実に身につけられそうです。
■終わりに…
どの授業にも共通して感じられたのは、先生たちが綿密な準備を行った上で日々の授業に臨んでおられるのだなぁということ。毎日こんな授業を受けられる日大中高の生徒たちは本当に恵まれていると感じました。
さらに驚くことに、先生たちはこの日の授業にもまだまだ満足してはいませんでした。次の時間には、授業をよりよくするための討論会が行われたのです。
その詳細は、1月17日公開予定の次の訪問記でお伝えします。
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