親子で“理科センス”を磨いて将来に備えよう(2ページ目)

家庭でできる簡単な実験もおすすめ

家庭でできる簡単な実験もおすすめ

本書には、初級編(小中学校で学習)、中級(中高で学習)、博士級(大学・専門学校で学習)と探偵団級のレベルの問題が、順不同で153問掲載されています。探偵団級の問題とは、学校では教えないけれど自分で推理して答えを導いていくタイプの問題です。

ジャンルとしては、生物、化学、物理、人体、地球、環境問題など多岐にわたります。ですから、大人が読んでも十分読み答えがあります。総ふりがなつきですが、大人の教養本としても十分に役立ちます。

また全153問のほかに、名探偵コナンの推理まんがが3本と、「阿笠博士の化学マジック講座」が24講座掲載されています。推理まんがは素直に楽しむとして、科学マジック講座には、自宅でできる簡単な実験がたくさんのっているので、親子で一緒に楽しむと、さらに理科センスが磨かれていきそうです。

そういえば理科が好きな子というのは、なんでも分解したがったり、これ何?どうして?と親がうるさいと感じるほど聞いてきたりしますよね。きっとそんな傾向こそが、理科センスということなんでしょう。そう考えると、ちょっとくらいうるさいと思っても、我慢してつきあってあげることが必要なのだと思います。

そんな理科好きなお子さまなら、低学年でも本書をどんどん読み進んでいくでしょう。理科が得意かどうかまだわからない、どうも得意そうではないと思われるお子さまに対しては、先に書いたように本書を活用して、親子一緒に素朴な疑問を解決していく習慣をつけるとよいと思います。低学年のうちから、いや小学校入学前からでも、そんな習慣がついていれば、いつのまにか理科センス、つまり物事を科学的に理解する能力が磨かれていくこと請け合いです。

理科センスだけでなく、考える力も育つ!

加えて、本書の「はじめに」を読んで、はたと気づかされたことがあります。「今日の理科では、科学的に探究する学習が求められています。その学習が、3つの手順を踏みます。」と書いてあり、3つの手順とは、以下のようなものだそうです。

  1. 疑問の発見:なぜだろう?どうして? 頭から大きな「?」を出して、疑問なことを見つけ出す。
  2. 疑問への探求:疑問を解決するために、いろいろな例から答えを導き出す。
  3. 疑問の解決:その疑問に対し、最適な答えを導き出す。

そして、その例として、本書で取り上げられている「イヌはなぜ木に登れないの!?」という疑問をもったとき、どんなふうに2~3への手順を踏んでいくのかが具体的に書いてありました。これはまさに「考える」手順です。「科学的に探究する学習」とは、「考える力を養う学習」でもあるのです。理科という科目をこえて、あらゆる科目で大事な「考える力」を養うことにつながるのだと思い至った次第です。

名探偵コナンのファンはもちろん、そうでないご家庭にもおすすめの『名探偵コナンの12才までに理科センスを育てる153問』。リビングの必携書にして、家族一緒に楽しんでみてください。

『名探偵コナンの12才までに理科センスを育てる153問』

原作/青山剛昌、監修・出題/藤丸卓哉、小学館刊、本体1,650円(税込)

『名探偵コナンの12才までに理科センスを育てる153問』

科学への興味がわく! 知識が本物になる! 累計発行数23万部の人気シリーズ「名探偵コナンと学ぶシリーズ」の理科版! 算数版と同じ、400ページの大ボリューム! 生物・化学・物理から始まり、今話題になっている地球の環境問題まで、日常生活の中でちょっと気になる不思議なことを幅広く取り上げ、それらを科学的に分析して解いていくクイズ形式の問題集です。
「なぜ鳥は電線にとまっていても感電しないの?」「なぜ電子レンジは、ものを温められるの?」「地球温暖化はどうして起きるの?」「どうして草食の恐竜はあんなの大きいの?」etc.
小学校中学年以上を対象読者としていますが、問題によっては少々難度が高いかもしれません。ですが、少年探偵団の3人と一緒に考える内容になっていますので、楽しく無理なく学べます。各章ごとにコナンの推理まんがが挿入されていますので、まんがを読みながら科学的な発想力と思考力が身につきます! またコラムとして掲載した「阿笠博士の科学マジック講座」は家族でできる科学実験を紹介していますので、大人も一緒に楽しめます。中学生高校生になっても読み続けられる、科学的好奇心をくすぐる知識満載の一冊です。

<「編集者からのおすすめ情報」より>
生物、化学、物理のオーソドックスな問題から、地球の仕組み、環境問題など、ジャンルも幅広く扱っています。「日常生活で何気なく利用されている科学」を中心に取り上げていますので、学校で習う理科とはやや趣が違うかもしれません。できる限り学校の知識に繋がるよう、丁寧に解説していますが、そのため小学校で習わない事象も出てきます。ですが、少年探偵団の元太、光彦、歩美の3人の答えを読んで、どれが正解かを見つけるだけでも充分に楽しめます。「へーそうなんだ。不思議だな、もっと知りたいな」と思ってもらえるような問題をセレクトしました。これをきっかけに、いろいろなことに興味を持ち、自発的に研究するようになり、科学が大好きになってくれればうれしい限りです。タイトルの「理科センスを育てる」には、そういう意味も込められています。中学、高校に進んでから、もう一度読み返せばきっと理解できるはずです。問題集の形式になってはいますが、読み物としても充分に楽しめます。ぜひコナンと一緒に学んでください。