発達障害では?と悩む前に多動・不注意な男の子の育て方を学ぼう

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男の子を育てるのって、本当に大変! 常々そんな思いを抱いているお母さまにおすすめしたい本が発売されました。本のタイトルは「落ち着かない・話を聞けない・マイペースな小学生男子の育て方」(すばる舎刊)。元祖ウルトラガキンチョ(困った小学生男子)だった著者が、その後、教育指導者となり、大勢の親子に接した経験をもとに、男の子の才能を伸ばす手法を解説した本です。ご紹介しましょう。

◆母親の不安と心配を払拭する本

落ち着かない・話を聞けない・マイペースな小学生男子の育て方 松永暢史

男の子を持つお母さまにインタビューすると、多くの人が「男子は手がかかる」と言います。小さい頃から、手に持ったものを振り回す、外へ連れ出すと唐突に走り出す、注意散漫でケガをしたりする。注意をしても、どこ吹く風です。全員が全員、そうだとはいえませんが、男の子には、多分にこうした傾向があります。

小学校に入学して一安心かといえば、今度は学校ならではの問題行動に悩まされることもあります。授業中、じっと先生の話を聞いていられない、親が言うまで宿題をしない、忘れ物が多い、調子に乗ってバカなことをして先生を困らせる、などなど。わが子が小学校でこんな行動をしていると知らされたら、お母さまが心配になっても当然でしょう。

本書の著者の松永暢史(まつながひろふみ)さんは、受験国語指導のプロ。現在、V-net教育相談事務所を主宰すると同時に、教育環境設定コンサルタントや学習アドバイザーとして活躍されていますが、実は、子ども時代は問題行動のばかりする「ウルトラガキンチョ」だったとか。今は受験のプロとして、子どもたちの指導やその親の教育相談を受けているのですが、その中で、男の子のお母さまの多くが「うちの子はおかしいの?」と悩みを訴えるようです。

そこで、元祖ウルトラガキンチョとしての経験と、多くの小学生、中学生に接してきた実績を元に、「お母さまたちの不安と心配を取り除く」ために書かれたのが、本書というわけです。

◆発達障害では? いえいえ、それ、普通です!

本書は、下記のような構成になっています。

 第一章 親は謝ってばかり。マイペース男子に悩みが尽きない!
 第二章 学校生活をうまく乗り切る方法を覚えましょう
 第三章 7歳から男の子はこう育てなさい
 第四章 ハマったらとことんやる。それが彼らの勉強スタイル
 第五章 やがて来る、ひとり立ちのときのために

第一章で小学生男子の実態、第二章で小学生男子の親としての心構えを解説した後、三章と四章で、男の子の性格を上手に活かした勉強法、それも家庭で誰もが可能な方法を紹介。五章で全体をまとめるという構成です。

本書によれば、男の子の特徴として、「落ち着きがない」「人の話を聞かない」「忘れ物が多い、不注意」「超マイペースでひとつのことに集中しすぎる」といったものがあります。確かに、よく言われている問題行動は、このどれかに当てはまりますよね。

発達障害に関する情報が書籍でもネットでもあふれているせいか、インターネットを見ていると、男の子がこうした行動をとったとき、「うちの子は発達障害ではないか?」と心配する人が増えてきました。著者の松永さんのところでも、発達障害では? という相談が多くなったと言います。中には担任から「お子さんはグレーゾーンですね」「一度発達診断を受けてみては」と言われてしまう親も大勢いるのだとか。

しかし、著者によれば、発達診断を受けても、「実際に発達障害と診断されるのはごく一部」なのだそうです。知識が増えるのはよいことではあるのですが、落ち着かない、忘れ物が多いといった、ちょっと困った行動をとるからといって発達障害を疑うのは、心配のしすぎかもしれません。

著者は言います。

「そもそも発達”障害”という言葉も罪深いものです。(中略)覚えられない、わからない、先のことがわからない。人間は、そんなところだらけではないでしょうか。みんな、自分が健常者であると錯覚しているだけではないでしょうか。」

確かに人の性格や能力には違いがあります。男女の性格や好みも大きく違ったりします。子どもだって、一人ひとり違っていて当たり前だし、子どもの成長の仕方が一人ひとり違っていても、何の不思議もありません。

つまり、著者が言いたいのは、世に問題行動と言われている男子の行いは、「まったくもって普通」だということです。だから、心配のしすぎはダメ。わが子が理解不能な行動を起こしても、「男の子はこんなもんだ」と、どっしり構えて対処すべきという主張には、いちいち納得させられます。

◆ツボを押さえて気長に見守る

むろん、「男の子はこんなもんだ」といったところで、著者はそういった子を放任しておけばいいと言っているわけではありません。男の子の性格に合わせて、上手にコントロールすべきだとしています。

詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、いくつか紹介すると…。

まず、前提として、わが子が問題行動を起こして周囲から注意を受けたとき、親はひたすら謝罪することが大切と、著者は言います。過剰なくらい謝ることでちょうどよいそうです。

その上で、たとえば授業中に騒ぐので先生から注意をされたとき。多動・不注意・過集中の傾向のある子は、頭ごなしに叱ってもまったく効果がなく、むしろ、なぜ教室で騒ぐことがいけないことなのかを、理屈できちんと説明する。

何度か注意したところで効き目はありませんが、とにかくここでも、根気よく諭し続けるのが大切。そのうち、本人が気づく瞬間があって、そこから見違えるように成長することもあるのだとか。

宿題についても同じ。宿題をする時間と場所を決めて、「宿題をするまでご飯を出さない」「宿題を済ませるまでは遊びに行かせない」というくらいの覚悟で臨むこと。また、なぜ勉強をしなくちゃいけないのか」と言い逃れをする子には、「勉強しないなら働け」と、バシッと言ってもかまわないそうです。

こうした、基本的な生活習慣に関する指導法から、作文の書かせ方、本を読みたくさせる方法、学校や教師を上手に利用するにはどうしたらいいか、無理のない中学受験に至るまで紹介されています。大勢の「ウルトラガキンチョ」を指導した実績をベースに具体例が紹介されているので、どなたが読んでも、とても参考になると思います。

小学生男子をお持ちのお母さまだけではなく、お父さまにも読んでいただきたい本だと感じました。

落ち着かない・話を聞けない・マイペースな小学生男子の育て方 松永暢史

落ち着かない・話を聞けない・マイペースな小学生男子の育て方
松永暢史(まつなが ひろふみ)著、すばる舎刊、1300円+税
忘れ物が多い、先生の話を聞かない、落ち着かない…しばしば学校からも注意され、わが子に小言を言って嫌になる。でも、いくら叱っても子どもはどこ吹く風で、まったく改善の兆しがない。「うちの子はちょっとヘンなの?」「もしかして育て方が悪かった?」と悩んでしまうお母さまも多いことでしょう。 そんな、小学生男子を持つ、悩み多きお母さまの肩の荷を下ろすべく書かれたのが本書。「多動性、不注意傾向、過集中」は、とかく問題行動とされがちですが、むしろそれは、可能性を秘めた大きな才能だ、というのが著者の主張。男の子としては、「まったくもって普通」のことなのです。とはいえ、そのまま放置していては、伸ばせる才能も伸びず、ただの甘ったれのいい加減な人間に育ってしまう心配もあります。 本書では、「多動・不注意」気味の小学生男子を上手にコントロールし、押してもダメなら引いてみな、引いてもダメなら押してみなとばかりに、才能豊かな人間へと育てる手法が、これでもかと紹介されています。まずは「男の子なんてこんなもんだ」と覚悟を決め、本書のノウハウを実践してみてはいかがでしょうか。 …購入はこちらから

著者の松永暢史(まつなが ひろふみ)さん
「受験のプロ」として音読法、作文法、サイコロ学習法、短期英語学習法などさまざまなメソッドを開発。個人指導歴42年。専門は入試国語、古典。個人授業では国語を担当。中学高校大学受験国語記述を1対1で指導する。 教育作家としても活動しており、『将来の学力は10歳までの「読書量」で決まる!』(すばる舎)、『「ズバ抜けた問題児」の伸ばし方』(主婦の友社)、『女の子は8歳になったら育て方を変えなさい』(大和書房)など、著書多数。 1957年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科卒業。現在、V-net教育相談事務所を主宰するほか、教育環境設定コンサルタント、教育アドバイザーとしても活躍。