4月のテーマ「元中受ママの中学受験への思い【後編】」

inter-edu’s eye
第2回では、和田みゆき先生、たなかみなこ先生に前週に引き続き「中学受験への思い」というテーマで、日頃から感じている中学受験に対する認識や思いを教えていただきます。タイトルの「ママコ・ネクション」とはエアライン用語「乗り継ぎ」の意味である「コネクション(コネクト動詞の名詞形)」を用いて、親主体の中学受験から子どもが主体、そして楽しむ中学受験への乗り継ぎ案内を意味します。

和田 みゆき先生中学受験の目的は合格なの?
和田 みゆき先生

第一志望校は学力以外も必要だった…

中学受験への思い3

みなさまこんにちは。「才能開花で目標達成」をテーマに、子育てアドバイスをしている家庭教育家の和田みゆきです。

前週では、自己紹介を兼ねて親主体の子育てと子ども主体の子育てについてお届けしました。今回は「受験の目的」についてお伝えします。

さて子ども主体の自立型子育てをしてきた結果、娘は未来を描き、憧れの中学を見つけ、念願の受験ライフを始めました。私も伴走すべく、まずは第一志望校の願書を調べることにしました。すると願書には「小4以降力を入れたこと。1.家庭で 2.学校で 3.課外活動で」「合格証や賞状等の添付をしてもよい」と記載されていたのです。

最近の中学受験って、勉強以外の実績も必要なんですか!?

後々この学校の特色であると知るのですが、このときに私たちは、中学受験は勉強だけでなく人間性を育てる他の活動も大切であることに気づくのです。その結果娘は、小6の夏休みまでは、体験・活動・習い事を続け、夢と器を広げます。実績も作ります。受験勉強は、テスト結果を気にせず基礎理解だけでよしとし、緩く取り組むことにしました。夏以降は、勉強に全力投球。期間限定効果による集中力とやる気に期待したのです。

うまくいきました。小5の冬までは。

娘のように自己肯定感・効力感の高い子どもでも、成績降下と塾での低評価が続くと、自信を失います。このままでは合格できないだけでなく、人としての自信すら喪失してしまうのではないかと危機感を覚えました。

緊急家族会議を開く

娘の変化に危機感を覚えた私たち夫婦は、未来を変えるべく改善点の洗い出しを行うことにしました。未来を変えるには行動を変えるのが手っ取り早いからです。そこで家族会議の出番です。

娘の幼少期から続けている我が家の家族会議は、大人も子どもも一人1票の議決権を持ち、流されがちな問題から重要な問題まで話し合ってきました。この会議には親としてのジャッジは存在せず、娘が安心して自分の意見を言えることを重視しています。意見が違っても、誰も怒ったり暴言を吐くなどはしないのです。分かり合えないときは数日に渡り話し合いました。またプレゼンテーションの場としての機能も持たせていたので、各自の願いはこの会議で家族にプレゼンしました。

「あなたが塾に通う目的は何?お友達と楽しく塾で過ごすこと?合格すること?」

娘は泣きながら答えました。「遊ぶ時間を減らして努力してきたのに、それが無駄になるのは絶対に嫌。あの中学には行きたいから勉強しなくてはならないのは分かっているけれど、塾では楽しくてお友達と遊んでしまうから、授業を聞いていないのだと思う。それに塾のカリキュラムは、自分の不得意なところを重視して教えてくれるわけではないから、勉強の効率が悪いのかもしれない。合格できる勉強方法があるならば教えて欲しい。」

心の内側から湧きおこった内的動機による欲求は目標の達成がしやすいので、小6の5月になっていましたが、今だと思い個別指導塾へ転塾することを決めたのです。

和田みゆき先生からのアドバイス

中学受験は、ゴールではなく人生の一過程です。心づくり・人間力づくりが最優先事項で、中学受験はその次です。受験の目的を低次元で捉えると志望校の合格になりますが、高次元で捉えると、脳のシナプスがより一層拡張する機会、自分の知識力や応用力を高める経験、夢を叶える通過点、親子それぞれの人生を考える機会であり、人材育成力やコミュニケーション力を親自身が高める機会などと考えられます。

時々中学受験をネガティブに捉え、勉強ばかりさせて可哀想という方にお会いしますが、スポーツや文化・芸術分野でTOPを目指す子どもたちと勉強で入学試験に挑む中学受験生は、何ら変わらないのです。分野こそ違えど、どちらも尊いのです。

しかし、合格したにも関わらず不登校や退学という道を選ばざるを得ない子どもたちもいます。過去に私が受けた相談内容から考えると、この背景には子どもが主体的に中学受験に取り組めなかったことや親にやらされた感を持っていたこと、ゴールは「合格」だと信じていたことなどが考えられます。

子ども自身が、中学受験を望む望まないに関わらず、受験に挑むのであれば、合格の先にある夢や満足感(充実感や幸福感・達成感など)も育てましょう。親にしかできない役割です。夢や満足感が心に育たなければ、合格しても辛かった思い出や失った時間に気持ちの焦点が当たってしまいがちです。「合格=幸せ」ではないのです。

たなかみなこ先生中学受験の主役は誰?
たなかみなこ先生

娘の態度や行動にイライラ

中学受験への思い4

みなさま、こんにちは。「最高に楽しい中学受験を叶える!」勇気づけ子育てコーチのたなかみなこです。

前回、”私と娘にとって中学受験は「最高に楽しかった!」思い出となりました”ということをお伝えしましたが、もちろん、すべてが順風満帆というわけではありませんでした。

娘のクラスが落ちることも、思うような成績が取れないことも何度もありました。実は、最後まで第一志望校の偏差値にはあと一歩のところで届かず!でしたので、私自身、実は内心ドキドキしていました。思い返せば、あまりにも勉強不熱心で、ゲームやネットの時間が勉強時間よりも多いことは日常茶飯事。本人自身も、塾の合格体験記に「私は問題児でした」と書いていたほどです。小2でマリオ、小3でなめこアプリ、小4でマイクラ実況(小6の夏まで)、小5でパズドラなどなど、必ず何かのゲームに夢中になっていましたし、小6の夏には1日10時間もYouTubeを見ていることもあったようです。

娘が小4、小5のときには、さすがに「こんなんだったら塾辞めてもらいます!」などと、子育てコーチングを娘が2歳半のときから学んでいる私も、イライラが抑えられず、脅しに近いことを言い放ったことも何度かありました。

そんなぷちイライラな日々、私を支えてくれたのが、娘が通っていた小規模塾の教えの一つであった「中学受験の主役は子ども」という言葉でした。 ということは「親は応援団」なわけです。だったら応援団として楽しもう!精一杯応援しよう!そんな風に考えてみることにしたのです。我が家の中学受験が楽しかったのは、「子どもが主役で親が応援団」という明確な役割分担があってのことだったと思います。

試験の出来が悪くネガティブ攻撃が…

私自身、どのように応援団に徹してきたかといいますと、何はさておき、しっかりと話を聴くことを肝に銘じました。また、「気持ちが落ち込まないことを選ぶ」ということも徹底してきたように思います。

第一志望校の試験日の夜、つまり第二志望の試験日前日のことです。第一志望の試験で、面接以外は、あまり出来が良くなかったと思っていた娘のネガティブ攻撃が始まったのです。

「算数が難しかった」「だめだったらどうしよう」「受かるかなぁ」「心配だよう」と言いながら、踊り始めた娘。 それを見ていた私は「明日も大事な試験だし、切り替えて準備した方がいいんじゃない?」と焦ってしまったのですが、「いやいや、娘の気持ちを支えて、元気に明日を迎える方が大事!」と思い直し、元気づけるために「応援ソング歌わない?」と提案しました。 そして、嵐の応援ソングを二人で踊りながら熱唱! そして「受かりました!受かりました!第一志望に受かりました!」と大声で何度も繰り返し、楽しい夜を過ごすことに成功しました。

そして翌日の第二志望当日。過去問を解いたことのない教科があることを、その日の朝、初めて知った私は、娘のメンタルの状態が不安でいっぱいであることを察しました。そして「大丈夫、大丈夫」と軽く受け流すことをせず、激励担当で来てくださっていた先生に、不安な気持ちを相談することを促してみたのです。結果、合格!
親が応援団としてできることは、たくさんあるかと思います。「ママ、最高の応援団になってくれてありがとう!」その言葉は私にとって最高の宝物となりました。

たなかみなこ先生からのアドバイス

前回は「コーチって何?」についてお伝えしました。「コーチ」とは馬車としてクライアント=子どもを目的地に運ぶ存在であり、操作、コントロール、誘導はコーチの仕事ではありません。

さて、今回は「コーチングって何?」についてお伝えしたいと思います。日本においては「コーチング」には3大スキルがあると言われています。傾聴のスキル、質問のスキル、そして承認(アクノレッジ)のスキルです。 傾聴については、来月、ワンポイントアドバイスでご紹介しますので、どうかお楽しみになさってください。この3大スキルを使いながら、コーチングステップ、コーチングシナリオなどのフローに沿って、「相手の自発的な行動を促すコミュニケーション」のことを「コーチング」と言います。人を動かす、操作するのではなく、「促す」のです。

一言でコーチングの特徴を表現すると「指示・命令型から質問・提案型へ」ということができるかと思います。例えば、「宿題しなさい」は「宿題する方がいいと思うけど、どう思う?」という具合です。お子さまの応援団になるために「指示・命令型」から「質問・提案型」にコミュニケーションを変えてみませんか? 日常会話から「相手の中にある力を引き出し、自発的な行動を促すコミュニケーション」に変えることができれば、お子さま専属コーチになることができ、今後の中学受験における目標設定をサポートできる力強い味方になれるかもしれません。

4月のワンポイントアドバイス
和田みゆき先生の心理学「観察【後編】」

大人は過去の経験から、物事を推察する癖を持っています。観察力が上がると、無意識に事実を捉える力が上がるので、推察癖である思い込みや決めつけがなくなり、子どもの今の気持ちややる気の度合い、苦手分野の把握、親子の信頼関係など、見えづらい本心が理解できるようになります。観察は、親に伝えづらい子どもの気持ちを見つけるために行うのですが、そのポイントは子どもの発する表情・態度・声のトーン・言葉などのサインを事実のみ受け取めることです。この視点で観察をすると、親の思い込みや決めつけがたくさんあることに気づけます。感情は、言葉よりも表情や態度に表れやすいので見逃さないようにしたいですね。
以下に親に伝えづらい気持ちの代表的なサインを挙げますので、参考にしてみてください。

<興味がない・やりたくない・気が向かない・言われたくないとき>
●表情が曇る
●声のトーンが低くなる
●態度が荒くなる
●理由をつけて、なかなか取り組まない
●始めても、続かない
●約束しても守れない
●忘れる、隠す
●沈む

<考えていない・考えがまとまっていない・考えたくないとき>
●「別に」「なんでもいい」と答える
●「ママやって」「ママが決めていいよ」

最後に、観察は行うだけでもよいのですが、記録として残すと次への対応が取りやすくなります。私は忘れっぽいのと思い込みがちだったので、合格日誌をつくり記録しました。

5月のワンポイントアドバイスは「傾聴」です。

和田みゆき先生

和田みゆき先生 プロフィール

家庭教育家。家庭教育アドバイザー。家庭教育師。学校法人八洲学園、学校法人文理開成学園理事。
娘の幼少中受験経験あり。とくに中学受験では独自の子育てメソッドを用い、直前模試で偏差値20離れていた最難関共学校に合格。受験5日目まで合格通知なしという経験をするが、メンタルトレーニングで培った強い精神力でリベンジをし、最終的に受験校全校より合格をいただく。その経験から、2010年より各種心理学、脳科学を活かした子育てメソッドと受験サポートプログラムを中学受験生保護者に提供。現在まで2000人を超えるサポートを行う。 他にも大手個別指導塾や小学校での保護者向け講座や、企業にて人材育成研修を提供している。
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たなかみなこ先生

たなかみなこ先生 プロフィール

娘が2歳半のときにコーチングでの子育てを開始。毎日、娘をコーチングで育ててきた自称「リアル子育てコーチ」。幼稚園受験、小学校受験を経験するも、コーチングスキルも道半ばで、誘導的になってしまったこともあり、敗退。その後、日々の娘との対話により、コーチングのスキルを高め、さらにアドラー心理学の「勇気づけ」を学び実践することで、独自の子育てコーチング「勇気づけ子育てコーチング」を確立。娘を女子御三家合格に導くだけでなく、中学受験ママを支援し、御三家を含む多数の第一志望校、難関校合格をサポート。「中学受験で子どもと一生の絆ができた」と好評を得る。 元ANAグランドスタッフであり、大学・専門学校でキャリア教育を行う講師でもある。
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