中学受験、世帯年収いくらで私立中高一貫校は可能なの?

inter-edu’s eye
私立中高一貫校へ通わせるには、年収1,000万以上でないと無理!」中学受験でよく聞く話ですが、果たして本当なのでしょうか? 昨今の厳しい経済状況の中で、何とかやりくりして通わせているという声もよく聞きます。
そこで、中学受験を目指すご家庭の世帯年収はいくらぐらいなのかを調査し、文部科学省「子供の学習費調査」のデータと照らし合わせて検証してみました。さらに、私立中高一貫校へ通えるかどうかの判断基準や、首都圏の自治体の私立高校授業料実質無償化、特待生制度など、教育費を抑える方法も見ていきましょう。(※2018年5月24日の記事に一部加筆しました。)

世帯年収1,000万以下は45%、意外と多い!?

Q. 世帯年収はいくらぐらいですか?(中学受験生のご家庭)

世帯年収はいくらぐらいですか?

中学受験を目指すご家庭を対象にしたインターエデュのアンケート結果は、世帯年収1,000万円以上~1,500万円が一番多く30.6%です。
1,000万円を境に見ると、1,000万円以上が55.7%、1,000万円以下が44.2%となりました。半数近くが1,000万円以下であることから、年収1,000万円以上でないと無理、ということではなさそうですね。

続いて文部科学省のデータを見てみましょう。

平成28年度子供の学習費調査(私立中学のご家庭)

世帯年収はいくらぐらいですか?

参照元:文部科学省「平成28年度 子供の学習費調査 5 世帯の年間収入段階別,項目別経費の金額段階別構成比
グラフは上記に掲載の「私立中学校」の構成比の数値を用いてインターエデュにて作成

文部科学省が全国の保護者を対象に行った調査の中から、子どもを私立中学に通わせているご家庭の世帯年収を抽出すると、1,000万円以上が51.9%、1,000万円以下が48.1%と、インターエデュのアンケート結果と比率がほぼ同じであることがわかります。800万円以上で見ると、アンケート結果では78.2%、文部科学省の結果では70.3%です。

しかし、年収800万円以上でも住宅費・食費・娯楽費などにお金がかかっていれば当然教育にかけられる割合は少なくなります。またお子さまの数でも異なります。では判断基準をどこに置いたらよいのでしょうか。

1人当たり月額11万円の教育費を捻出できるかどうか

私立中学校の学校教育費の合計
1人当たり月額11万円!

参照元:文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の結果について」(3)中学校(図 4-2)

最初に私立中学校でかかる費用について見ていきましょう。文部科学省の調査によると、私立中学校の学校教育費の合計(授業料、修学旅行、学校納付金、実習材料費、通学関係費等を含む)は1年間で、997,435円との結果が出ています。

それ以外の教育費として、補助学習費(自宅学習や学習塾、家庭教師)で204,000円、その他の学校外活動費で約118,000円、学習費総計で約132万円となり、月にすると約11万円になります。

私立中学校の学校外活動費の合計


それ以外の教育費


参照元:文部科学省「平成28年度子供の学習費調査の結果について」(3)中学校(図 4-3)

ちなみに、中学受験でかかる費用は、4年生で年間約40〜50万円、5年生で約60〜70万円、6年生で約100〜120万円、合計200~240万円ぐらいと言われています。「中学受験にかかるお金はどのくらい?」でのアンケート結果でも200~300万円がボリュームゾーンとなっています。

月額にすると、4年生で約4万円、5年生で約5~6万円、6年生で約8~10万円になります。6年生時の家計のやりくりが苦しいとなると、中学校でもっと苦しくなり、中学校と同じく11万円の教育費が高校でもかかるとしたら、収入を増やすなどの対策が必要です。

お子さまが中高生になった際にのときに毎月約11万円を家計から捻出できるかどうか、あらかじめシミュレーションすることが大切です。
※文部科学省の「平成28年度子供の学習費調査の結果について(4)高等学校(全日制)」によると、私立高校の場合、学習総額費年間104万円、1か月当たり約87,000円となりますが、中高一貫校場合、中高と授業料が同額である学校が多いため、中学校のデータを採用しました。

「私立高校実質無償化」で、私立中高一貫校も目指せる?

東京都・神奈川県・埼玉県が最近、私立高校の授業料が実質無償になるよう補助額を拡充したことを受けて、中学受験を検討するご家庭も出てきたようです。首都圏の私立中高一貫校は、高校からの募集がない学校や、中学と比べると高校の偏差値が高い学校があることからも、中学校から私立に行かせたいと考える方も少なくないと思われます。では、制度を利用することを前提に、私立中高一貫校への進学した場合、家計負担はどうなるのでしょうか?

東京都にお住いのご家庭でのシミュレーション

東京都では年収760万円未満の世帯が実質無償化の対象となります。制度を利用したときの支給金額は、国の制度と併せて、1年間最大456,000円(在学校の授業料が456,000円を下回る場合は、その金額が上限)、3年間合計で136万8千円、1か月あたり約38,000円になります。文部科学省のデータを参照にした教育費、月11万円が高校でもかかるとすると、月約72,000円が捻出できれば、子どもが高校生のときは何とかなる計算です。

問題はお子さまが中学生のとき。高校のときと同様、月に約72,000円は何とかなりそうなご家庭であれば、残り38,000円をどう捻出するかです。車を手放す、祖父母に協力してもらうなど、3年間を乗り切る工夫を考えなければなりません。

ちなみに本制度は、近隣の県の私立高校へ進学した際も利用できます。

神奈川県、千葉県、埼玉県の私立高校実質無償化は?

神奈川県、千葉県、埼玉県の制度についても見ていきましょう。

【神奈川県】

神奈川県では、今年2018年の春から、年収590万円未満の世帯は実質無償になるように補助枠を拡大しました。県内私立高校の授業料平均、1年間最大444,000円(学校への納付額が補助額を下回る場合、納付額が上限額)が、国の補助である「高等学校等就学支援金」と、神奈川県の補助である「私立高等学校等生徒学費補助金」を併用することで、実質無償となります。さらに、入学金補助として10万円プラスで支給されます。

590万円から750万円未満程度の世帯年収のご家庭では、「私立高等学校等生徒学費補助金」から、年間74,400円(プラス入学補助として10万円)が、国の補助である「高等学校等就学支援金」からは年間118,800円が補助されるので、合計193,200円(プラス10万円)が支給されます。

【千葉県】

東京都・神奈川県・埼玉県では、世帯年収に応じた対象者全員、一律に同金額が助成されるのに対し、千葉県は、世帯年収に応じて、通っている学校の授業料をもとに助成の額が決まります。世帯年収350万円未満の家庭には、国の助成との差額で授業料が無償になるように助成され、入学金補助もつきます。世帯年収350万円以上640万円未満の家庭は、授業料の3分の2の額が助成されます。

【埼玉県】

父母負担軽減事業として授業料や施設費等納付金が実質無償となります。「授業料軽減補助」では、年収約609万円未満世帯に対し、国の就学支援金と合わせて、県内私立高校の平均授業料378,000円までを補助し、授業料を実質無償化しています。また、埼玉県内在住で埼玉県内の私立高校等に通う生徒がいる、年収合計約609万円以下の世帯には、入学補助金として一律10万円が支給されます。

東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の「私立高校実質無償化」に関しては、「私立高校の授業料実質無償化で受験は変わる?【2019年度版】」に詳しい説明があります。こちらも併せてご覧ください。

特待生制度や奨学金についても知っておこう!

特待生制度についても知っておこう!

高校からの補助制度は充実してきましたが、私立中高一貫校を目指したいご家庭の中学時の負担は悩みの種です。 そこで、特待生制度を検討するのも一つの手です。

特待生として免除される内容は、学校によって異なり、①入学金のみの免除、②1年間の授業料免除、③入学金と3年間の授業料免除などがあります。たとえば、①の入学金が20万の場合は、20万が免除、②入学金が20万で授業料が45万の場合は、合計65万が免除、③の場合は、20万+45万×3年間で合計155万が免除されることになります。

選抜方法は、一般入試を受け、特待生としての合格基準を上回った場合と、「特待生選抜入試」で選ぶ方法の2パターンあります。成績優秀者として学校を引っ張っていく存在としての特待生のため、入学後の成績が著しく低下した場合には、免除されなくなるケースもありますのでしっかり検討することが大切です。

「何を優先するか」先々のことも考えて、家族で話し合いを

お子さまが私立中高一貫校を希望したとき、お金の面で諦めさせるのは親としてもつらいところ。しかし、先行き不透明な時代、貯蓄がない状態は危険ですし、老後資金も必要です。家計を少しやりくりをすれば手が届くのか、まったく手が届かないのか、しっかりシミュレーションして受験に臨みましょう。


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Q.【中学受験生の親御さん】これからの教育費で最も不安なことは何ですか? 1つお選びください。

  • 中高一貫校進学時の臨時出費の内容と金額
  • 中高一貫校進学時の家計のやりくり
  • 大学受験に向けた塾・予備校費用
  • 大学受験に向けた準備金
  • その他(自由回答)

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