特別進学(特進)プレコースとは
国公立大学および最難関私立大学への進学を目標とし、より高い学力・知力を身につけるための授業が行われています。また、定期考査では特進プレコース独自の問題が出題されています。
確認テストからスタートする数学の授業
この日の授業は「三平方の定理」。公立高校入試で出題された思考力型の問題を扱っていました。特進プレコースの数学では、大学入試を見据え、問題文が長い(情報量が多い)入試問題を扱って、思考力・読解力を身につけることを試みています。
授業では冒頭、確認テストからスタート。A5サイズの紙にある5問の問題を3分間で解き、隣の席の生徒と交換し、採点しあいます。それが終わると、iPadで解答用紙を撮影し、ロイロノートの「提出箱」にアップします。

確認テストのタイマーを設定する先生。教室には大型モニターが設置されていました。このモニターは授業中フル活用されています

確認テストを黙々と解く生徒

モニターには提出の状況が続々と更新されていきます。誰がまだ提出していないか一目瞭然です

宿題の解説から授業がスタート
黒板の解説をiPadで撮影したり、直接タブレットに書き込みをしたりと自在に使いこなしている生徒たち。先生が解説している間、ただ黙って授業を受けるのではなく、疑問や別の解法などを生徒も投げかけながら授業が展開されていました。また問題を解く際にも、「それじゃ隣の人と話し合って!」という先生の指示で、周りの生徒とどんな方法で証明できるかを話し合う時間もありました。一人で黙々と解くのではなく、クラスメイトと話し合いながら進める姿はとても新鮮でした。

iPadに問題用紙を写して直接書き込んでいる生徒

隣の席の生徒と相談することや先生との質疑応答もあったりとアクティブに進んでいました
解き方の“引き出し”を増やす
長谷川先生にプレコースの授業についてお話をうかがいました。
エデュ:プレコースではそれぞれのコース・教科で、新たな試みをされています。先生の授業ではいかがでしょうか。

長谷川先生:特進プレコースの生徒たちは、自分たちで考えてさまざまなアイデアを出してくれます。1つの解き方にこだわらず、もっと違う解き方があるのではないかと自ら意見を出してくれる生徒が多いです。そうした自発的な発言をできるだけ拾い上げ、クラスで共有し、一人ひとりの解き方の“引き出し”を増やします。今回のような思考力型の授業では、いろいろな問題に対応する力を身につけ、難問にあたった時にも諦めずに試行錯誤するよう伝えています。
こうした指導ができるのは特進プレコースクラスならではだと思います。
エデュ:授業を拝見していて、先生の質問を受け、その解答が分からなくても言いよどむことはなく、何かしら導きだそうという姿勢が見られました。

長谷川先生:取材していただいたクラスは特に元気で、どんどん意見を出してくれるクラスです。本校は数学に限らず英語などでもペアワークで行う授業が多く、みんな自分の意見を伝えることに慣れています。一人でダメならみんなの力で解答に導く。そういったチームワークで授業に取り組んでいます。
エデュ:最後に、先生が授業で大切にされていることを教えてください。
長谷川先生:数学という科目なので、まず嫌いにならないようにすること。そのために、少しでも日々できることや解ける問題を増やしつつ、ミスを減らすための声がけをして、きちんと点につなげてあげられる授業を心がけています。
編集後記
先生の解説をただ聞くだけの授業ではなく、自発的に発言している様子は、生徒自身がしっかり授業に参加し、考えているという印象を受けました。日大中高が目指す教育、そして思考力型の授業はどういうものか、その一端に触れることができた貴重な時間となりました。