1997年の開校以来、1,300人以上の東大現役合格者を輩出。しかし、ただ東大に合格させるということではなく、その先のグローバルリーダーとなるような人材に育てるという目的もあるとのこと。高い実績と理想を実現させるために、いったいどのような授業をしているのでしょうか。突撃隊メンバーのおすずさんが迫ります。
お話をうかがった方々

(写真左)英語科講師 関戸雅嗣先生
(写真右)数学科講師 安富教博先生
(写真中央 聞き手:エデュママ社員突撃隊 おすずさん)
東大が求める力が備わるMEPLOのカリキュラム
習っていない演習問題を夢中で解く塾生たち
おすずさん:MEPLOでは「東大が求める力」をとても重視したカリキュラムを組んでいると聞き、私も東大のアドミッションポリシーを読んでみました。それによると、東大が求める人物像、グローバルリーダーとして活躍できる力として、「論理的思考力」「課題解決力」「表現力」のほか「自主性」「行動力」とのこと。実際、先生方はどのような授業をされているのでしょうか。

主体的な学びを大切にしている 安富教博先生
安富先生:私の場合、「なぜそれを学ぶのか」という意味も含めて授業を進めています。もちろん基本的な概念はしっかり教えますが、中1のクラスでも大学の教養課程1年生で扱うような内容から始めることもあります。
それは、将来的に数学はこのように学んでいくものだ、ということを教える意味もあるんです。学校では、学問としての数学を教えることはできないですしね。
課題解決力の育成については、MEPLOでは高1修了までは未修者前提で授業をしていますが、授業の後半ではあえて教えていない演習問題も多く出しています。
おすずさん:えっ! 習っていない問題を解くんですか?
安富先生:社会に出ると、自分が持っている知識やスキルを使って、いかに最大限の力を発揮するかが問われる場面が多くありますよね。最初は時間を決めて解かせますが、生徒が諦めない限り解けるまで黙って待つこともあります。「そろそろ解説していい?」と聞くと「まだやりたい」と、生徒たちは自分で解決しようとしていますよ。もちろんできないときもありますがそれも経験です。「こう考えたらうまくいかない」「この解き方では失敗する」という経験をたくさん積むことで、別の問題を解くヒントも見つかる。中1から通うことでやったことのない問題に対しての耐性もついていきます。
おすずさん:とても活気あふれる授業風景が目に浮かびます。それもクラスの人数が少ないからでしょうか。
安富先生:そうですね。私は「好きなアニメやスポーツ、また部活のことなどをみんなに詳しく説明して」と発言を促すこともしています。好きなことは話しやすいですからね。発言することが当たり前のような環境をつくっていくと、生徒たちも学校では発言できなくても、MEPLOのような15人程度のクラスなら話しやすいようです。
実社会を意識した英語の授業。文法重視の理由とは?
関戸先生:英語は日本の文化との違いを勉強していくものです。
授業では実社会で使う英語を意識して、中1から文化的背景や状況を考えた授業をします。例えば写真を使って「この場面でどんな英語が使われるか」を考えさせるなど、英語の勉強は面白いものとして感じられるよう工夫しています。
また英語は学年が上がるほど、低学年で身についた癖がなかなか取れません。例えば英語には所有格がありますが、実際の日本語ではほとんど出てきません。これを逐一訳す癖がつくと、日本語を英語に変換する際に、日本語には出てこない所有格をつけ忘れるということになります。日本語にはないけれど英語にはあるという意識をすり込んでいくのは、できるだけ早いほうがいいですね。
おすずさん: 中1から通うことの効果があるんですね。英語の授業ではどんな特徴が?

関戸先生: MEPLOでは多読は採用していません。言語学習理論では10歳を過ぎてしまうと、ネイティブライクに第二言語を習得できないとされています。また多読では“英語をシャワーのように学ぶ”ことを推奨しますが、家に帰って日本語では意味がない。そこで昔ながらですが、最初は文法から勉強していくほうが効果的です。中1、中2はまず日本語との違いを認識させて、「読む」「書く」「聞く」「話す」の4技能を段階を踏んで履修させることを念頭に置いています。
おすずさん:英語の場合、発信力や問題解決力などはどうやって身につくものなのでしょう。
関戸先生:東大入試にはスピーキングテストはないのですが、自由英作文はしゃべることと同じレベルのものが求められます。そこで中3くらいから英作文をはじめ、高2ではクローン問題についてどう思うかといったエッセイや、ディスカッションも行います。ただ途中で大体日本語になってしまうのですが(笑)
課題解決力の面ですと、最近は記述の問題が増えてきていますよね。特に東大入試の英語は語数の指定がありません。語数が決まっている問題だと、そこから逆算して解答するといったテクニックが使えますが、東大はそれが通用しないのです。何が求められ、それにどう解答するか、長文を扱うカリキュラムで履修します。ここで身についた力は入試のためだけじゃなくて、大学を出たあと、社会に出てからもすごく役立つと思います。