自ら考え学ぶ授業だからこそ初見の問題にも対応できる
おすずさん:ちょっとイメージと違っていました。私の考えが旧態依然としているからか、受験を有利にするためには、数学だったら早く解けるような解法を徹底的に教えるとか、英語だったらとにかく多読するとか思っていました。

安富先生:数学に関しては定義と定理がとても大事です。そこで「なぜその公式が生まれたのか」「その分野は何のために必要だったのか」という根本から学ばせています。
東大受験では初見の問題が出ることもありますから、「習ったことを思い出して解く」のではなく、ゼロから考える力、自分で問いを立てて解決する力が必要です。そのためにも、先人の思考のプロセスを学ぶことで、自分でも何かを生み出したくなるような学び方をさせたいのです。
実際、生徒たちは授業の中で私がどんな別解を見せるかを予想して、自分なりの解法を考えてくるようになります。私と勝負するつもりで、「先生ならこう解くはずだから、違う方法で解こう」と工夫し始める。そういう学びが、初見問題への対応力にもなり、やがて社会に出てから新しい問いを立てる力にもつながると思います。
おすずさん:すごい! 先生と競い合っているなんて、それが普通の状態なんですね。
安富先生:毎年生徒の解法に驚かされます。もちろん間違えた解法を持ってくることもありますが、その場合はできるまで解かせ、解決する術があればそれはみんなで共有しあう。生徒たちはすごく思考します。
また自分で生み出した解法が合っていると感動というか興奮しますよね。その体験は、初見の問題に対しても、怖さより楽しさのほうが勝って解くモチベーションになる。逆に生徒たちは既出の問題が出てくるとテンションが下がる子も多いですよ。
学校との両立も図れるMEPLOの学び
おすずさん:MEPLOのカリキュラムや先生のお話をおうかがいして、自発的に学ぶ姿勢や意欲的な生徒さんの姿が目に浮かびます。しかも生徒さんは部活もしっかりしながら通えている理由に、宿題が少ないからと聞きました。

やってくる生徒が多いとのこと。
その生徒がさらに友達を連れてくるのだそうです
関戸先生:こんなに宿題が少なくていいのかと言われる保護者の方もいます。しかし、学校終わり、部活終わりに、さらに塾の宿題となると生徒も限界でしょう。その代わりMEPLOでは厳選した良問をじっくり解かせ、その重要点を把握させ、のちに確認テストをするという形で効率よく知識を定着させる手法を採ります。もちろん、さらなる定着のためのドリル的問題は配布しますが、週のどこかで少し時間を取ればこなせる量に絞ってあります。学校との両立を図ることができるのはMEPLOならではでしょう。
おすずさん:学校の定期テスト対策などもされるのでしょうか。
関戸先生:我々のような塾では、テスト対策はしません。ただMEPLOを卒業した大学生スタッフ[クラスサポーター]が常駐していますので、そこで質問する生徒はいますね。
安富先生:例えば生徒がテストで不振だった場合、その理由を尋ねると、さまざまな理由を挙げるでしょう。その際、「失敗しないためにはどうすればいい?それを実践してごらん」と促します。そしてどんなおかしな方法でもやらせてみる。生徒自身が問題解決の提案を立てていく習慣をつけると、その後の学習効果も高まりますよ。
おすずさん:自分で問題点を考え答えを導く、そうしたクリティカルシンキングが自然とできる環境があるからこそ、しっかりと学力が身につくのですね。
東大は本人の意志がないと合格できない!そのために親ができること
おすずさん:中学受験は二人三脚というか、親がしっかり見ていくような勉強スタイルです。先生のお話を聞いて、その意識は捨てないといけないと思いました。最後に、東大受験に向けて親としてはどんな環境を用意すべきか、アドバイスいただけますか。
関戸先生:保護者会でもよく言うのですが、子どもの特性をよく見ることが一番かと思います。四六時中口を出すのはマイナスになることも多いものです。受験後、東大合格者にアンケートを取ると、ほとんどの合格者は「親からあれこれ言われないのが良かった」という感想が多かったです。
まずは、子どもと程よい距離感を取りながらも、学習に適したところは塾なのか学校なのか、そして問題が発生したら誰が解決するか、そうした環境を整えてあげることが一番だと思います。

そのため一人当たりの発言回数が少なくなることも。ある時、
積極的な高2の生徒から「最近授業で当たることが少ないのでもっと当てて」と言われることもあるそうです
安富先生:大人は子どもに不安を与える人であってはいけないと思います。私は今のうちにどんどん失敗を経験してほしいので、挑戦する機会を奪わないように、不安はどんどん取り除いてあげてほしい。
また気持ちの余裕も必要です。学校でも塾でも、そして家でも成績の話やアドバイスばかりされては、子どもは自分自身で考えたりする余裕がなくなってしまいます。そして、余裕がなければ、「将来こうなりたい」「社会でこう活躍したい」と思い描くことも難しくなってしまう。だからこそ、私は家庭が子どもにとって一番リラックスできる場所であってほしいと思っています。
気持ちに余裕があれば、将来のことを考えたり、苦手なことにも挑戦してみようという気持ちが芽生えてくるはずです。そのためにも、お子さんが家に帰ってきたときは、「頑張ったわね、ご飯食べなさい」と、温かく迎えてあげてほしいのです。
関戸先生:東大は子どもが行きたいって言わないと受からないものです。親が行かせようと思っても絶対受からない。
最後、高3の冬に莫大な科目数をこなすわけですけど、それは自分が行きたいと思わないと絶対にやりこなせないくらいの勉強量です。それができるマインドにまで持っていくのは、お父さんお母さん方の手腕だと思います。
思考する力を重視したカリキュラムに触れて
質の高いカリキュラムもさることながら、合格をゴールとするのではなく、自分で考え、解決に導く思考プロセスを育むMEPLOの学びに強く感銘を受けたおすずさん。こうした力は、学力の向上にとどまらず、東大入学後の学びや日々の生活においても、きっと確かな支えとなるのでしょう。そして、それこそが東大のアドミッションポリシーに掲げられた「論理的思考力」や「課題解決力」の根幹なのかもしれません。
後編では、MEPLOを卒業後、大学生スタッフ[クラスサポーター]として今度は指導の立場で戻ってきた東大生たちに話をうかがいます。
取材協力:東大現役進学塾MEPLO