中学受験、費用は全部でいくら? 終了組に聞きました。(2ページ目)

アンケート結果の背景にある中学受験対策の多様化

中学受験費用

中学受験の費用が350万円以上という層が多いのは、中学受験対策が塾の授業だけに限られず多様化して、それに伴い出費が膨らんでいるからだと考えられます。学校以外の教育費に出費を惜しまない富裕層にとっては、特定の塾だけに受験対策をまかせておくのではなく、そのほかの機関にも補助的に頼ることが可能です。

そもそも子どもを通塾させるだけでも相当の出費がかかります。多くの中学受験生が通うであろう集団塾の場合、3年間の受講料だけでも200万円かかると言われています。それに加えて、土日の特別講習や模試、年3回の長期休暇の講習、泊まり込みの合宿などの出費が重なります。さらに、受験する学校に支払う受験料は1校あたり約2~3万円がかかり、受験校数が5校であれば、合計10~15万円かかります。

集団塾での授業の補完として、6年生になると個別指導や家庭教師を利用するご家庭も増えてきます。利用料金には幅があります。学生の家庭教師ではなく、実力のあるプロ家庭教師や講師の指導を受けるとなると、金額が跳ね上がります。たとえば1時間5,000円の家庭教師に週2回、2時間の依頼となると、月で8万円。これを半年間続けたとして48万円かかります。このパターンがもっともお金のかかる中学受験となります。

一方で、お金をなるべくかけない中学受験の方法も広まりつつあります。通信添削は従来からありますが、最近はインターネットを活用したデジタル形式のものや動画授業もあり、さらに利用しやすくなっています。また、中学入試そのものの多様化で、受験生の得意な分野を評価する算数1科型入試や思考力入試なども増えてきました。通塾での特別な対策が必要な教科が少なくなれば、その分かかる費用も抑えられることになります。

中学受験にかける費用、家計と子どもに合った勉強法とのバランスが大切

中学受験にかける費用の多寡と受験の結果への満足度は必ずしも比例関係にはありません。今まさに中学受験真っ最中のご家庭は、一度お子さまのようすと家計とを振り返ってみましょう。受験勉強が子どもにとってかなりの負荷となっていたり、その費用が家計も圧迫したりしているようなら、他の勉強方法などを考えてみるのも一つです。これから中学受験を目指すご家庭では、わが子に合った勉強法を模索しながら、充分な資金計画を立てていくことをおすすめします。
ご家庭にとって最適な中学受験とのつきあい方、お子さまにかける教育費の時期や内容を見つけることが大切ではないでしょうか。