中学受験、1月の過ごし方③―「受験生の親の心構え」専門家のアドバイス!(2ページ目)

変わらない日常が入試前日・当日も続くという「平常心」

教育家 小川大介先生:親として目指したいのは「平常心」です。入試前日を、いつも通り特に変わりのない1日にすることが大事です。とはいっても落ち着かないと思います。しかし、親がそわそわするとお子さまも察して落ち着かなくなってしまうので、散歩に行く、漫才を見て笑うなど、受験のことを数分でも忘れられるような時間を作りましょう。(中略)

入試当日は、昨日までの一日が、今日もまたあるだけです。

「模試と一緒だよね」「家でやってきたことと一緒だよ」と肩の力を抜いて送り出してあげられると、受験生の親としては合格です!

家族が一丸となって中学受験に向かうための行動を

早友学院 学院長 髙久富司夫先生: お子さまが今までリビングで学習してきたのであれば、受験間近だからといって、別室で勉強させる必要はありません。後ろを向いたら親御さんがいる、その距離感は受験生にとって安心材料となり、実は勉強にも集中できます。


ご兄弟がいて、下のお子さまが騒いで邪魔するという場合も、どうするのがよいかを家族全員で話し合いましょう。家族みんなで受験に向かっていくということが、よりお子さまに安心感を与えます。
お父さまも、受験前2、3週間は早めに帰ってきて、お子さまの隣に座り話を聞くというのもよいでしょう。お子さまは、「お父さんも受験を応援してくれている」と力がわいてきます。

緊張するのは当たり前、みな同じと思う楽観的構えが大切

受験ドクター 代々木校校長 吉岡英慈先生:直前期、親御さんもお子さまも「どうしよう」「大丈夫かな」という不安な気持ちが広がることと思います。隣の芝生はなんとやらで、よその受験生は落ちついて見えるものですが、不安や緊張は受験生ならみな同じ。不安や緊張、自信がない、などのマイナス要因もいったん受け入れて、「直前期だから怖くなるのはあたりまえ」と思うことです。(中略)

極端な話、「人間、緊張下のほうが、眠っている力を引き出せるんだって」(←実験結果上、事実です)くらいの楽観的構えで過ごすほうが、親子ともに健やかです。

特別な声掛けは必要なし。笑顔と明るい表情でいることが大事

TOMAS 伊藤輝明先生:保護者のみなさまも不安だとは思いますが、まずは大人が腹を決めて、とにかくお子さまに笑顔で接してください。たとえば、毎日、笑顔で「おはよう」「おやすみ」などの挨拶を交わすだけでも、ご家庭の雰囲気は変わっていきます。

これは、入試前日も、当日も、入学試験の後も同じです。特別な声掛けなどは必要なく、とにかく笑顔と明るい表情で、「帰ってくる場所はここにある」ということを伝えてください。
結局のところ、入試当日、試験に取り組むのはご本人です。お子さまがポジティブな気持ちで入学試験に臨めるように、そして実力を発揮できるようにするためには、そういうご家庭の応援と支えが、何よりも大事なポイントになります。

今だからこそ、立ち止まって考えたい「中学受験をする意味」

受験生は、親の前で平然を装っているだけで、実は不安や焦りの気持ちでいっぱいだったりもします。もしかしたら、親御さんの表情に不安の気持ちが現れているのを見ていて、心配をさせないように気丈に振舞っているのかもしれません。

不安に流されないように、わが子を安心させるために、自分自身が平常心でいられるように、ぜひ先生方のアドバイスを参考にしていただければと思います。

最後に、中学受験をするすべての受験生・保護者に心に留めていただきたいメッセージをご紹介します。