1月に入試が行われた開智中学校、市川中学校、東邦大付属東邦中学校、昭和学院秀英中学校の、社会と理科から「おもしろ問題」をピックアップしました。
今年の入試問題に頻出テーマは「新型コロナウイルス」
三密を漢字で答えよ!
開智中学校の社会では、大問1の1問目が「三密」を答えさせる問題でした。

最初の問いの答えが「三密」であることに、メッセージ性を感じます。
同様の問題が、昭和学院秀英中学校の理科でも出題されました。

試験会場でも、「密集」「密接」「密閉」とならないように、さまざまな配慮と工夫がありました。
入試は「初回授業」⁉
明治期に感染症が拡大した理由
市川中学校の社会の大問1は、感染症を題材に、歴史、地理、公民の知識を問うもので、受験生の思考力が試された問題でした。
特に問9は、資料を参考に、明治期に感染症が拡大した理由を答える難度の高い問題です。

日本における感染症の歴史をひも解くと、現代に活かせるさまざまな気づきがあるかもしれませんね。
ウイルスと細菌の違いとは?
続いて、昭和学院秀英中学校の理科。大問1の冒頭の文章1は、「ウイルスと細菌の違いは一体何なのでしょうか」という話から始まります。ウイルスに対抗するためのワクチンや細菌を退治する抗生物質の話、さらに「ファージ療法」という言葉まで出てきます。
驚いた受験生も多かったことでしょう。
問5はウイルスに関する文章1の用語を用いた穴埋め問題です。ウイルスの知識がなくても、国語の力で解ける問題にもなっています。

私立中の入試問題は「第一回目の授業」とも言われます。受験生にとって、この試験が学びの場でもあったと感じさせる問題でした。
「密」からの…トビバッタの生態⁉
市川中学校の理科の大問2は生物。なんと「密」を避けるための適応という視点から、トビバッタの群生相に関する出題でした。


トビバッタの孤独相から群生相への変化は、簡単に言うと、幼虫期に過密状態になることで発生するとのこと。その結果、体の色が黒くなり、はねが長くなって飛びやすい体になることがわかっています。調べ学習にも適した題材ですね。
志村けんにサザン、社会問題に対する先生の想いが…?
入試問題には時折、作問をした先生の興味が反映された問題が顔をのぞかせます。また、「こんな生徒に来てもらいたい」「こんな考えを持ってほしい」というメッセージも込められています。
東邦大付属東邦中学校の社会の大問1・問2では、市・区の説明に「日本代表するコメディアンの出身地としても知られる」とあります。

さらに、大問3の問題には、サザンオールスターズの「ピースとハイライト」と「平和の琉下」に関する文章もありました。
志村けんもサザンも親世代のヒーロー。「こんな問題がでたよ!」と親子で会話が盛り上がったのではないでしょうか。
ではなぜ、取り上げたのでしょう。現代の社会問題を親子で考えるきっかけにしてほしいという先生の想いもあったのかもしれませんね。
問題に学校からのメッセージ!
最後は、開智中学校の社会の大問3、地理分野の出題からです。県境をテーマにした問題に、学校からのメッセージを見つけました。

埼玉県にある開智中学校は、2月1日入試が本命の受験生に、前受け校としても選ばれる学校です。朝早くに出発して試験会場にやってきた遠方からの受験生に向けて、労いのメッセージがあるようにも感じました。
私立中の入試問題は知の宝庫。ぜひ親子で解いてみてください!
■参照元
・開智中学校の入試問題&入試情報
https://www.inter-edu.com/juken-sokuhou/report/kaichi-r2/
・市川中学校の入試問題&入試情報
https://www.inter-edu.com/juken-sokuhou/report/ichikawa-r2/
・東邦大学付属東邦中学校の2021年度 社会問題
https://www.inter-edu.com/juken-sokuhou/report/toho-r2/
・昭和学院秀英中学校の入試問題&入試情報
https://www.inter-edu.com/juken-sokuhou/report/shuei-r2/
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